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第24話 変態お婆ちゃんとステータスの話

 ボクのお婆ちゃんは美人で落ち着いた大人の女性だ。

 い・つ・も・な・らね。

 でも今目の前にいるお婆ちゃんは、少女の姿をしているし、ボクを着せ替えて写真を撮るというおかしな行為を繰り返している。

 そう、まるで人が変わったかのように……。

 あっ、この場合狐が変わったかのようにかな?


「これこれ、そのような目をするでない。妾のことを残念に思う気持ちも分からなくはないが、妾の孫愛として受け取ってくれぬかのぅ? このように可愛い孫であれば、妾だって興奮するのじゃよ」

 ココノツお婆ちゃんはそう言うと、また再びシャッターを切る。


「素晴らしいジト目じゃのぅ! 宝じゃ!」

「はぁ、残念な人……」

 凛々しいお婆ちゃんはどこへ行ってしまったんだろうか。

 今ここにいるのは孫への愛情に狂った変態一歩手前の行動を繰り返す残念なお婆ちゃんだ。


「それにしても、そなたはショートパンツ姿も似合うのぅ。活発な中学生だからじゃろうか? 実によく似合っておる。妾が履いてもこの萌える気持ちは得られないからのぅ。やはり女の子の孫も良いものじゃのぅ」

 お婆ちゃんは大変機嫌が良さそうである。

 家族以外には見せないこの顔こそが、ココノツお婆ちゃんの素顔なのかもしれない。

 ボクは何となくそう感じていた。


「レベルが15以上になるころには身体にも慣れるじゃろうし、もう少し強くなるはずじゃ。今はまだ性別が決まる前の影響が残っておるから、上手く身体に馴染まないはずじゃ。無理はするでないぞ?」

 あまり気にしないようにしてきたけど、ボクの歩く速度や歩幅が変わったような気はしていた。

 どうやら、寝ている間に少しずつ中身が作り替わっていたようで、ボクの身体は少しずつだが丸みを帯び始めていた。


「となると、来月くらいには初潮を迎えるかもしれん。忘れないようによく覚えておくのじゃぞ? 妾達天狐種は、人よりも成長が緩やかじゃ。人が急ぎ成長する中で、妾達は確実に取り残されていくじゃろうからのぅ。まぁ主に比較されるとしたら、胸や身長じゃろうけどのぅ」

 お婆ちゃんはそう言うと、コロコロと笑いながらボクの頭を撫でる。


「初潮ってなに?」

 ボクは初めて聞く単語について問い返した。

 お婆ちゃんは少し驚いたような顔をしてから、ボクに教えてくれた。


「なんと、そこまで知識が不足していたとはのぅ。本当に、何も教えておらなんだか……」

 お婆ちゃんは溜息を吐くと、早速ボクに色々と教えてくれた。

 女の子になるとはどういうことか、今後どうなっていくのか、気を付けるべき時期とそれ以外の時期の過ごし方などなどだ。

 気を付けるべき時期というのは、なんとなく身体がむず痒くなる時期のことらしい。

 ここだけはぼかされたものの、深く追求する気にはならなかった。


「今日は泊まっていくのじゃろう? 明日には帰るじゃろうが、しっかりと頑張るのじゃぞ? レベル15を目指してまずはがんばるのじゃ。妾も応援しておるからの」

 優しい手つきでボクの耳を撫でるお婆ちゃん。

 ちょっとくすぐったいけど、嫌ではないので我慢できる。

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