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女子高生の陽気な日常

相変わらず読みにくくてすみません。


普:普通の少女、普通ちゃん

バ:バカな少女、バカちゃん

文:文学の少女、文ちゃん

無:無口な少女、無口ちゃん

バ「でさ~そこでアタシが一発入れてやったワケよ」

普「へ? 相手って身長二メートル越えのアメリカ黒人だったわけだよね? すごいね!」

無:目を輝かせて首を縦に振っている。

 放課後の帰り道、女子高生四人組が仲良くしゃべりながら通学路を歩いていた。

 その中で文学の少女は本を読んでいる。

バ「おいおい文ちゃんよお、こんな時に本読むのってどうなんだい? 歩きながら本読むとあぶねえぞ」

文「ああ、ごめんなさい、ついこの本が面白くって続きが気になってね」

普「へぇ~何の本?」

文「それぞれに個性的な特技を持った四人の銀行強盗が登場する小説よ」

バ「銀行強盗か~、女子高生なら一度はやってみたい職業だよなあ」

普「いやいやそんなわけないからね!?」

文「でも実際に一回やってみたくはあるわよね」

バ「そうだ! アタシ達もちょうど四人いる事だしこの四人で強盗団を結成しようぜ!」

普「へっ!? なんでそうなるの!?」

文「それはなかなか魅力的な提案ね、乗ったわ」

普「乗るの!?」

無:刀を取り出して構える。

普「無口ちゃんはそれをどこから出したの!?」

バ「よし、そうと決まったらいっちょあのスーパーの近くの銀行を目指すか」

普「だ、駄目だよそんなことしたら捕まっちゃうよ! わたし達まだまだうら若きぴちぴちの女子高生なんだよ、たとえおふざけでも社会的に死んじゃうよ」

文「そうよバカちゃん、ばれないようにまずは顔を隠すものを買わなくちゃ」

普「そういう意味じゃないから!!」

 土台無茶な計画と共に女子高生四人の強盗団は始動する、約一名の言葉を無視しながら。

 無口ちゃんがガスマスクを取り出す。

無「これならいけるぜい」

普「何でそんなもの持ってるの!? というか無口ちゃん喋った!?」

バ「ばーか、無口が喋るワケがねえだろ、いたちにつままれたんじゃねえの?」

文「バカちゃん、イタチじゃなくて狐だからね」

 無口を除く三人に一瞬の驚愕が走った、無口ちゃんが喋ったところを三人は見たことがない。

 意思の疎通方法は大体パントマイムで事足りていたので全然気にしていなかったからだ。

 という事で今のは幻という事に片付いた。

普「ともかくガスマスクがあったところでどうにもできないんだからね! バカちゃんがいくらボブサップ以上の武力を持っていたとしても現代の警察を舐めちゃいけないよ!」

文「普通ちゃん、大丈夫、あんな烏合の衆に何が出来るものか、顔を隠して手際よく済ませれば足もつかないわ、この本の強盗も中身はちょっと特殊な技能を持っただけでいたって普通の大人だもの」

バ「そうだぜ! 信じようぜ! 人間の可能性ってのをさ」

普「フィクションはあくまでフィクションだしわずかな可能性を追って強盗に、なるより普通の会社に勤めて将来はかっこいい人と結婚して子どもを育てたいよ!! はぁ、はぁ」

文「落ち着いて普通ちゃん、普通のあなたがそんな長いセリフ回しをしたら息が切れるわよ!」

バ「それに僅かじゃねえ、四人で力を合わせれば一つの勇気はおっく千万の胸騒ぎだぜ!」

無:スポーツ用品の酸素缶を取り出し、普通ちゃんの口に当ててシューってやる。


 数分の間。


普「はあ……ありがとう無口ちゃん、でもわたしは強盗には反対だよ、第一バカちゃんはどうやって強盗しようって思ってるの?」

バ「そんなの正面から受付のヤツに元気ですかー! 金出せよ! バカやろー! だー! ってビンタを食らわせればボンバイエ効果でがっぽがっぽだろ?」

 バカちゃんの猪木のマネは妙に似ていた。あごまで見事に表現。

普「猪木は確かにお金持ってるけどそんなやり方じゃできるわけないでしょ! ん? どうしたの無口ちゃん、わたしの袖を引っ張って」

 無口ちゃん、目をキラキラさせながら赤い手ぬぐいを取り出して普通ちゃんに押し付ける。

無「普通ちゃん、お前は猪木になるのだ!」

普「何で!? ていうか完全に今無口ちゃん喋ったよね? わたしの耳は普通だからしっかり聞いたよ!! ねっ! 今の聞いたでしょバカちゃん! 文ちゃん! 」

文「よく考えたら逃走用の足ってどうしようかしら」

バ「漫画で見たことあんだけどその辺の車の窓割って鍵を開けてピッキングでどうにかすれば足だぜ!」

文「なるほど! 私、実は偶然鍵開けの技術はあるからバカちゃんが窓割れば完璧ね!」

 世界初の無口ちゃんの声を二人はさっぱり聞いていなかった。

 物騒な話題に夢中である。

 無口ちゃんがハンマーとピッキング道具を取り出した!

普「カバンに何を入れてるの無口ちゃん!? あとそっちもこれ以上罪を重ねようとしないでよ!」

バ「どうせやるなら派手に二、三個の罪をミルフィーユにしようぜ! アタシ意外とミルフィーユ好きなんだぜ! へっへーん」

文「どや顔する意味はわからないけどミルフィーユは私も好きだわ」

バ「おっ! 早速息が合うな! このチームワークなら強盗も楽だぜ!」

普「待って! がたがただから! ゴミみたいなチームワークだから!」

 ミルフィーユは確かにおいしいがボロボロに崩れているのはいただけない。

バ「ゴミってこたあねえだろ、ほら、よく女子高生が言うじゃん、ぅあたしたちはぁ、ぅずっともだよぉ、って、つまりアタシ達のチームワークも、ぅずっともぉ、のはずだぜ!」

普「おそらくその女子高生とわたし達はなんか大きな違いがあるしそもそもその理屈自体意味不明だよ!」

文「理屈じゃなくて本能で行きましょう、時に燃える炎のように激しく、この胸に秘める激情を、社会への不満を、この世の全ての不条理へぶつけてしまうのよ!」

普「ああ! 文ちゃんの変なスイッチ入ってる!? もう手がつけられないよ!」

 燃え上がるのだよ、文学の少女の心は、バカちゃんと共鳴して高鳴る感情の純情百五十パーセント。

 今にもその情熱が突撃しようという所。

 さあ、少女達よ、ガスマスクで正体を行方知れずにして社会へと挑戦するのだ。

 無口ちゃんも静かに黒いコートを着て胸ポケットから拳銃を一丁。

 身体から立ち上る殺気は臨戦態勢だ。

無「LETS’GO!!」

 拳銃を空高く掲げて叫ぶその姿はまさに犯罪者。

文・バ「……しゃ、喋ったああああああああああああああああああああああああ!!!」

 テンション高まりきった二人は叫ぶ、あまりのショック、あの無口が、あの無口がしゃべったという衝撃的な事実は二人に多大なショックを与えた。

文「まさか、あの無口ちゃんが、喋るなんて、今日はお祝いね! お寿司でも食べに行かない? 回る奴」

バ「おっ! いいねえ、ナッパ寿司だな?」

普「えっ? 強盗はいいの?」

文「そんな事より無口ちゃんの言葉を聞いた祝いよ」

普「別にそんなに喜ぶ事じゃないと思うけど……まあ強盗しないならいっか」

バ「おらあ!そうと決まったら行くぜ! 海がアタシを待っている!」

文「あっ! ちょっと待ちなさいよ! その海はみんなで共有するのよ!」

普「あっ! 二人とも待ってよ! 無口ちゃん、行くよ!」

 走り出す仲良し女子高生、その光景はとても青春の輝きで眩しかった。

 三人の女子高生が走り去った後、取り出したものをしまい、無口ちゃんはため息を一つ。

無「やれやれ、子供のお守りは疲れるな」

 気取って肩をすくめて三人の後をゆっくりと歩いて行った。

 一体無口ちゃんは何者なのか、そんな事は関係ない、世の中には知らなくてもいい闇がある。

 そんなのを眺める位だったら輝くJKの青春を見ている方がとってもいい、そう思うね。

ありがとうございました。

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