スパイグループ
エ……エド
キャ……ミスキャノンボール
ロ……ロリリ指令
とあるホテルの一室。
黒ずくめの男と女が謎のモニターの前へやってきた。
キャ「おはようエド、今日も一日いい日だったらよかったんだけどね」
エ「おはよう、まったくだ、せっかくの休暇だと思ったのに呼び出しとか勘弁してもらいたいな、えっと、このボタンが通信だったか?」
キャ「あってるわよ、ってこの会話前にもしなかった?相変わらず機械音痴ね、ほんとあなたはスパイに向いてないと思うわ」
エ「うるさいな、機械を使うだけがスパイの仕事ってわけじゃないだろう?これだな、押すぞ」
エドはモニターの再生スイッチを押した。
しかし何も起こらなかった
キャ「それじゃないって、なんでさっきあってるって言ったボタンじゃないの押すのよ!」
エ「悪い、手元が狂っちまった、昨日少し飲みすぎちまってな」
キャ「しっかりしてよね」
エ「わかってるって、これだろ?」
エドの指先、自爆スイッチへ。
キャ「金的」
エ「ぎゃっ!」
エドの急所に当たった、効果は抜群だ。
エ「いっ!!…………っつぅ……何すんだよ」
キャ「明らかに危険なスイッチ押そうとするからよ!というか何でこのモニター自爆スイッチなんかついてるのよ、危ないじゃない」
エ「そんなの俺に言うなよ、技術部のイカれた野郎どもに行っていくれ、つつつつ……、ああ~痛かった~」
キャ「今度から私がモニター担当するわね」
エ「ああ、お願いする、このままだとどこかの誰かに去勢されかねないからな」
キャ「はいはい、通信するわよ、ポチっとな」
モニターの向こうに幼女登場。
ロ「おはよう、エド、ミスキャノンボール、急な呼び出しですまない」
エ「いつも通り急な呼び出しだな、おかげで休日の予定がパーだぞ、どうしてくれるんだロリ指令」
ロ「ロリじゃない!年齢的にはロリだがわたしはロリリ指令だ」
エ「どっちでもい~いじゃあないかぁ~」
ロ「よくない!!」
キャ「……えっと、それで、ロリ指令、今回はどんな任務かしら?」
ロ「だからわたしはロリリだ!まあいい、これを見てくれ」
モニターにはダンディな無精ひげのおっさんの顔写真。
エ「何だこの男、誰だ?」
キャ「この男、賞金首のボンゴ・デル・ロンドよね?」
エ「何だと?おい指令、俺たちはスパイだぜ?金稼ぎなら傭兵でも雇え、俺達の領分じゃあないぞ!」
ロ「いいから話を聞け!!………こほん、ミスキャノンボールの言う通り、こいつの名前はボンゴ・デル・ロンド、千万ドルの賞金首だ」
エ「だからそれは俺達の……」
ロ「話を聞けと言っている、実はこいつの隠れ家に例のメタトロン計画についての情報の入ったチップが隠されているという情報が入った」
キャ「なるほど、私達はそのチップを盗めばいいのね」
ロ「察しがいいなミスキャノンボール、人の話を聞かない猿とは大違いだ」
エ「誰が猿だコラ!寝小便垂れ流して親に怒られて泣きべそなお子様にンなこと言われる筋合はねえよ!」
ロ「何だやるのかエド?」
エ「おうやってやらぁ表出ろやこらぁ!!」
ロ「上等だ、わたしの力を思い知らせてやる」
キャ「二人とも冷静になって!、これ通信だから、表とかないからね!?」
エ「それもそうだな、ミスキャノンボールの名前通りの胸に免じて今日は矛を収めてやるよロリ指令」
ロ「うむ、ミスキャノンボールの二つのキャノンボールに免じて今日はやめておいてやろう、あとわたしはロリリだからな?」
キャ「突然のセクハラ発言!訴えるわよ?まあいいわ喧嘩をやめてくれるなら」
ロ「それではミスキャノンボールのデータ端末に奴のデータを送っておこう」
キャ「ありがとう、あと、前々から思っていたんだけど……」
ロ「ん?どうした?」
キャ「私のコードネーム変えてくれませんか?」
ロ・エ「なっ、何だってーーーー!!」
キャ「いや驚くところじゃないでしょ、さっきみたいにいじられるの嫌なのよ」
ロ「考え直してくれまいか」
キャ「無理です、新しいコードネームください」
ロ「むぅ、しょうがない、ならば今日からお前のコードネームはウォーターメロンカップだ!」
キャ「はいわか……ちょっと待って!英語でわかりにくくなっているけどそれもさっきのコードネームと趣旨が同じじゃないの!」
ロ「ばれたか」
キャ「もうちょっとエドみたいな普通のコードネームを頂戴よ」
ロ「えっ?でもエドは江戸前大文化学園高等部中退の略だぞ」
キャ「はっ?エドってこのノリで日本人なの!?」
ロ「そうだ」
エ「おいキャノンボール、どういう意味だ!」
キャ「エドだからエドワードとかエドモンドとかエンドヒューマンの略かと思っていたわ」
エ「二つ目まではいいとして最後のヤツはどういうことだ!?」
キャ「人として終わってる」
エ「そのまんまの意味かよ!?そしてお前はそんな風に俺を見てたのか!」
キャ「だってあなたの家ゴミ屋敷だし、いつも今みたいに黒づくめで町を徘徊してるじゃない、あなた自分が町でなんて呼ばれているか知ってる?」
エ「知らんが、黒スーツ男とかか?」
キャ「違うわ、不審者よ」
エ「マジかよ!?そんなふうに見られてたのかよ」
ロ「話しているところすまないがこのビデオは終了とともに爆発する」
キャ「えっ!これ通信じゃなかったの?」
ロ「わたしはこれから朝のプリキュアを見なきければならないからな」
キャ「明らかに通信よね!?」
ロ「それでは任務達成を祈る」
キャ「ちょっまだ話は終わってないわよ!」
ロ「またモニター越しに会おう」
カチッ、ボン、モニターブラックアウト。
キャ「逃げられたわね……まあいいわ、さっさと任務なんか終わらせてワインでも飲みましょうエド」
エ「一人で行って来いよ」
キャ「え?どうしたの?」
エ「俺はどうせ人として終わってるんだろう?」
キャ「うっ、でっでもそれを補って余りあるスパイとしての才能があるって私は知ってるわ」
エ「さっきスパイに向いてないとか言ってなかったか?」
キャ「それは機械の扱いだけよ、身のこなし、頭の良さ、判断力、どれをとっても優秀なスパイだと私は尊敬してるんだから、だから落ち込んでないで任務を遂行しましょう?」
エ「ミスキャノンボール…………ありがとう」
キャ「あっでも汚いから触らないでね」
エ「この野郎!!やっぱひとりで行け!!」
完