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第41話 ハイオーク輸送隊長バラカス

小説の体裁を整えるために冗長な部分を削除したりはしましたが、バックアップはしてあるので次の10万文字開始あたりで少しずつ投入していきたいと思います。

「いくぞ! 雑魚共を狩り尽くせ!!」

「「「おぉーーー!!!」」」

 アモスさんの号令に100人のプレイヤー達が一斉に声を上げる。

 100人のプレイヤーの大声が辺りの空気を振るわせた。


「突撃ーーー!!」

 相手はハイオーク。

 油断ならない相手だが、こちらは五人一組のパーティーで相手1人に対処する。

 

「ええい、何をしておるか! ハイオークの底力を下等な人間共に見せつけてやるのだ!」

 バラカスの怒声により、弾かれたようにハイオークの歩兵達がプレイヤー達に向かって駆け出した。


「怯むな! 相手はただのハイオークだ! 俺達の力を合わせれば勝機はある!」

 あちこちで戦いが始まった。

 ある者は正面から打ち合い、ある者は遠近を駆使して相手を翻弄する。

 力負けした者はハイオークに斬られ、一時的に後退していた。


「よもや貴様ら下等な者共に嗅ぎつけられるとはな。そこの小僧の仕業か?」

 バラカスはボク達の方を見やりそう言うと、ケイアンの方をじろりと睨む。


「お、お前らが、僕達の村を!」

 ボクの後ろに隠れながらも、ケイアンはバラカスを睨みながらそう言う。


「ハッハッハッ、お前ら如きは所詮雑兵にすぎぬ。それでも、偉大なゴディアス将軍のために働かせてやろうというのだ。感謝こそされど恨まれる覚えなどないわっ!!」

 自分達こそが正義と言わんばかりにそう言い切るバラカス。

 バラカスは本当にゴディアスという将軍に心酔しているようだ。


「ハイオークは偉大な種族と聞いていたのだがな? ここまで愚かだとは思いもしなかったぞ」

 アモスさんは剣を抜き放ち、バラカスにそう言い放つ。


「いいだろう、所詮は人間族。奴隷種族ごときが偉大なるハイオークに逆らった罪、きっちり償ってもらおう!」

 バラカスは輸送隊の隊長ということだが、その見た目は将軍か何かのようだった。


「ゴディアス将軍に敗れて以来、俺はずっと輸送に従事してきた。だが、俺の本職は百人隊長よ!」

 バラカスは輸送隊長とは名ばかりの、ばりばりの武闘派だったのだ。

 その言葉に嘘偽りはなく、その体には力がみなぎり、筋肉が隆起していた。


「さて、そろそろ妾も――」

「お婆ちゃん、ボク達で戦っていい?」

 戦う準備をしていたお婆ちゃんに、ボクがそう提案する。

 すると、お婆ちゃんは嬉しそうに頷いた。


「やってみるがよい、妾は後ろで見ておるでな」

お婆ちゃんは満足そうにしながら後方に下がった。


「面白い。ならば見せてもらおう。【アーマーフォートレス】」

 アモスさんが短くそう言うと、アモスさんの身体を光の衣が包み込んだ。


「防御強化か。そんなもの一瞬で崩してくれるわ! ぬんっ!!」

 バラカスは手に持っていた金棒を大きく振りかぶり、アモスさんを打つ。


 重厚な金属音が辺りに鳴り響く。

 重い金棒と、頑丈な黒鉄の大楯がぶつかり合う。


「いってぇ、衝撃波いてえ!」

「アーク兄、うるさい! 集中してよ!」

 耳を抑えながらこちらにまで影響を及ぼしてくる衝撃波に翻弄されるボク達。

 正直顔が痛いし、耳も痛い。


「つぶれろおおお!!」

「なんのおおお!!」

 再び両者がぶつかり合う。

 バラカスの金棒が空気を切ると、アモスさんの片手剣がバラカスに迫る。

 振りぬいた後の無防備な身体に、アモスさんの剣が吸い込まれると、そのたびに小さな小さな傷が出来る。

 だが、そのどれもが致命傷にはならない。


 そうこうしているうちに、バラカスが再び金棒を振り下ろし、避けきれなかったアモスさんが大楯で防ぐ。

 なんとかガード出来ているものの、与えられる傷はどれもごく小さなものばかりだ。

 このままではジリ貧になるのは確実。

 いずれ打ち負けてしまうだろう。


「さぁて、見てるだけじゃやっぱりだめだよなぁ。しっかし、どうするか」

 激しい攻防に割り込む余地などなく、下手すればアモスさんが危険になる。

 エンチャントだけでも出来れば……。


「【五行刻印比和火行三段:業火炎陣】」

 バラカスの周囲を火の気で満たす。


「足りるかな? 【解放】」

 一気に火の気を解放する。

 高められた業火がバラカスを包み込む。


「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」

 おそらくそこまで効かないだろうけど、怯ませられたなら成功だ。

 ここからさらに一手!


「【五行相剋:火剋金】」

 バラカスの周囲が火の気で満ちてる今こそ発動の時、五行の力を持って、金の相剋関係にある火で金を打ち滅ぼすことにした。


「金棒が……熔けるだと!?」

 バラカスの周囲は業火により高熱となった。

 その瞬間を見計らい、火の気を持って金属である金棒を打ち滅ぼす。

 つまり、溶かしたのだ。


「今だ! 食らえ!!」

 武器を失ったバラカスの一瞬の隙を突いて、アモスさんが剣を突き刺す。


「おっと、これでさらに倍【フレイムウェポン】」

 アーク兄が満ちる火を使い、アモスさんの剣を火の力で強化した。

 火属性も付加され、強化された鉄の片手剣がバラカスを貫いた。


「グガァァァァァァァァァ!!」

 心臓を貫かれ、剣に満ちる火の力でその身を焼かれるバラカス。


「グゥゥゥ、必ずゴディアス様が我が仇を討ってくださるだろう! それまでせいぜい怯えて過ごすがいいわ!!」

 こうしてバラカスは灰となって消えていった。

いつもお読みいただきありがとうございます。

五行については完全に独自解釈になっている気がします。

ただ、こういう相剋については条件を付けて運用していくつもりです。

例えば、滝の裏側で火の気をたくさん生み出したところで、金を熔かすほどのエネルギーは生み出せないなどです。

設定を色々と考えるのですが、まぁ難しいですね。

もっとわかりやすく伝えるにはどうすればいいんだろう?

兎にも角にも、次回分からまた少しほのぼのとしていけると思います。

さすがに今回は無理矢理だったかな……。


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