第26話
いや〜マジか〜。まさかあんな奴が出てるとはね〜。もっとこそこそしてる成金だと思ってたよ。
「ちっ、勝ったのはガイかよ。もっとマシなのがくれば良かったが……」
「あっ!? ガイが出んのかよ。あいつに勝たせんなよ、馬鹿がつけ上がんだろうが!」
「どーも金に物を言わせて、随分前から剣の師範雇ったらしいぞ〜。流石貴族様だな、イライラするぜ」
ほーほー、どうやら人気は無いらしい。……ざまぁねぇな! まあ、あの性格じゃあしょうがないだろうな〜。いや〜久々に気分がいい! この調子のまま試合にいけるといいな!
「そういえばよ、あいつも出るらしいぞ」
「あいつって誰だよ?」
「名前何つったかな〜………そうだ! トウガだよ、トウガ!」
「ぶっ……げほっげほっ…。変な冗談はやめろ! あんなのが出てたらコロシアムが穢れるわっ!」
「あいつのせいで俺は……出てきたら絶対俺が潰してやるっ!」
……あの〜、すいません。どういう事ですか!? どれだけ俺の不評が拡がってんですか! それに最後に喋った奴! 俺はあんたには何もしてない! 変な言い掛かりはやめろぉおお!
「第二試合の選手は集まってください。ルールを説明します」
もう第二試合が始まるのか。あんまり間隔を開けないんだな。俺は確か第三試合だから次か。意外に緊張しないな、イライラしてるからだろう。
「では、説明は以上です。質問は………ありませんね。ではコロシアムに入ってください。全員入り次第開始します」
うわ〜、一回にやる人数多いんだな。パッと見三十人くらいはいるな。勝ち残れるのは三十分の一か〜、結構きつそ。さて、俺はどうしてようかな。別に試合は見てなくていいし……あっ、そういえば最近ステータス開いてないわ。確認しとこ、何か使えるのが増えてるといいんだけど。
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カミタニ トウガ
lv 30
ランクF
所持金 91438z
HP 745/745
MP 1415/1415
STR 127
VIT 113
INT 863
MEN 124
【スキル】
・基本魔法 〈治癒〉〈水〉〈火〉・解析
・魔法極大化
【称号】
・勇者ならざる大賢者 ・九死に一生の死力
・武装賢者
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特に何も変わりはないな。もうステータスに関しては……いいかな。MPとINTの上がり具合は普通だと思い込もう。もしかしたらみんなこれくらい上がってるかも知れないし。あ〜、魔法を使ってもいいか聞いておかなくては。今のうちに色々聞いておこう。
「君、ちょっと待て」
突然、肩を掴まれる。何すんだよ、色々と聞きに行こうと思ってたのに……。
「一体何なんですか……あっ」
後ろを振り向くとそこにいたのは三拍子馬鹿ことガイだった。
「その様子だと誰か分かったみたいだねぇ。いや〜まさか君が出てるとは思わなかったよ。たった2000zの全財産を使って稼ぎに来たのかな〜?」
わざと周りに聞こえる様に言いやがって。それにしても、やっぱこいつ馬鹿だったな。そもそも2000zじゃ参加出来ねーよ。
「君にはまだ謝って貰ってないし、賠償金も払って貰ってない。さあ! ここで謝って貰おうか!」
何この自己中馬鹿は、吐き気がするわ。
「……邪魔だからどけよ、クズが。俺はな、お前と違って忙しいんだよ」
「なんだとぉおおおっ!」
おっ、やる気か? なら俺も対抗しないと…………
「やめろっ! お前達! 何をしてるんだ! やるならここを出てやれ!」
……え〜と、誰ですか、君は? 人の事に首を突っ込まないで欲しいんだけど。
「君は……ガイだな? 貴族ならもっと心を広く持て! そんなだから周りとの接触も多いんだ! お前はトウガだな。 君が何をやって来たかは知っている。決して許される事じゃないものばかりだ。少しは周りの迷惑も考えたらどうだ!」
「「………………」」
ナンダコイツハ? ものすっっっごく面倒な事になりそうな予感がする。ほら見ろ、こいつの声が大きいから周りの奴らからめっちゃ見られてるんだけ
ど。
「あぁ? 誰かな、君は。こっちの事に首を突っ込まないで欲しい。それより、君の大声の方が迷惑なんじゃないかな?」
お前は喧嘩を売るような発言はやめろぉおお! これ以上の面倒ごとはごめんだっ!
「あの場にはあれくらいの声が良いと思ったまでだ。それに、やっぱり君はもう少し発言を控えた方が良い。すぐ相手につっかかるのは頭の悪い証拠だ!」
「なんだってぇえええっ!」
こっちが叫びたいわ! 騒ぎなんて起こしやがって。関わりたくないな。撤退しよ。
「待て、どこに行く。君にはこれから騒ぎ起こさないとここで約束していって貰いたい」
「いやです。それに騒ぎを起こしたのはそちらでしょう?」
「なっ………! 今の事を言ってるんじゃない! 今までの事とこれからについて言ってるんだ!」
「おい! まだこっちの質問が終わってないぞ! お前は誰なんだっ!」
あーっ、もう! 二人揃ってうっさいな! ちょっとは静かに会話くらい出来ないのか! それに、こいつの名前なんてどうでもいいだろ。
「はぁ……。分かった、俺だけ名乗らないのは確かに良くないな」
周りの奴らはこちらの内容が聞こえていたのか、急に黙り込み静かになる。
「俺はリサート・デル・ハイト。この街の領主の息子だ」




