第1章
1話目…やっほー!!!
うん、数日前まで何も起きなきゃいいけどなーと言いましたよ。
「魔物が襲ってくるとか急すぎ!!」
普通に親の手伝いをしていたら、魔物が村を襲ってきた
突然ですよ?突然。何も起こんなくて平和だなーと思ってた私です!!
「…お母さん!お父さん!どこー!!」
村は呆気なく、炎に包まれていてお母さんとお父さんも何処にいるのかわからない状態。
「くそぉ…魔物め…。」
設定通りになってしまった。家族を失って…そして…魔導士たちが遅く助けに来る。
『グルルルルッ…』
「ひぃっ!?」
きたー!!ウルフだ!?いつもなら大人しいのにどうして、暴れてるの?
「お…かあさん。」
中身が大人でも…今の私は見た目は子供なのだから怖いものは怖い。
あれ?これってコ○ン?いやいや、中身はただの独身OLのオタクだし。頭良くもないもの!!
「がぉー!!」
ん?がぉー?あれ?ウルフってそんな鳴き方?
あれ?目の前にいるの誰!?
「あ、ごめんね!怖がらないで、僕は味方だよ!」
「だ、誰?」
「僕はウルフ!」
(まんまやないかーい!!)
「野生のウルフが現れた!!」
「違うよ!!?」
「…じ、じゃあ何?」
というか、今気づいたけれど…見た目は私と同じで…し、しかも裸!?
「いやぁぁ!!」
「え!?なになに!?」
「服着てよ!!」
両手で慌てて顔を隠すけどチラチラ見てしまう恥ずかしい私。
「あ、ごめんなさい…。」
耳がシュンとなってて可愛すぎる!ペットにしたいって思っちゃうよね。
『僕はウルフって言ったけど名前はリュークだよ!君は?』
「私はリサ。」
「リサかーいい名前だね!」
ありがとうとだけ言うと、さっきの自己紹介で名前に引っかかった。
ん?ちょっと待って…いまリュークって言った?
嘘だ…もしかして攻略対象の!!?
「?リサ?」
「リューク・サルザード…?」
「なんでフルネーム知ってるの?僕もう有名人?」
てへへと照れながら頭をかくリューク。その仕草でさえ可愛すぎる。
「リサは…もしかして村の子?」
「え?あ、うん。お母さんとお父さんがいないの。」
「そうなの!?一緒に探してあげる!」
ぎゅっと私の手を握ってくれる小さな手は頼もしく見えた。
「ありがとうリューク。」
ニコッと微笑むとリュークは何故か顔を逸らした。
そう言えばリュークと言えば、珍しい種族であるウルフに生まれて、親を人間に殺された過去がある孤独な男性って設定だった気がする。
(…今思うと、私と一緒)
「ほら、村に行こう!」
「うん!」
少し歩くと、村は跡形もなく無くなっていた。
魔物も居なくなっている。そこには魔導士たちや騎士達がいる。
「僕の仲間が村を襲ったって本当?」
「リュークと同じ種族もいたよ。」
「僕は父さんに狩りを教えてやるって言われてついて行ったらつい、はしゃいで森の中で遊んでて…村を襲ってるなんて知らなかったんだ…。ごめんなさい!」
リュークは泣きなら謝ってくれている、仕方がないんだ。この時はまだ魔物と人間達は争ってたから…。
「リューク、大丈夫!私はリュークが悪いなんて思ってないよ!」
「でも…僕達のせいでリサの大切な人が…。」
お母さんとお父さんはやっぱり殺されていた。私を探してたんだと思う。この村には幸い子供は運良く町外れの学校にいたらしい。
(悲しいけど…辛いのはリュークも同じ)
魔物は騒ぎをきいて駆けつけた魔導士たちや騎士達に殆どは倒されたのかもしれない。
「君、名前は何かな?」
「私ですか?」
「いや、男の子の方なんだが…。」
「え?僕?」
「リュークは何も悪くないです!!」
「いやいや大丈夫。何もしないよ。」
兵士さんは慌てて弁解してきた。でも目が怖い。
リュークを連れていこうとしてる…?
すると、どこからか声がする。
『子供を怖がらせるな。』
「も、申し訳ございません!ノーラ様。」
(え?ノーラ様…?こ、この透き通って凛とした声はまさか…。)
『すまない、怖がらせたかな?君たちだけでも無事で何より。』
「あ、その…。」
「誰だよおっさん。」
(リュークくんッッッ!!ダメ!このお方におっさんはダメ!)
『おっさんではなく私はノーラだ。』
「の、ノーラ様。」
「リサ…おっさんでいいと思うぜ。」
『親の顔が見てみたいものだ。』
「父さん馬鹿にすんなよおっさん。」
(リュークくんっ!!おっさん呼びやめよう!)
あれ?でもなんかストーリーと違う?リサが魔導士ノーラと出会うのは二人きりの時のはず…。
『君たち、名前は?』
「リューク・サルザードだけど?」
「わ、私はリサ…リサ・マルケス。」
あれ?勝手に口が動いた…うーん…これがリサのフルネーム。設定ではリサだけだったからどうしようかと思った。
『よし。決めた、親を亡くした君達には私の弟子になってもらおう。今日から私の家に来なさい。』
「は?やだよ。なんでおっさんと住まなきゃならねぇんだよ。」
「え!?」
「え?リサ?」
こここれはチャンスなのに!!ノーラ様の家の中が詳しく知れるいい機会だよ!!
『彼女は賛成してるようだがリューク…君はどうするんだ?彼女と離れ離れになるのか…一緒に居るのか。さぁ選べ。』
ん?なんか背景が黒いよノーラ様。なんで?
「チッ…わかったよ。一緒に行く。」
「リューク!!ありがとう!」
「ん…。」
あれ?また顔をそらされた…?
『じゃあ事情は私が説明しておくから馬車に乗って待っていなさい。』
「はい!」
「へーい。」
それではまた後でと素敵な笑顔で手を振って騎士団の所へと行ってしまった。
「はぁー…ノーラ様って素敵だね。」
「は?ないない。腹の中真っ黒な奴だぞ?」
「え?そう?」
気づかないのか?と驚かれたけれど…背景が黒かったのはもしかして腹黒いから?
(いや、ないない。)
てことで今日から私とリュークはノーラ様の弟子となりました!
ちょっとストーリーと違いすぎるけど…
更新は主に夜の予定(・∀・)