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第3話 屋台の場所決め、そして試運転

今回はちょっと冗長だと思います。

いずれ修正しようかな?

街の人が生きてるように感じられるか、そういった表現の仕方を模索しています。

 屋台の出店場所を決め、そこで料金を支払う。

 その後、建設資材が搬入されると、街の人の手伝いもありどんどん屋台が形になっていった。


「いやぁ、スピカちゃん達の屋台か。実に楽しみだね」

「基本はアーク君が作るんだって?」

「えぇ、基本は俺がやりますけど、一部はスピカやマイアに頼みます。接客はこの子達がメインですけどね」

 手伝ってくれた街の人が色々と質問してくるが、アーク兄が質問の類を一手に引き受けて回答してくれる。

 やっぱり当初の予定通り、ボクとマイアは接客がメインになるようだ。


「ほぅ、アーク君の料理はおいしいと評判らしいな。ついに私も味わえる日がくるのか」

 渋い声が聞こえてきたので後ろを振り向くと、そこにはアニスさんと大柄な男性が立っていた。


「やっほ~、スピカちゃぁぁぁぁん!」

 アニスさんはボクに向かって笑顔で手を振ってくる。

 

「滅多に見ない珍しい人がいますね。なにしにいらっしゃったんで? 『リカルド』さん」

 アーク兄が渋い声の大柄な男性に向かってそう言った


『リカルド』、それはメルヴェイユ冒険者ギルドのギルドマスターの名前だ。


「君がスピカ君だね。アーク君の妹にして街で評判の子だね」

 リカルドさんはボクの目の前までやってくると、そっと手を差し出した。

 どうやら握手のつもりのようだ。


「はい、評判かどうかは知りませんが、アーク兄の家族で間違いありません」

 ボクは一瞬躊躇ったものの、意を決して握手に応じる。


「ふむ。なるほどな。詰めは甘いが度胸はあると……。それにしても珍しい希少種なのだね。これは……」

 たった一回の握手で何かを読み取ったのか、リカルドさんがそんなことを言ってきた。

 まさか、情報読まれた?


「そこな下郎。いい加減スピカの手を離さぬか」

 お婆ちゃんがボクの前に歩み出てきて、そっとその身体でボクを隠す。


「げ、下郎……。貴女は……。いや、止めておきましょう。どう考えても勝てない」

 リカルドさんは一瞬顔をヒクつかせたものの、すぐに落ち着きを取り戻した。


「情報を読み取った手腕は見事よ。だがのぅ。妾の孫に手を出せばどうなるか、その身に教え込まねばならんかのぅ?」

 お婆ちゃんの声がいつもより低い。

 おそらくこれは、怒っている……!!


「い、いえ。申し訳ありません。確かに情報は読み取りました。ただ意味もなく読み取ったわけではなく、メルヴェイユ様の神託を受けたからでありまして……。お怒りは重々承知ですが……」

 お怒りのお婆ちゃんを見たリカルドさんは、急に態度を変えると腰を低くして対応していた。

 我を張らずに引くことの出来る大人の男性なのだろう。


「ほぅ。メルヴェイユがのぅ。またあやつに説教せねばならぬことが増えたか。大体気になるなら自分から来れば良いものを……」

 お婆ちゃんの背中からは怒りのオーラが消えることはない。

 それどころか、眼に見えない圧力がボク達を押しつぶす。


「お、お婆ちゃん……」

 ボクがそう呟くと、お婆ちゃんは顔を青くさせながら謝ってきた。


「おぉ、すまぬすまぬ。妾が悪かった」

 圧力を解いたお婆ちゃんは、一気に駆け寄ってくると、平謝りしながらボクの頭を撫でる。


「も、申し訳ございません。確かに確認しろとはおっしゃられました。神託は間違いなかったとも確認できました。お許しください」

 リカルドさんは大きな身体を折りたたみ、青い顔をしながらひたすら土下座をしていた。


「今回は不問とするが、次回はないものと知れ。読み取るならばだまし討ちなどせず、スピカに尋ねればよかろう」

「ははーっ」

 今日覚えたこと、お婆ちゃんは怒らせると怖い。


「ま、まぁ、それくらいにして。リカルドさんも料理食べて行ってください。今日は少し試験営業しますけど、本番は明日からなので」

 そう言うと、出来たばかりのテント式屋台の調理場に入っていくアーク兄。

 リカルドさんやアニスさん、そして街の人は青い顔をしながらも、誰一人逃げ出そうとはしていなかった。


「ごめんなさい、お婆ちゃんがあんなことをして。大丈夫でしたか?」

 まずは街の人にそう声を掛ける。


「いや、いいんだよ。あれはリカルドさんが悪い」

「そうよ、スピカちゃんは悪くないわ」

「それにしても、あの美人さん、すごい迫力だったな。あれがスピカちゃんのお婆様だなんてなぁ」

「そうねぇ。あんな美人見たことないわね。神秘的って言うのかしら。エルフ達とは全く違った雰囲気を感じるわ」

「青い顔をしながらも立ち続けるアーク君、かっこいいわぁ」

「ある意味では、スピカちゃんのほうがお婆様より強いってことか」

 手伝ってくれた人達は、口々に気にする必要はないと言ってくれた。

 よかった、トラウマにならなくて……。


「アニスさんもリカルドさんも大丈夫でしたか?」

 一番の被害者でもあるアニスさんと、自業自得ではあるものの職務に忠実なリカルドさんにも声を掛ける。


「こわかったよぉぉぉぉ。でも、あれが天狐様……」

 ひしっと抱き着いてきては、ボクの胸に顔を埋めてスリスリしてくるアニスさん。

 ちょっとかわいそうだったので頭を撫でていると、何やらアニスさんの息が荒くなっているのがわかった。

 

「はぁはぁ、クンカクンカ」

 アニスさんが何をやっているのかは分からないけど、匂いをかがれるとくすぐったい。


「いや、すまなかった。メルヴェイユ様からは確認し、見守るようにと神託を頂いてね。真偽を確かめたかったのさ。でも、その理由がよくわかったよ。そして、あの綺麗な女性。あれは神だね? 本気で恐ろしさを感じてしまったよ。圧倒的な力と恐ろしさ、そしてあの美しさだ。宗教鞍替えしようかな……」

 リカルドさんはボクに謝ると、事情を説明してくれた。

 結果的に言うと、信託にあった者がボクであることを確認したかっただけのようだ。

 まぁでも、無許可で情報を読み取るのはマナー違反だとは思う。


「え、えぇ。それはいいんですけど……。宗教の鞍替えってなんです?」

 リカルドさんが発した一言がボクは気になっていた。

 リカルドさんは何を見出したんだろう。


「はは、まぁ信仰する神を変えようかと思ってね……。おや? 何やらいい匂いが」

 リカルドさんはやや顔を赤くしながら、誤魔化すようにそう言ってきた。

 一体どうしたというんだろう。


「アーク兄、もう作ってるんだね。早いなぁ」

 それからボク達は、アーク兄の作った料理に舌鼓を打ち、一旦解散となった。


「スピカちゃん、アークさんの料理っておいしいね」

 ボクがログアウトする直前、アニスさんがそう感想を口にしていた。


「料理が生きがいみたいになってる人ですから」

 ボクはそれだけ言うと、現実でご飯を食べるべくログアウトした。

いつもお読みいただきありがとうございます。

また、誤字報告ありがとうございます。


今回はちょっと自分なりの実験も含めたので、おそらくかなり読むのが面倒なのではないかと思っています。

相も変わらず表現が下手なんですよ。

そういうわけで、もっとうまい表現や躍動感を感じられる飽きない物語を目指し中です。

本業の作家さんは、そのシーンを映像にしているそうです。

○○は棚の扉を開けると、小さなガラス製のコップを取り出し棚の扉を閉める。

というように、一連の動作を具体的に設定するそうです。


今回の部分にはこれが足りない気がしますが、ちょっと色々考えてみます。


もしよろしければ、気が向いたら評価などいただけると幸いです。

面白さって難しいですね。

あと、テンポ。

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