表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

作者: 屹度馬鹿

満月を見ている。

明るい月をただ、見ている。

手を伸ばしてみた。


手が届くわけがない。そう思っていたが、簡単に取れた。

なんとなく美味しそうに見えたので、少しだけかじってみた。


ビスケットのように固かったが、少し甘く美味しかった。

ふと、夜空を見上げて考えた。

月が欠けていることに気付かれたら、怒られるかもしれない。

私だけの月じゃない。みんなの月だから。

私だけ、こっそり月をかじったことがばれたら怒られるかもしれない。


少しだけかじった月を、元の場所に戻した。


明日になって、もし誰にも怒られなかったら、また月をかじりたい。

そう思いながら、布団に潜り込んだ。




次の日、また次の日と月をかじってみたけれど、誰にも怒られなかった。

でも、このままじゃ月がなくなってしまう。あと、ちょっとかじったら月はなくなってしまう。


困ったけれど、私は月を持っていない。誰も月は持ってないだろう。

明日起きたら、お店に行って月を探してみよう。

そう思いながら、布団に潜り込んだ。



お店の人に、月はないかと尋ねてみた。お店に月は、ないと言われた。

お店に月はなかったけれど、月に見えるビスケットがあった。

今日、月を食べてしまったら、このビスケットを置いておこう。

きっと、誰にも気付かれない。

ただ、月を見ていて食べられるんじゃないかと。


ビスケットか、クッキーなのか、かじってみたら意外と美味しいのではないかなどと、訳の分からないことを考えたので、書いてみた次第です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 詩的な文章ですね。月を舌で味わう感覚が独特で面白いと思いました。
2017/05/30 10:14 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ