表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

壁際の淑女は紳士達の哀れなる恋心を密やかに聞く

作者: 激おこリンプン丸

「煩い夜啼き鳥だこと」


夜な夜な色めき立つ殿方達の恋歌に

とある一人の淑女は心底呆れ返っていた。

秋の空よりも移ろいやすいその心情という裏切りの歌声に。


先日の夜会では自分に向けられていた殿方達の甘い言葉も

次なる時はまた別の新しい淑女に向けて

同じように甘く切ないその思いの術を打ち明けているという事を

かの淑女ヴィクトリアは知る事となった。


「ああアンナ。君はなんて美しいんだ」


アンナの部分をヴィクトリアに置き換えるだけで

先日となんら変わりないのである。


ただ紳士の恋をした相手が変わったというだけなのだから。


(まるで手紙の定型文のように変わり映えしない口説き文句ね、ジョシュア)


かつて恋人であった、しかし今はその声の響きすらも届かない男を見すえ、

ヴィクトリアは冷笑する。


「貴方のその恋は、絶対に叶わないわ」


それは移ろいやすいその男を呪うような言葉でもあった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ