天使かな?
あの後すぐ暗いトンネルを抜けた後、見たことの無い景色が広がっていた
「………わぁ〜。」
リュークくん、驚きすぎて口が開きっぱなしです。
そりゃあそうだ…だって私たちが居た城の庭よりもかなり広く色々な花が咲いていた
というかあれは噴水ですか?滝までありますけど!?ガルシア王国どうなってるんですか!
『ガルシア王国は他の国々とも仲がいいからね。よく他の国の王様が遊びに来たりしているよ。政治的にも仲が良いしね』
「…ノーラ様…この国にも魔導師はいるんですか?」
『いるさ。彼女のように。』
指を指す方向には、ジェイヌちゃんが…。
いや確かに彼女は魔力も高いですよ!?
というよりこの歳でプロの魔導師とかありですか!?
「…僕も立派なウルフになる。」
「私はノーラ様の右腕!」
『リサたちはまだまだそのままでいなさい。』
「えぇ…」
「ノーラのケチ」
それは無いですよ〜…このままでいたらノーラ様の嫁候補に立候補すら出来ませんけど!
「あのー…お喋りに夢中なのはいいですが…アリス様がもう来られてます。」
「え」
「どこ?どこですか!?」
「リサ様…後ろです」
「あぁ!ジェイヌ、いっちゃだめっていったでしょう!」
「…アリス様がムッとしてるから教えただけです!」
うひょー…金髪に赤い目…鼻が高く、肌もちもちそうで唇がプルプルしている
この子が「アリス・ガルシア」…是非とも友達になりたい
『アリス様お元気ですか?』
「おにいさまはどなた?」
『へ?』
「ぷっ…ふふふ…マジか…ノーラ…。」
「ノーラ様ほらあれです!久しぶりだからです!」
「そ、そうですよノーラ叔父さん…アリス様に会うのが久しぶりだからですよ!」
『……慰めは逆に辛いんだが…?』
「ぶっ…はははっ…!」
『リューク?ちょっと奥で俺と話をしような?』
「え…」
わぉ…お二人は聞こえなかったようではてなを浮かべながらノーラ様に連れ去られていくリュークくんを見ていました
というかノーラ様…一人称バラバラですが怒る時はあんな感じです
「そうだ!私はアリス…アリス・ガルシア!ねぇあなたは?」
「わ、私は…リサ・マルケスです!」
手をぎゅっと握ってくれるアリスちゃん、めっちゃ可愛いんですけど!!
「むっ…リサ様ばかり狡いです。」
嫉妬ですねはい!大丈夫です、アリスちゃんの側近はあなたしかいませんから!
「ねぇジェイヌ、今日は何して遊ぶ?私はやっぱり魔法研究したい!」
「なりません!お怪我をなされたらどうするのですか?」
「ジェイヌは心配しすぎ。」
「心配します!大事な主の前に私はアリス様のお友達ですから!」
この2人の関係ちゃんとしっかりしてた…。
ただの側近と主かなと思ってたけど…しっかりしてた。
「くっそー!ノーラの野郎子供相手にゲンコツとかなしだろぉ…。」
「あ、リュークくん!頭…コブできてるけど…大丈夫?」
「あら?そちらのおとこのこは…?」
「あ…リュークです。」
「わたしはアリス・ガルシアです。」
あ。忘れてた…この2人…設定では犬猿の仲だった。
幼少期からすっごく仲が悪くて…目を合わせるとケンカばかりで…。
「リューク・サルザード…」
「よろしくお願いしますね!」
あれ…仲が悪いというより仲良し?あれ?設定どこいったの!?やっぱりこれシナリオ通りには若干進んでない?
「アリス様があんなになかよくなられて…ジェイヌはうれしいです!」
そこは号泣するとこかな!?いや嬉しいかもしれないけども!
「ジェイヌ、どこかけがしているの?」
しかも心配して駆け寄ってきた!いい子だよ!この子すっごくいい子だよ!悪役王女とか有り得ないよ!
「ところでリサ…ノーラ…今女の人達に囲まれてどっか行った。」
「えぇ!?ノーラ様何やってるんですか!?とんだ変態さんですね…鼻の下伸ばしてるにちがいない!」
「お、落ち着けってリサ!」
落ち着けるかァァァ!推しが…推しがモテるのは分かるけどそれは絶対にアカンやつ!
「だ、大丈夫?リサちゃん…」
「だ、大丈夫ですアリスちゃん!」
「アリス様をちゃん付け…ですか??」
「あ…すみません!!」
「い、いいの!むしろよんで…ほしい。」
ぐぉぉっ!天使やこの子は…いかなる状況にも心配してくれたり友達思いのいい子だこの子。
「じゃあ僕はアリスって呼ぶ。」
「えぇ!よろしくお願いします!」
「アリスちゃんアリスちゃんアリスちゃんアリスちゃん!」
「はい!」
「アリス様アリス様アリス様アリス様!!」
「ここにいるわよジェイヌ。」
ニコッと微笑んでるアリスちゃんぐうかわ。
あ、ジェイヌちゃん倒れた。
「ジェイヌ!?ちょっとジェイヌ起きて?大丈夫?」
わ〜…うん。ノーラ様を探しに行こう。




