優しい人ほど……?
「リサちゃんこちらにお母様がいらっしゃいます!」
元気そうに走ってくアリスちゃんは物凄く笑顔です
「アリス様〜!そんなに走ってはお怪我してしまいます!」
走ってくアリスちゃんを後ろから追いかけるジェイヌちゃん
とは言ってもそんなに速くは走ってなくて…怪我をすることはないのだけれど
(うーん…やっぱり子供の体なのか走るの疲れてしまう)
私はどれだけ体力がないのか、すぐにゼェゼェと息切れをしてしまう
今その状態で息切れしながら歩いてます
「げほっ……はぁ……はぁ…」
思ったより走りすぎたみたいでフラフラする
「リサちゃん!ごめんなさい…走りすぎてしまって…」
アリスちゃんは私が後ろにいないのに気づいたのかジェイヌちゃんと一緒に来た道をふりかえって戻ってきてくれたみたいだった
この2人すっごく優しいし…将来絶対に悪役とかにならないよ!!
「リサ様?あの…お水ありますので少し休憩致しましょう。王妃様の所までまだまだかかります。」
あれ…ここの庭ってそんなに広い感じですか?でも2人も若干息切れしてる
ガルシア王国のお城の庭すっごく広すぎて絶対に1人になったら迷子になるわ
「リサちゃん、ごめんなさい…またお母様に叱られちゃう…。」
「大丈夫でーす!!私は全然平気だからアリスちゃんは気にしないで!」
天使に泣かれたら、私泣いちゃう!?アリスちゃんと友達になれたのにもう会えなくなるとかは嫌だよ!
「リサ様、アリス様…多分…アクア王妃様の所まで到着するのにあと30分後になるかと…」
「庭って広いのね…」
アリスちゃん、諦めた目をしてしまっている!やっぱりお姫様も広い庭だって困っちゃうよね
「アリス様…お庭が広いのはルクス王子様のせいです。」
「お兄様さえ…あんなこと言わなければもしかしたら今より広くなかったのに…!」
「えーと…ルクス王子がここの庭を広くしろと言ったんですか?」
「聞いて欲しいのリサちゃん!お兄様ったら「ガーデニングに興味があるから今より庭を広くしてくれって言ったの…そしたらお父様が即答で許可してしまって……うぅっ…」
ルクス王子…ガーデニングの趣味あったんだ…。いやあるか…ノーカラ王国のケイティくんも花が好きだし…
「カイ王子様は何も言わずに遠くを見つめてましたね…」
「カイ……王子?」
「私のもう1人のお兄様!カイ兄様はね、すっごく優しいの!お兄様が何かやらかしたらいつもカイ兄様が止めてるのよ」
「優しいだけではなく周りのサポートもしっかりしている第二王子様です」
(カイ王子…うん名前だけ知ってるんだよ。攻略対象ではないんだけどサポートキャラとして名前と声だけ出てきたのは知ってるんだよね…ビジュアル公開はいつかってなってたけ)
私はその姿を見ることも出来ずに死んでしまったというのか……ただこの世界はどうやらゲームのシナリオ通りにすすんでると見えて進んでいないみたいだった
ちょっとだけ…違和感があるのは気の所為だろうか?
『アーリースー?』
「お母様の声!お母様〜!」
『アリス!こちらにいらしたのですね…探しましたよ』
「ごめんなさい…お庭が広くて…」
『うん。分かります…迷子になりますねこれは』
アリスちゃんのお母様まで困った表情しちゃってるけど!ルクス王子…一旦お庭を縮めるのを検討しよう
「アクア王妃様…大変申し訳ございません」
『いいのよジェイヌちゃん…これは私の息子がわがままを言ったせいだから…まさかこの歳で私まで迷子になるなんて…あら?あなたはどちらの子?』
「うぇ?わ、私は…リサ・マルケスです!!」
『可愛いわね〜アリスの新しいお友達?』
「うん!ノーラ様の隠し子って噂なんです!」
「そう…隠し子…って…うぇぇ!?」
「お城では瞬く間もなくその噂で広がってます」
「うん!あの騒ぎでね」
隠し子……隠し子って…ガルシア王国怖い。あのさっきの騒ぎでそんな噂が…
『アリス…ではカイもお待ちしてますから一緒に行きましょう』
「はい!お母様!」
「あの私は兄さんの所に向かいます」
『大丈夫。シズクもいらっしゃるからジェイヌも来なさいな』
「兄さんが…ではお言葉に甘えて」
『そんなにかたくならないで、もっとくつろいでね』
わぁ…何だかほっとするよアクア王妃…雰囲気がもう優しい
国がこうして平和にいられてるのもこういう方々が多いのもあるかもしれない
(いい家族ですなぁ…アクア王妃は優しいと記憶しておこう)
とまぁ…こういう時私は思ってましたがこの後地獄の光景を見ることになるのでした




