優しい人ほど……?2
次は番外編(●︎´▽︎`●︎)
『うん…迷ったわね』
「お母様…カイ兄様ももしかしたら…」
『うん。迷子ね』
「アクア様……どうしたらいいのでしょう?」
『…どうしたらいいのかしら』
(うん。案の定みんな揃って迷子になりますねこれは)
まるで迷路のようになってるこの庭を4人で少し歩いてみるとさらに迷ってしまった
『…んー………ダメね。なにも思いつかないわ』
「ねぇジェイヌ…ジェイヌの魔法でどうにかならない?」
「アリス様それは無茶です!私の魔法は風属性ですし…使ったら間違いなく庭ごと私達が吹き飛びます」
『うん確かにね』
「アリスちゃんの魔法属性は…?」
「私?私は光よ」
『えぇ王家で久しぶりの光属性を使う子供ですよ』
光属性って確かヒロインもだったよね?ヒロイン以外にも光属性ってアリスちゃんなの?
ゲームでは唯一の光属性の魔法を扱う子はヒロインだけってなってたけど違うんだ
「リサちゃんは何?」
「私は火属性!精霊も実は炎の四大精霊さんでして…」
イフリートさん…四大精霊さんたちのリーダーらしくて…それはそれは強いんだと思う
「凄い!私とジェイヌやお兄様たち以外にも上の精霊さんと契約してるのね!」
あれ?今なんて?ここの王家の人達ってほとんど上の上の精霊さんたちと契約してるの?
何それチート!?
「じ、実は…リュークくんも…」
「あのウルフの方もでしたか…」
『まぁ…!これはもしかしたら奇跡ね。新しい世代が誕生するかもしれないわね』
「世代?」
「お母様達の世代は旧魔法世代と呼ばれているの。昔の太古の魔法を取得している魔導師たちのことなの」
『ふふふっ…時代が変わるにつれ魔法は進化していきますから、今の魔法は私には扱えませんの。アリスは天才肌なのか光属性以外の魔法も扱えるようになっているのです』
「私、ジェイヌもある程度でしたら風属性以外の魔法も使えます」
「すっごい…私まだノーラ様に魔法をそんなに教えて貰ってなくて…」
『大丈夫ですよ。リサちゃんも元からなのか魔力が安定しています。直ぐに他の魔法も扱えるようになるでしょう』
そうなの?自分では分からないけど…私には一体どんな魔法が扱えるようになるんだろう
『では…とりあえず迷宮迷路を抜け…』
「母上!そこで何してるのです!」
『る前に…カイが来ましたわ』
「カイ兄様〜!」
「アリス!?何故…ジェイヌも…というか迷宮迷路に入ると迷子になると言ったではないですか!」
『忘れてたわ』
「もう…」
仕方ありませんねとカイ王子が剣を鞘から抜き出して葉や花を全て斬ってしまう
『後でルクスに怒られてしまうわよ?』
「そんな呑気に言ってる場合じゃないですからね?兄上が庭さえ広くしなければこんなことにはならなかったんです」
おーいルクス王子…カイ王子にも言われてますよ。
というか…今ルクス王子の顔が見れた。
(うん。イケメンだわ。サポートキャラとは思えんイケメンさんだ)
顔立ちは母親似だった。アリスちゃんと同じ金髪で赤い目…この王家…顔面偏差値高いよ
「ほら、お茶会の準備はしてあります。使用人たちに心配かけさせないうちに戻りますよ」
『流石だわ。ありがとう』
「こんなの当たり前です」
第二王子ですからとにこやかに微笑む彼は可愛いよ。
「そう言えばジェイヌ…シズクが心配していたから後で顔を見せてあげるといいよ。アリスの遊び相手をしてくれるのは嬉しいけれどたまには休んでね」
んんっ…何だこの王子の優しい雰囲気は…ふわふわして近づきにくい
「ん?君は……?」
あ、やっと私に気づいた感じ?私そんなに影薄いかな?
『この子はリサ・マルケスちゃんよ。アリスの新しいお友達であの魔導師ノーラくんの隠し子らしいの』
「えぇ!?ノーラ殿に子供が??あのめんどくさがり屋の方に子供??」
あれ?ちょっとだけ毒吐いた?
トゲがあるよさっきの言葉に!?
「えっと…よろしくお願いします!」
「うんよろしく。これからもアリスと仲良くしてくれると嬉しいかな」
「勿論です!一生仲良しです!」
「リサちゃんとはずぅーとお友達なのカイ兄様!」
「ジェイヌはどうですか?」
「ジェイヌはずぅーと私のそばにいる約束でしょう?」
「勿論でございます!一生お傍にお仕えします!」
「うんうん。3人とも仲良くていいね」
『ふふふっ…お父様が見たら喜ぶ光景ね』
「父上といえば…母上…ちょっとだけ小耳に挟んで欲しいことが…」
「?」
「?」
「?」
なんかカイ王子が王妃様の耳元でなにか呟いている
「…とのことでして」
『………。』
カイ王子が話し終わった途端に空気が一瞬にして重くなる
(え?なに?王妃様なんか真顔になったよ??)
さっきまで優しげに微笑んでた王妃様が急に真顔になりだした
「……アリスたち僕とはケーキを食べてようか」
『カイ…アリスたちを頼みましたよ?』
「はい母上」
うん。大変お怒りのご様子です。王様何をしたんだろう。こんな優しい人で美人で…子供思いで…優しい人ほど怒らせると怖いと言っていた弟の言葉をふと思い出した
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