表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/37

第22話

「すいません、魔王様。それは今は進軍しないという事でしょうか?」


「いや違う。これからは我々が戦争を起こす事はしないという事だ」


「ふざけたことを言うのも程々にしとけよ? わざわざ復活させてやったのによ〜」


 突如話に横槍が入る。奥の方からは数人の魔族が出て来た。その先頭にいるのは今まで魔王として魔界の者を先導してきたルクセス=ヨルンだった。


「貴様は誰だ」


「俺はな、お前がいねー間ずっと魔王としてやってきたんだ。やっていて分かったんだよ、魔界が他の国と同じ位の広さしかないってな。俺ら魔族がだ

ぞ? あいつらより上位の存在の俺らがだ。だから他の国の領土を奪おうって思ってたのによ。邪魔すんなよ」


「質問に答えろ。お前は誰だ」


「なんだ? 戦争はしないって言った奴の顔じゃないな〜。まあ、いいや。俺の名前はルクセスだ」


「じゃあルクセス。一つ聞こう。お前は戦争を起こすというのだな?」


 場の空気が張り詰める。魔王から放たれる威圧は魔力こそ乗っていないものの、場の空気を支配するには十分だった。


「そうだ。俺はこの世界全てを支配する。それに、この考えをしているのもなにも俺だけじゃあない」


 彼の後ろにぞくぞくと魔族が集まる。具体的な人数は分からないが、確認出来ただけでもおおよそこの城にいる者の半分くらいはいた。


「いくら魔王でもこの人数は止められないだろう? もっとも、お前を見た感じじゃあこんなにいらなかったみたいだけどな」


 彼がこう思うのも仕方がない。魔王の見た目は18歳かそこらの青年にみえる。きっとまだ魔王かどうか疑っている者も少なくないだろう。


「なるほど、そう思うか。なら試してみるか?」


 魔王の腕がゆっくりと上がり、手の平がルクセスに向く。


「いいねぇ、面白そうだ……。だがここで大きく戦力を失っても仕方がない。我々はここを出て行く。それは次に会う時のお楽しみにしようぜ」


 発言し終わった瞬間、ルクセス達を光が包み、消えた。大勢いたその空間は人が一気に半分に減り、場を静寂が包んだ。


「ちっ、転移魔法持ちがいたのか。大分厄介だな」


「すいませんっ! 魔王様! あいつは今まで魔王としてここにいたのですが。どうも血の気が強くて……。王としての才はあったのですが」


「そうか。とりあえず今はあいつらが抜けた穴埋めをしよう。城に残っている者には強くなるように励めと伝えておけ。これからは城及び街の守護に力を入れる」


「かしこまりました」


 部屋に残っていた魔族が出て行く中、その場に魔王一人が残る。しばらくして誰もいなくなった後、部屋の中に詠唱が響いた。


「我、契約を紡ぎ者。今ここに全てを照らす破光を体現せん」

「いでよ! 極光の大精霊、ファルハート!」


 突如部屋の真ん中に光が集まり始める。集まりつつある光の周りには強力な魔力の渦が生じ、風を起こす。やがて光は人の形に形成されていった。


「ふう……。我が呼び出されたのも久しぶりなものだな、アル……いや、今はラグナトと呼んだ方がいいのかな?」


「久しぶりだな、ファル。ひとまず呼び方はラグナトの方にしておいてくれ。色々と面倒だからな。ちなみにまだ呼び出せるという事は契約は切れてないと考えていいか?」


「ああ、そうだ。まだ我は契約は切れてはいない。まあ、これからも切れる事はないだろうがな」


「そうか、それはありがたいな。まあ、今回は確認で呼んだだけだ。用はこれくらいしか無いが……そっちは何かあるか?」


「そうだな……一つだけ言っておこう。また人間の三大国の一つ、ムーンウェルトで勇者召喚が行われている」


「……そうか、分かった。おそらく今から行っても止められないだろう。その事についても考えておこう。ありがとな、ファル」


「礼には及ばん」


 ファルハートは光の粒子となり消えた。ラグナトはこれからの事を考えているのか、思案顔をしながら部屋を出ていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ