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モノローグ 『少年』
…………………
雨が、降っている。
「俺」の腕の中には何も無い。
確かに先程まではぬくもりがあったはずなのだが。
この陳腐な世界には、もう誰も居ない。
自分と雨音と、それと………玉座。
それがあるだけだった。
「…終わったのか…
……本当に、これで…終わり…?」
散らばった色硝子を模した世界の記憶たちは
みるみるうちに灰色に色褪せていった。
「…参ったな。してやられた。」
…………………
そう。
俺は間違っては居なかった。
しかし。
『誰が <正解を見つけろ> なんて言った?』
………………………
そこでは、如何せん 雨が降っている。
一人の少年は思い出す。
そう、ここにまだ希望があった時のことを…。