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バイオハ〇ード∞ ネイバリングタウンパート2

「ねえ、そこのお兄さん達」


声がした方、アパートの屋上を見てみるとテディベアを抱えて座り込んでいる幼い女の子の姿があった。こんな惨事だというのにも拘らず、その表情は朗らかだった。


「お嬢さん、大丈夫かい?いまそっちに行くよ」


「うん、ありがとう!待ってる!」


ジーナが対幼女話術を持っていて助かった。僕はあんな小さい女の子と妹以外で話した事がないから1人で来ていたらあたふたしてしまっていた事だろう。


「そこまで大きくないから飛んでも届きそうだけど…きっとあの子がびっくりしちゃうかな〜、階段で行こっか」


「ジーナ、あの子さ」


言いかけたところでジーナは自分の口に人差し指を当てる。


「分かってるよ。でもあんまり大きな声で言うと違った時に失礼だよー?心臓が強い子かもしれないし」


「…強心臓の方が当たって欲しいもんだな。きっといいスポーツ選手になれる」


階段を登り、屋上に着くと彼女は下で起きている騒ぎを楽しそうに見つめていた。


「お待たせ。お嬢さん、名前は?」


「私は、石本遊里。4歳!あの白い囲んでる奴はお兄さん達がやったの?」


「私の横にいるこのお兄さんがやったんだよ。凄いでしょ?遊理ちゃん」


少女は僕の方を向き満面の笑みを浮かべた。やばい、そういう属性にハマりそうなくらいかわいい。


「あ、えっと、遊理…ちゃん?首謀者…いや、こ、この騒ぎ起こした人ってどこにいるか分かる?」


「分かるけど、言ったら退治されちゃう?」


「そっか、まあ分からないよな……ってあれ」


アニメとかでよくある展開をやってしまった。そしてテンプレが各所で行われている理由も分かった。まあそんな事は置いておいて、4歳相手にしどろもどろなのが恥ずかしいですはい


「んーん、ちゃんとこの町を元通りにしてくれたら退治はしないよ~?で、どこに居るの?」


「えっとね~」


遊理が言葉を続けようとすると、遊理の目の瞳孔が一瞬開き、動悸を起こし始める。と、珍しく動揺したジーナが少女のか弱い背中を摩り始めた。…対処法があってるのかは知らないが


「遊理ちゃん?大丈夫かい?」


「ごめんなさい。下の気持ち悪い人達見て具合悪くなっちゃったかも、もう大丈夫だよ。やった人はあの看板がついてないお店に入っていった」


「おっけー、心配だから私は遊理ちゃんの傍にいるよ。星流くん、お願いできるかい?」


「お願いできるかいって…せめてイロハとか助っ人呼んでくれないか?こんな事起こせる奴なんて限られてくるだろ」


薄緑色の髪をした彼女は呆れ顔で立ち上がり、僕に耳打ちをした。


「だからこそ星流くん1人で行くんだ。集団で行ったら下の彼らのようになってしまうかもしれないだろう?」


「1人で行ってもボコされるだろうけど、確かにゾンビになるのは嫌だな。分かったよ、じゃあな」


わざわざ耳打ちしあう事なのか疑問だが、まあ御褒美の前借りとして受け取っておこう。そしてこっそり耳を舐めたのは気付かれてないといいな。








てへ




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