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第10話 美影と瑞樹

ページ送り有りの場所に執筆した物を置くと、不自然になるのは私の完全な失敗です。

縦書きを意識したいけど、横書き重視になってるのは環境の構築が甘いせいです。

今更色々な面で問題が発生中!

 烏丸家の本業は『出版業』だ。

 それなりに大きな出版社を持っており、雑誌などの刊行も行っている。

 力の鬼塚家、智の烏丸家と言われており、八坂家はその中間に位置している。

 お互いの間を取り持つのが主な役目であり、治めるという点においては二家の上をいく。


「いやしかし、詠春様よりお伺いはしておりましたが、まさかこんなことになるとは」

 宗助さんはボク達を美影の部屋へと案内しながら、そんな言葉を口にする。

 どうやら、理解が追いついていないようだった。

 当然といえば当然だろうね。


「とは言いましても、やはり半分は納得しているのです。元々そのような感じもありましたから」

 烏丸家の邸宅は無駄に大きい。

 そのため、廊下も長いのだ。

 部屋数は十以上はあるよね?


「やっぱりそう思いますよねぇ。お姉ちゃんは前からそんな感じでしたから」

 宗助さんの言葉に同意するようにミナが言う。


「ボクはどっちでもないつもりだったんだけどなぁ」

 実際ボクはどっちかの性別を意識したことはなく、必要なことをやっただけだった。


「そこに誘導したのが、何を隠そうこの私」

「何してくれてるの!?」

 思わぬカミングアウトに、ツッコまざるおえなかった。

 少々声が大きくなってしまったので、我に返ってから恥ずかしくなったが……。


「ふふ、やはりお二人は仲がよろしいですね。おっと、着いたようです」

 ボク達の様子を見て微笑ましそうにそう言う宗助さん。

 立ち止まった先にある扉には『美影のお部屋』と書かれたプレートが下げられていた。


「美影お嬢様、お客人です」

「入ってください」

 宗助さんがノックし声を掛けると、部屋の中から返事があった。

 美影の声だ。


「失礼致します。さ、どうぞ」

「おっ、お邪魔します」

「お邪魔します」

 宗助さんに通され、ボクはビクビクしながら中へと入る。

 反対に、ミナは堂々としたものだった。


「いらっしゃい、ミナちゃん。それと……昴」

「!?」

 分かるわけないよねと、心の中で期待していたのは事実だ。

 でも、呼ばれた上にミナと一緒にいたら否応なしに分かってしまうはずだ。


「ふふふ、こんなに可愛らしくなって」

 いつの間にかボクの目の前にやってきた美影。

 ボクの頬を撫でながら、怪しい目つきでこっちを見ている。


「みっ、美影。あのね?」

「お嫁にはいつ来るのかな? ちょっと算段立てないと」

「落ち着いて美影! ボクはどこにもいかないし!」

 怪しい雰囲気に怖気を感じたボクは、余計なことを言う美影を必死で静止することにした。

 負けたらろくでもないことになるのは確実だ。

 なぜなら、烏天狗というものは欲望に忠実なのだ。


「みかげちゃん、みずきちゃんのことはいいの?」

「!?」

 不意に隣にいたミナがジト目で美影にそう言い放った。

 その言葉を聞いた美影は、びくりと身を震わせた。


「そ、そうだよね。瑞樹を怒らせたらそれはそれで困るものね」

 美影はどうやら瑞樹にひどい折檻をされたようだ。

 自称姉は他称妹に負ける。

 もう瑞樹が姉でいいんじゃないかな?


「それで、何の用なの?」

 ボクは本題を切り出す。

 さっさと目的を済ませるためだ。


「そうそう、瑞樹が昴に異変を感じたとか言ってね。朝から連絡取るように押しかけて来たのよ。それでね?」

 美影はスマートフォンを取り出して見せると、プラプラとボクの前で振った。

 なぜ美影に瑞樹がそう言ったのかというと、瑞樹は電子機器をほとんどもっていないのだ。

 パソコンやゲーム機器があるくらいで、携帯機器類は一切持たない。

 なぜか頑なにスマートフォンも持たないのだ。


「瑞樹、まだ持たないんだ。ホラー映画が効きすぎたのかな?」

「たぶんね。あれじゃ、もうしばらくはだめね」

 瑞樹が携帯機器を持たない理由。

 それは単純明快で、ホラー映画を見たせいだった。

 瑞樹は妖種のくせにホラー系が苦手なのだ。


「妖精郷には妖怪たくさんいるのにね」

「あれは実体があるでしょ。それに幽霊だって普通の見た目だし」

 ホラー映画のような恐ろしい見た目の幽霊や妖怪はほとんどいない。

 たしかに骨はいるけど、ダンス踊ったり畑仕事したりしていて結構気さくなんだよ?


「それで、瑞樹は――」

 ボクがそう言った瞬間、扉が勢いよく開いた。


「すば――」

 突然登場した瑞樹は、そこまで言ったところでボクを見て固まってしまった。


「――る?」

「うん」

 小首を傾げながらそう尋ねてくる瑞樹。

 ボクは素で返事してしまう。


「あんなに可愛らしかったのに、こんなに可愛らしくなって」

 混乱しているのか、瑞樹が良くわからないことを言う。


「それって変わってないよね? 大丈夫?」

 一応心配しておく。

 でないと、後が怖いから。


「こほん。詠春おじさまに聞きました。月天狐になられたそうですね。でも、一時的にでも陽天狐にもなれるとか?」

 いつの間にそんな情報を仕入れたのかわからないけど、瑞樹の言う通りだった。


「お父さん、そこまでしゃべっちゃったのか……」

「いえ、私が頑張って聞き出しました。上等なお酒とお稲荷さんで」

 妖狐族の悪いところ、それは上等なお酒ですぐに気を良くしてしまうところだ。


「あぁ、うん。なるほど」

 お父さんの攻略法、もう広まってるんじゃないかな?

 ボクはがっかりだよ。


「まぁまぁ、そう気を落とさないでください。昴の問題もそうなんですけど、実はですね。『コフィン』をいただきました。それで美影と一緒にアルケニアオンラインを始めようかと思いまして」

 瑞樹が指さした先には、見慣れた機械が。

 今まで気が付かなかったけど、たしかにコフィンだ。


「やってるって、誰から聞いたの?」

 素朴な疑問である。

 誰から漏れたんだろう?


「はいっ!」

 犯人はすぐ隣にいた。

 ミナよ、そんなにほいほいとしゃべらないでほしいんだけど……。


「ふふ、ミナちゃんお手柄ですね」

「えへへ~」

 ミナは瑞樹に撫でられご機嫌だ。


「それで、話なんですが――」

 こうして、ボクは瑞樹に色々と質問されるのだった。

 なお、その時美影はなぜか正座していた。 

いつもお読みいただきありがとうございます。

日常なげーよ! という意見があるのは一々ごもっともでございます。

個人的に、まさか書きたいこと書いてたらこんなに長くなるとは思わなかった。

やべーよ! って思ってます。

あとでまた削らなきゃいけなくなるのかなぁ……。


削ったものはどこかのタイミングで閑話や番外編で載せますので、キープしてます。

だからといって面白いわけではない!


いつもお付き合いいただき誠にありがとうございます。

言いたいことは山ほどあると思いますが、徐々に成長していくはずですので、結果にて示させていただきます。

本当にありがとうございます。

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