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第23話

「ついた〜、ここがリグトの街か」


 広いな〜、広い。その一言に尽きるな。今までいたあの街も十分広いがここも中々だな。その中でも異様な存在感がある建物がある。あれがおそらくコロシアムだろう。コロッセオそっくりだ。


「活気があっていい街だな。大会が近いからかな? とにかく、街を見て回るついでにギルドに寄っておこう。そろそろカバンが限界っぽい」


 ここまで来るのに狩り過ぎたかな? 今度からは少し自重しよう。





「やっぱギルドってのはでかいな」


 まあ、そんなことはいい。中入って軽〜く依頼を見るだけだ。丁度良いのがあるといいな。


「おはようございま……す………」


 ん? なんか歯切れの悪い挨拶だな。けど気にする必要は無いかな。なんともないだろう。依頼は〜〜うん、そこそこいいのがある。後で受けれたらやろうかな。さて、コロシアムに行こう。受け付けがあると思うから早めに済ませておきたい。それにしても周りの目が気になるな。妙に疑ってるというか嫌な目をしてるっていうか。……別にいっか。





「でっけ〜…………」


 いざ間近で見るとすごくでかいな。建物をここまで見上げるのはこの世界にきて初だな。


「こんにちは! コロシアムの受け付けですか? 受け付けの際はこちらのカウンターをご利用ください」


「色々と聞きたいんですけど良いですか?」


「はい、構いませんよ」


「まずは賞品と参加費用、あと開催日を聞きたい」


「はい、賞品に関してはこちらの紙に目を通しておいてください。参加費用は10000zで、開催日は二日後となっています」


「じゃあこのまま受け付けするわ」


 差し出された紙にすらすらと記入していく。その紙を渡す時に一緒に費用も払った。


「トウガ……カミタニさんですか……。では、こちらのカードを開催日の朝八時にこちらの職員へお見せください」


 銀色のカードが渡される。ぱっと見はクレジットカードに見えた。それに想像以上に硬い。


「はい、分かりました」


 そう言って燈雅はコロシアムを出ていった。


 最後の方変だったな、あの人。俺の名前はやっぱりおかしいのだろうか? まあ名前は流石に変えられないけどね。


「よし、今日明日で出来るような依頼でもやるか」


 そんな事を言いつつ、寄り道しながらギルドへ向かった。




 …………あれ?! ギルドに入っても挨拶が聞こえない。受付嬢さん〜お願いしますよ〜割と落ち込みますよ〜そうゆうのは。しかも他の冒険者の奴らはすげー睨んでくるし。どした!?

 ま、まあいいか。そ、そんな気にしなくていいはずだ。え? 動揺なんてしてませんよ?至って平常心だ。………………多分。


「すいません、この依頼受けたいんですけど」


「はい………トウガ様、残念ながらあなたはこの依頼を受けることは出来ません」


「はぁ!? いや、まてまて。ランクはちゃんとFいってるぞ?」


「そのランクは適正ランクではないと聞いております」


「決闘で勝ち取ったのだが?」


「無理矢理相手に決闘を押し付け、ランクを賭けさせ、更には不正行為を行ったらしいですね」


「事実無根なのだが?!」


「実際、ギルドには通達が来ております。なのでランクは初期のGとさせていただきます」


「ちょっとまて!? 初期に戻るのか? いやいやいや、色々と問題ありだろ! それに不正なんてしてねぇ!」


「不正はありました。それに問題はないと思いますよ? 不正をして手に入れたって事は実際の実力はGなんですから」


「あぁ?! ふざけたことを……」

「静まれ! なんだこれは、ギルドでのいざこざは禁止のはずだ」


 ギルドの奥から一人の男が出てくる。その人がかなりの実力者である事はすぐ分かった。


「誰ですか、あんた?」


「私はここのギルドマスターだ。さて、何があったか話して貰おうか」


「マジ?! 助かった〜。いやね、この受付が俺が不正したとか、だからランクは無効だとか言って依頼を受けさせてくれないんすよ〜」


「本当か?」


「さあ、私にはちょっと……。あとこの男はトウガ カミタニです」


「あぁあ?! さっきからふざけた事ばっか言いやがって!」


「なるほど、そうか……トウガ、お前はそうとう向こうの街でやらかしたらしいな。お前は通達で特別危険人物に指定されている。そんなお前には依頼を出すことは出来んな」


「ふざけんなよ! 俺は何もやってねぇ!」


「ふっ、嘘を吐くのも大概にしろ。こっちには何をしたかまでわかるんだ。城での破壊行為、街での恐喝、窃盗。……そうそう、この街の物資の届きが悪いのもお前のせいらしいな」


「おい……お前のせいなのか! あぁ?!」

「やってくれたな、おい……」


 ちっ、ギルドの連中までかよ。このギルマスやってくれたな。絶対あの王様が後ろで手を引いてんなこりゃ。くそっ……。


「さっきからありもしない話を次から次へと……。お前らはギルマスも揃いも揃って馬鹿か?」


「貴様っ! 自分の立場をわきまえろ!」


「はっ、お前らごときに態度を改める必要はねー

よ。アホ」


「貴様にはもうこのギルドは使えないと思え! このクズがっ!」


「もうこんなとこには来ねーよ。まだゴミ溜めの方がマシだわ」


「貴様ぁぁぁああっ!」


 よし、逃げよう。

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