表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/37

第3話

「はぁ……これからどうしよ……」


 城の前では燈雅一人が座りこんでいた。辺りは夜の(とばり)がおり、静まりかえっている。


「ちっ……駄目だ、あいつらだけは絶対許せねぇ」


 王様とあの三人だけは絶対に許さん。王様に関しては言ってる事が無茶苦茶すぎる。クソだなあんな奴。あの三人もそうだ。ここは異世界で常識が通じない事くらい分かるだろ。それなのに止めもせず笑うとはな。あいつらとはもう関わりたくもねぇ。


 あーイライラするっ!

ふぅ……落ち着け、深呼吸だ。スーハー……


 よし、落ち着いた。と同時に困ったな。どこで寝よう。


「宿に泊まる金もないしな〜…… あっ、宿の場所すらしらねーわ………」


 どこかへ行く当てもないが、このままでは駄目だと思いとりあえず動く事にする。


「まあ一応街の中だし、どこで寝ても危険はないだろう。これだけ大きな街だ。スラム街でもあるだろうし、そこで空き家でも探すか」


 そんな事をつぶやいたりしながら街のはずれの方へ歩いて行った。



 ーー数分後ーー



 いやー、今日一日はマジ疲れたわ。実際、頭の中でまだ整理ついてないし……

なんだかんだスラムまできたけど、


「さすがに、整備されなさすぎじゃね?」


 本当、すごい差だな!? 今来てみた道を振り返って見るとそこは街灯が立ち並んで、ゴミ一つすら落ちてないのに、ちょっと行ったすぐそこのスラムは行くのを躊躇(ためら)う程汚い。

 あの王様、勇者とか呼ぶまえに自分の国の中をどうにかしろよ!? こっちの方がよっぽど簡単な問題だろ……


「まっ、俺は世界を救わなくていいらしいから、俺には関係ねーな」

「………寝る場所探そ」


 おっ、丁度いい感じの空き家はっけ〜ん!

今夜の俺の宿はあそこだ!

中を確認しよ〜


「お邪魔しまーす」

「あぁっ? なんだテメェ!?」


 おっと〜、どうやら先約がいたらしい。

どうする?逃げるか?いや男なら戦うべきだっ!!


「すいませ〜ん。今日ここで寝たいんで、ここ出て行ってくださ〜い」

「ふざけた事ぬかしてんじゃねーぞっ!!」


 えっ? なにポケットからナイフなんて出してんの?

俺、素手! 素手だから!! そっちも素手にして下さいよ〜。


「おらあぁぁぁっ!」

「うわっっ」


 男のナイフが燈雅の目の前ギリギリを通過する。その後咄嗟に相手の腹を蹴った。


「ぐほぉおっ」


 蹴った後すぐにバックステップをする。


 危ねーな、顔狙ってただろ。まっ、当たり前か。さて、どう反撃する? 武器はねーしな。う〜ん……

 あっ!! 魔法だ。魔法がある!!

なんだ簡単じゃ〜ん。遠くから撃ってりゃいいだけだし………

駄目だよっ!? 呪文知らねー上に発動させ方も知らんわっ!どーする?どーする?


「ガキが……なめやがってえぇぇえぇ!」


 や、ば、い、 完全にキレてる。

ええーい。こうなりゃヤケクソだぁぁぁぁっ。確か属性は水と火だった筈だ!とりあえず魔力は手に!


「水球! ウォーターボール! ウォータージェット! ……………」


 くそっ!何でも良いから出ろぉぉお!


『アクアボール!』

「があぁあっ」


 来た!! おお、魔法が使えた! やばい、今めちゃくちゃ感動している!!


「お前……冷てぇーんだよっ!」


 効いてない〜 もー誰か助けてくれぇ〜〜。こうなったら一か八か…


「魔法極大化!」


 うわ、冗談半分だったのに発動したか?

身体が…重いっっ いくぞ!!!


『アクアボールッッ』




 マジか…目の前に直径5mはあろうかという水球があるよ……


「な、なんだこれはあぁぁガバババ…」


 水に当たった衝撃と息が出来なくて気絶か……

すごいな、通常だと手の平サイズ位だった…の……に?

やばい、クラクラしてきた……立ってらんねぇ…

気が………とお……く……………な……


 燈雅はそのまま倒れ、気を失った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ