第12話
「ふわぁぁ〜ああ……」
どのくらい寝たかな? まだ日が昇りかけているから朝である事は確かだ。
「さて……、今日はギルドだったな」
寝起きは眠いな。階段を踏み外さないよう気をつけなければ……
ズルッ
「うおっっ」
ゴンッ!!
「ッッ〜〜〜」
言わんこっちゃない! なんだ? 頭で思うのもフラグになるのか? なんてことだ!
「頭いて〜……」
とりあえず下に下りよう。
階段に気をつけながらな。
「昨晩は良く寝れたかい? 朝ご飯はどうする」
「いただきますっ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ーー宿前ーー
まだ頭がぼうっとしている。朝ご飯はそれほどの衝激だったのだ。確か金鶏鳥の卵かけご飯だったかな。朝からあれは困る。一歩間違えば宿屋から出られなくなる。気をつけよう。
「よし、ギルドへ行くか」
まだ朝早いから人も少ない筈だ。早めに依頼は受けておきたい。
「おはようございます!」
ほう、ギルドの受付嬢は挨拶もするのか。
…………笑顔が可愛いから毎日来るのは決定だな。
何か手頃な依頼は……、これにしよう。
「これを頼む」
「はい、えっ?! いきなりEランクの依頼を受けるのですか?!」
「問題は無いはずだが?」
「ですが……! はい……、で、ではベビーコドラ5体の討伐……。5体はおそらく群れを成してるので気をつけてください。報酬は40000zです」
「分かりました」
早速そこに向かいますか〜。あっ……
「すいません、場所はどこになってますか?」
「えっと……。場所は門を出て右手に見える
アクトロ山となっています」
「ありがとう」
ーーギルド前ーー
さ〜て、どうしようかね。このまま行ってもいいんだか……。まだ昼前だ。色々と買ってから行こう。
あこにあるのは防具屋かな? 行って見よう。
「すいませ〜ん。防具売ってますか〜?」
「誰だ! 防具屋に向かって防具を売ってるか聞く馬鹿は!」
よし。どうやら防具屋であっていたようだ。
「すいません、性能のいいローブを探してるんですけど」
「あぁっ?! 性能のいいローブだぁ? うちに置いてあるのはどれも性能はいいんだよ!」
「それは失礼しました。じゃあ特に良いものは……」
「うるせぇ! お前に売るような防具はねーよ!」
ドンッ!
「うわっ!」
いきなり突き飛ばすか? ここら辺の人は常識ってもんがねーな。
「ちっ…、しょうがない。ひとまず防具は止めよう。道具を買いに行くか。この世界ならきっとアレがある……」
そうと決まれば早速探すぜ!
〜〜 1時間後 〜〜
「はぁ…はぁ…、あった……」
くそ〜、てっきり城に近い方にあると思ったら、まさかの門の近くだった。しかもギルドのすぐ近くというな。
「まあいい、早く買おう」
「いらっしゃいませ〜」
「回復薬ってありますか?」
「回復薬…? あっ! ポーションの事ですね! ありますよ。MPを回復できる、マナポーションもあります!」
「来っっっつたぁぁああ!!」
ポーション? マナポーション? ゲームか? この世界はゲームの中なのか?! フハハハハ、最高!
「あっ……」
しまった! またつい叫んでしまった!
頼む! そんな目で見ないでくれ!
「すいません。
ちょっと急ぎの用がありまして……」
「はぁ…、そうですか」
今はこう言うしか無い。不可抗力だ。
「それで、一ついくらですか?」
「ポーションは500z、
マナポーションは1000zです」
え、高くね? 沢山買いたかったけどな〜。
「…………五個づつください」
「全部で7500zです」
「ありがとうございました〜!」
はぁ〜、思わぬ出費だ。
これからはもっと考えて使おう。
「よし! 気合いを入れろ!今から山に直行だぁ!」




