第15話
「ふぅ〜、やっと門まで着いたか。歩くと時間かかるな」
後はギルド行って報告するだけ……
ぐ〜ぎゅるるる……
「………………」
「そうだ! 飯忘れてたっ!」
もう昼はとっくに過ぎてる。大丈夫か?
とにかく全力ダッシュ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
バンッ!
「おばちゃん! 飯は!」
「なんだい、あんたかい。昼飯の時間はもう終わったよ」
「そ、そんなぁ〜」
あ〜もう駄目だ。足に力入んねーや。 あんだけ走ったしな〜。あは、ははは〜。
「まかない程度だったら「よろしくお願いしますっ!」
「はぁ……、分かったよ。席に着いてまってな」
いや〜、おばちゃんマジ最高っす! 俺、将来尊敬する人聞かれたら絶対おばちゃんって答えます! 期待して待っててください!
「はいよ。その代わり食べ終わったらこっちまで、持ってくるんだよ」
「分かりました! いっただきっま〜す!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「おばちゃん、ここに置いとけばいいですか?」
「あぁ、そこでいいよ。後は自分の部屋で
ゆっくりしてな」
「ありがとうございました」
美味かった〜、いや、まかないとは思えない美味さだった。もうあれで料理出せるな。うん。まあ、とりあえず部屋に戻って休もう。
「あっ、ギルド行かなくては!」
なんか最近、慌ただしくなった気がする。
やめよう。ゆったりマイペースで行こう。ギルドは逃げないし。…………飯は逃げたけどな。
「おいっ! いたぞ!」
ん? 城の方が騒がしいな。まあ、大方想像はつくけどな。騎士が猫の尾でも踏んづけたのだろう。馬鹿な騎士もいたものだ。
「おいっ! そこのお前! 動くな!」
? 俺の隣にいる男の子かな? 全く……
この歳で一体何やらかしたんだ。親の教育がなってないな。教育が。俺はギルドに行こう。急いでるんだ。
「何動いてる! 止まれ! お前に言ってるんだ!」
……俺か?! 俺なんかしたかな〜。そんな槍向けないでよ〜。怖いよ?
あっ、山の事なら謝りますよ? 大分、木とか切っちゃいましたし。
「国王より出頭命令がでている。すぐさま出頭せよ!」
え〜、めんどい。あの王様嫌いなんだよな〜。自分に絶対の自信がある感じ嫌い。
「ギルドに行ってからでいい?」
「駄目だ! 今すぐ……、うっ……」
剣抜いても悪くないよね? 俺は邪魔されてるんだ。
「き、貴様! 王に逆らうと……」
「槍を下げろ。その腕切り落とすぞ。」
「くっ……、分かった。ギルド前で待つからそのうちに行ってこい」
やっと言うこと聞いたか。ほんと、疲れるからこういうのやだ。
「こんにちは〜!」
うん。いいな〜。受付嬢の笑顔はいつ見ても和む。
「ギルドの依頼が終わった。ついでに色々と狩ってきたからそれも追加で頼む」
「はい、分かりました。『解析』」
「えっ?! この数は一体……」
「出来れば早めにお願いします。急いでるんで」
「わ、分かりました……」
騎士がいなければな、のんびり話でも出来たのに。
「報酬は40000zと13650zです」
「ありがと」
さて、さっさと王様のとこに行きますか。
「よし、終わったな? すぐに城へいくぞ」
「へいへい」
あの王様は何考えてんだかわかんないな〜。こっちとしては顔も見たくねーのに。
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〜〜 城、王の間 〜〜
「王様! 本当にあの者を連れてきて
良いのですか?!」
「いいんだ。どうやら相当強いらしい。
私がだした冒険者を軽くあしらったらしいからな。 強い者は是非欲しい」
「まあ、それが勇者より強かったらの話だがな」
「はぁ…。そうでございますか」
王様と神官が話している時、王の間に誰かが入ってくる。
「王様! 我々をお呼びですか?」
「おお! 待っておったぞ! 勇者達よ!」
「用とは何でしょうか?」
「今からここにある者が来るのだがな、
その者と闘って欲しいのだ」
「闘う…ですか? それでどうするんですか?」
「そいつがお前より強かった時は……」
「王様! 連れて参りました!」
「どうやら来たようだな」
一人の男が大勢の騎士に囲まれ、部屋に入ってきた。




