一刀の忘れ物
一刀が別世界に来てから約一週間が経過した頃
恐らく読者も気になっているであろう一刀がもといた世界では
カツカツッ
深夜、誰も通らない街を仕事帰りの女性が歩いていると
ゴポポッ!
ギャシャアァーーッ!!
女性「きゃあぁーーっ!?」
突如、川の中からデビルエナジーによって怪物化した魚が女性目掛けて襲いかかってくるが
ヴラド「ハァッ!」
ズバァッ!
ギャシャアァーーッ!?
魚は現れたヴラドの一撃を食らって消滅した。
ヴラド「お嬢さん、お怪我はありませんでしたか?」
女性「あ┅危ないところをどうもありがとう┅」
と、女性がヴラドにお礼を言おうと顔を見ると
ヴラド「はぁはぁ┅」
ヴラドの顔は鼻血が出まくって興奮していた。
女性「きゃ┅きゃあぁーーっ!?」
ヴラド「あっ、ちょっと待ってください!?」
バビュンッ!!
そしてヴラドの顔を見た女性は即座にこの場から走り去るのだった。
ヴラド「ちっ、また失敗か」
助けてあげたのに化け物扱いされたことにショックを受けるヴラド
実はヴラドは女の匂いを嗅ぐと血を吸いたいがあまり興奮して鼻血を出す癖があることが後に判明したのだった。
すると
マミィ「見てられないわね」
ザッパ「なぁにが『お前らなんかと違って僕なら成功できる』や、もう五回は失敗しとるやないか」
フラン「フンガー」
訳『ダメダメじゃん』
隠れていたザッパ、マミィ、フランが現れた。
一刀が消えてからも四人はデビルエナジーの魔の手から人間を救うべく活動していたのだが
既に外見が化け物であるザッパとフランは表に出ただけで騒ぎになり、マミィは女が苦手であったため相手が女性ならば助けないことがあった。
そしてヴラドは上記の理由により逃げられていた。
マミィ「やっぱり一刀の存在は大きかったようね」
これまでの失敗から反省し今まで彼らがうまくいっていたのは半獣であれど人間の姿をした一刀がいたからであることが判明した。
ザッパ「一刀の奴、今頃、何処で何をしとるんやろな?」
フラン「フンガー」
訳『早く会いたい』
三人が一刀のことを思うなか
ヴラド「フンッ!あんな半獣なんてほっておけ!僕らは僕らでやるしかないだろ。見てろよ!次こそは成功してみせる!」
一刀の存在を無視するヴラド
しかし、この時の彼らは知らなかった
あまりモンスターの存在が目立ちすぎると動く組織があるということを┅
一方その頃、こことは違う別世界はというと┅
翠「はぁ、久し振りの外だな」
蒲公英「翠姉様!」
前回一刀に大事なところを見られたショックにより引きこもっていた翠がようやく出てきた。
翠「あれっ?北郷はどうした?」
出てきた翠は一刀の姿が見えないことに気付き蒲公英に聞いてみると
蒲公英「お兄さんはね、出ていったよ」
翠「えぇっ!?」
蒲公英「翠姉様が引きこもったのは自分の責任だと感じてね」
蒲公英がそう言うと
ドォンッ!!
翠「あのバカ野郎が!」
翠は壁を強く叩くと
蒲公英「どこ行くの?」
その場から飛び出そうとする翠に蒲公英が聞くと
翠「決まってるだろ!北郷を探すんだよ。まだ遠くには行ってないはずだろうしな」
何日かかろうが一刀を見つけるまで帰らないような目をする翠に
蒲公英「大丈夫だよ。日暮れまでには帰るからさ」
翠「えっ?」
蒲公英の言葉を聞いた翠は頭に?を浮かべた。
翠「だって、あたしが引きこもったのが原因で出ていったんじゃ!?」
蒲公英「それは蒲公英の冗談だよ♪出ていったのは本当だけど理由は賊のアジトに落とし物をしたから取りに┅」
と言い終えた時に蒲公英は気付いた。
翠「た~ん~ぽ~ぽ~!!」
蒲公英の冗談を本気にしたせいで大変な目に遭いそうになり怒りで鬼のような顔になった翠が目の前にいることを
蒲公英「あははっ!?許してねっ♪」
翠「許すかバカヤロー!!」
蒲公英「ごめんなさ~い!?」
この後、蒲公英は翠の手によってお尻百叩きを食らうのだった。
読者の皆さんも冗談はほどほどにしましょう。
一方その頃、一刀はというと
一刀「えぇと、この辺に落ちてないかな?」
一刀は前回壊滅させた賊のアジトにて落とし物を探しに来ていた。
すると
一刀「あった!」
無事に落とし物を見つけたようであった。
ちなみにそれは┅
キラッ!
モンスターである一刀の母の爪で作られた装飾であった。
一刀にとって亡き母の毛皮で作られた上着と共に大事なものである。
一刀「さて、こんなところに長居は無用だし、早いとこ戻らないとな」
そして一刀が賊のアジトから出ようとしたその時
?「そこのもの、動くな!」
突然入り口の方から誰かの声が聞こえてきた。
一刀「なにっ!?まさか賊が戻ってきたとか!?」
一刀が降参を意味するお手上げのポーズをしながらその場で待つと
ザッ!
?「我々は賊を退治しに来た義勇軍だ。貴様は何者だ!」
黒髪ポニーテールの巨乳美女が偃月刀を構えて現れた。