五 名残
深山は社長室の扉が閉まっているのを余りにもイライラしながら見ていて、後ろから歩いてきた上司に声をかけられてもすぐに振り向かなかったほどだった。
「まあ、コーヒーでも飲めば?深山。」
「吉田さん、いつまで兄は、いえ、社長は酒井さんとしゃべっているんでしょうね。」
吉田は鼈甲色の縁のメガネの奥で、いつもの静かな微笑みを見せた。
「社長は愚痴を言いたいときも、自慢したいときも、どっちにしても、結局酒井を呼ぶわね。面白い。」
「面白くないです。僕も兄と話したいのに。」
社長室というより個人の書斎に似ている部屋の中で、この探偵社の若き社長は、部屋の中央の円テーブルに座らせた長身の男性エージェントのうんざりした視線を感じつつ、室内をゆっくりと歩き回っていた。
「酒井、私はダメもとでやったつもりだったから、成功しなくても何一つがっかりしない予定だったんだけど、人間、そんなに崇高にはできてないものだね。」
「今までの経過はよく分かりましたけど、確かに途中まで、俺でも期待したかもしれないような、展開でしたな。」
「わかってくれる?酒井」
「まあ部分的には。しかし、とにかくです、もう終わったことなんですから、すっぱり忘れられたほうが。」
「最後に月ヶ瀬に会った、庄田のチームの朝比奈にその様子を聞いたら、さらに悔しさが増した。」
「社長、朝比奈じゃありません、三田ですよ。」
「ああそうだね。私の弟と同じ・・・・訳あって実の兄と違う苗字を名乗ってる、エージェント。でも祐耶とは違い、兄を尊敬してるところは偉いね。」
「話が逸れまくってますが、月ヶ瀬の腕はもう嫌と言うほど分かり切ってるんですから、いちいちショックを受けることもないでしょう。」
昼下がりの陽光が、阪元の横顔を強く照らし、その金茶色のよく手入れされた髪が輝く。
「ほんとに、欲しい。欲しかったよ。誘拐して強奪したいくらいだ。」
「物騒な。社長、あきらめ悪すぎです。」
「半分本気だよ、私は。」
「腕の良さでは、高原のほうが更に上じゃないかと思いますけど?」
「酒井。お前は分かっていてそういう意地悪を言うんだね。高原に人は殺せない。月ヶ瀬は絶対できる。これは決定的なことでしょ。」
「そうでしょうな。」
週末の午後は、いつも高原と英一が雑談に使うコーヒー店はサラリーマンだけではなく様々な種類の客で席が埋まっている。
コーヒーが運ばれて来ても、長身の青年二人は向き合ったまま特に手をつけようとしない。
英一は、高原のメガネの似合う知的な両目がこちらに注がれていることを感じながら、話を切り出すタイミングを少しためらっていた。
先に高原が口火を切った。
「・・・三村さん、多分ですが、河合が何か言っていましたか?」
英一が苦笑した。
「そうですね。何か言っていたんですが、その後何も言わなくなって。しかしあいつは、考えていることがほぼ全部顔に出るので。何か、緊急事態が発生したのではと思いました。そしてそれは、いつかあなたがとても気にかけておられた、同僚の警護員さんに関わることじゃないかと。」
「はい。」
「業務上の秘密はお話しいただけないとわかっていますが。・・・・河合は、ある先輩を尊敬していて普通に話ができるようになりたいと言っていました。でも、その人はなんだかとても嫌なことばかりを言うし、近寄りがたい人だそうです。あいつは、その人と仲良くなれないことを悩んでいるようでしたが、言葉はそうでしたが、むしろ真実は、その先輩のことを非常に心配していた。そしてその後、さらに事態は悪化したようですから、高原さん、あなたの悩みが今倍増しているんじゃないかと思いました。」
高原は複雑な表情で、苦みの勝った笑みを口元に湛えた。
「ちょうど私も・・・・一般的なことで、三村さんに、ご意見を頂けたらと思っていたところでした。」
「はい。」
英一が可笑しそうに笑い、そして高原はテーブルに両肘をついて、組んだ両手を額に当てた。しばらく自虐的な顔でうつむいていたが、苦笑しながら再び顔を上げた。
「ある会社に・・・他社から声をかけられて、自分の会社への契約申込情報を提供した社員がいたそうです。短期間に提供された数十件の情報のうち、一件についてその後、自社が受注する要件を満たしていない旨、匿名の人間から情報提供があった。」
「はい。」
「その情報は正しかった。そして彼の会社はその申込を断った。その後、他社がその申込者にまつわる仕事をした。」
「・・・・」
「情報漏えいが発覚したとき、その社員は、金銭目的でそれをやったと言った。」
「奇妙ですね。」
「そうです。情報を受け取った他社が、わざわざ経費をかけて調査した内容を自社へ提供した。報酬を払うコストどころか調査経費だけでもそれにみあう儲けが他社に生じるとは思えません。」
「・・・・・」
「しかも、その社員は金銭的にまったく困っていません。社内で彼を悪く言う人間の常套句は『働かなくても食べていけるくせに道楽で仕事してる』ですから。」
「・・・その会社が、依頼人からの申し込みのうち、どんな申込みは断るのか、基準は明確なんですか?」
「基本的には、申込者が明らかな違法行為を行った、または行っていて司法・行政の必要な対応を受けていない場合。そしてそうした重要な事実について告知に偽りがあったときですが、差し迫っている襲撃の度合いにもよります。」
「生命の重大な危険があれば、現在進行形の犯罪者でも守る。」
「極論すれば、そうです。」
「なるほど。」
高原は少し視線を上げ考えを整理するような顔をし、そして英一を見て明確に言った。
「実質的な基準があるとするならば、やはり、その人を守るために我々が必要かどうか、というところでしょうか。」
英一は頷き、少し沈黙した後、言った。
「”不適切な依頼人”についてその隠し事を明るみに出す。会社は依頼を断る。そういうしくみをつくろうとしたんでしょうね。・・・・もちろん、内通者を常にもぐりこませておかなければ成立しませんけどね。」
「はい。」
「そして、他社のメリットは何なのかと考えれば・・・・儲けじゃないとするならば、やはり、受注がかぶらないことそのものが、メリットと考えるほかなさそうですね。」
「はい。」
「そういうしくみをつくろうとしたこと。受注がかぶらないようにしようとしたこと。その理由は、動機は、何なんでしょうね。」
逆に英一が尋ね、高原は少し間をおいてから答えた。
「両方の会社が、効率的に仕事を進めること。それはつまり・・・両方の会社の社員が、無駄な危険にさらされないこと。」
「高原さんの考えに、私もまったく同意ですよ。」
高原は英一の微笑みに、安堵と当惑が綯交ぜになった。
阪元はようやく自分も円テーブルに向かう椅子へ腰かけた。
「ただし私が・・・月ヶ瀬の性格とポリシーを理解し踏まえた上で事を進めていたつもりの私自身が、自己矛盾していたかもしれない。」
「そうなんですか?」
漆黒の髪が似合う精悍な顔に、少しの意外そうな表情を浮かべ、酒井は上司の緑色の両目を見た。
「私は月ヶ瀬のふたつの主義を乗り越えるために、ひとつの方向を示した。ひとつは、彼が犯罪を嫌うということ・・・・」
「はい。」
「これを、・・・違法なことへの対処は違法なことを持って行うほかない、そういう仕事が、阪元探偵社に依頼される仕事である。・・・この考え方で整理できたらと思ったんだ。」
「はい。」
「そしてこの考え方は、もうひとつの問題も解決すると思ったんだよ。」
「一石二鳥ということですか。もうひとつの問題というのは、つまり、月ヶ瀬の性格ですか?」
「そうだよ。」
そのとき、ドアを苛立たしげにノックし、そして阪元の返事も待たずに、阪元によく似た金茶色の髪とよく似た顔立ちをした、敏腕のアサーシン・・・・殺人専門エージェントが社長室に入ってきた。
「祐耶。ノックしたら私が入りなさいと言うまで待ちなさい。ほかの社員の前で示しがつかないからね。」
「今日だけは例外だよ。もう我慢できない。」
酒井は面白そうな表情で、入ってきた同僚かつ旧友の顔を見た。
阪元は兄らしく弟をたしなめるように言う。
「なにをそんなに苛立っている?祐耶。まだ病み上がりだろう。あまり興奮すると体によくないよ。」
深山祐耶は兄の少し意地悪そうな微笑みを無視して、円テーブルの傍まで来て立ち止まった。
「僕は、納得できない。」
「なにが?」
「月ヶ瀬は、僕たちのやり方に同意したはずだよ。なのにどうして、あの人は・・・あの人の答えは、ノーなの。どうにかならないの?兄さんは、もう、あきらめたの?」
我慢しきれないように酒井が笑った。
「社長。あなた以上にあきらめの悪い人間がいましたね・・・・さっきの言葉は、取り消します。」
「あのね、祐耶。一番悔しがっている人間を、責め立てるのは思いやりのない行為だよ。」
「一番は僕だよ、兄さん。」
阪元は立ち上がり、深山の顔を一瞥し、そして後ろのカウンターへ向かって歩いていく。
「月ヶ瀬が、最終的に私の提案を承諾したのは、多分、私がこう言ったことが決め手になったと思う。『大森パトロール社も、阪元探偵社も、これで、命を落とす警護員やエージェントが減ることになるはずです。』」
「ああ。そしてそれは、本当のことだよね。」
「そうだ。でも考えたら、矛盾してるんだ。月ヶ瀬は、クライアントを襲撃するような犯罪者を、排除する、そのためだけに大森パトロール社にいる。そして、徹底して、他人との余計な人間関係を避ける。それは、命の危険に曝されて自分や周囲が生活していることから来る、苦痛を最小限にするためだと思う。」
「うん。」
「それは、彼がいとも簡単に自分の命を仕事に捧げようとすることからも、明らかだ。つまり、命を落とす警護員やエージェントを減らす動機は彼にはないはずなんだ。」
「・・・・・」
「だから、私の提案は行き詰った。私が考えなかったのは、彼の中に、矛盾があることだ。あそこまで物事を割り切れる人間の、彼に。」
高原は改めて英一に問う。
「三村さん、さっき、その基準がもしも曖昧なものではなかったなら、とおっしゃいました。そんなに我々は曖昧でしょうか・・・?」
「曖昧ですよ。しかも色々な面で。まず、依頼を受けたクライアント、あ、いえ、顧客について、その意思をどこまで尊重するか、そうしたことについて今その会社はあまり整理がついておられない。本人の意思がその内部で矛盾していることもある。たとえば、安全を守ってほしいという一方で、安全を脅かすような行動が必須だといったり。」
「はい。」
「誰を守るか、も。そして、どう守るか、も。実はもう、基準などあってないようなものかもしれません。」
「・・・はい。」
「そしてその曖昧さは、結局は、どのような危険をもって”不適切な依頼人でも”契約を受けるに十分な危険か、ということも曖昧にします。また、会社はそれほど愚かではない、むしろ怖いような野生の勘もあるようですから、内通者などすぐに発覚するでしょう。このふたつの理由で・・・残念ながらこのしくみは、現実的ではなさそうですね。」
高原は、相手の考えが自分のそれとほぼ一致したことに安堵した、という様子で、大きく何度か頷いた。
そして、視線を少し上げ、記憶を呼び戻すようにしながら、言葉を出した。
「・・・・これは、その社員が盗聴されているとは多分思わずに、くだんの他社の人間に言った言葉です。・・・『第一には、この先ずっと誰かを送り込むことも、そして操作することも、やっぱり無理だと思う。今回自分で一応やってみて、心からそう思った。』」
「・・・・」
「『うちには、いつのことからか分からないけど、意味不明の揺らぎがある。予想困難つまり制御困難。』」
「・・・なるほど。」
大森パトロール社の事務室に茂が顔を出すと、週末の午後らしく人影はまばらだったが、葛城が自席にいてこちらを向いた。
「茂さん、こんにちは。」
「こんにちは。」
葛城怜は、とてもそうは見えないが茂の尊敬する高原晶生や山添崇、そして月ヶ瀬透と同様に、大森パトロール社の有能な警護員である。そう見えない理由、そして彼を特徴づけている最大のものは、その、男性離れした美貌であるが、茂は葛城のその外見に劣らぬ美しい内面も尊敬している。
月ヶ瀬の、見ている側が体の芯まで凍るような冷たい美貌とは異なり、温かみと優しさに満ちたその美しさは、まさに天使だと茂は思っている。
しかし葛城のその美しい顔の、表情はどんよりと曇っていた。
理由は明らかだった。
「葛城さん・・・・今日は、葛城さんが、見に行く日ですよね。」
「はい。謹慎はあと四日ですが、晶生と崇と私が順に行っています。」
自宅謹慎のまま処分を待つ月ヶ瀬が、指示通り自宅から出ていないかどうか、会社の指示で毎日時刻を変えて警護員仲間が確認に行っている。
「あの」
「・・・はい?」
「あの、一度、俺に、代理で行かせてはもらえないでしょうか?」
「え?」
葛城は目をまるくして茂を見た。
「あ、だめだったらもちろん・・・いいんですが・・・・」
「茂さん、もしかして、私が月ヶ瀬とあまり相性が良くないから、気を遣ってくれてます?」
茂は大きく首と手を振り否定した。
コーヒーカップの中の冷え切ったコーヒーを見下ろしながら、高原は思い切ったように次の言葉を発した。
「三村さん・・・。阪元探偵社は、やはり月ヶ瀬を得ることが、最終目的だったと思われますか?」
「そう思います。」
「理由は・・・」
「第一に、月ヶ瀬さんは過剰防衛気味になるほど襲撃者つまり犯人に厳しい。だからこそこの彼らがつくろうとしたしくみは、最終的に違法とか合法とかいうことそのものを曖昧にすることへの、事前のステップのように見えます。大森パトロール社が、仕事において合法違法、そしてクライアントを守ること、それ以外の判断をしていないようでいて、実はすでにいかに多くの判断をしているか明確にすることで、より大きな『判断』も是とすることへはあとわずかになるでしょう。第二に、月ヶ瀬さんのようなレベルの人間を、単なる内通者としてだけ使うとは絶対に思えません。」
「そうですね・・・・。」
「最後は、・・・・」
「月ヶ瀬の、性格ですか。」
「ええ。過去三回、彼らは月ヶ瀬さんの警護案件を見てその性格が分かったのでしょう。ああいう、物事に良くも悪くも割り切りのできるタイプの人間は、彼らが好みそうです。」
高原は、テーブルの上へ目線を落としてしばらく黙った。
そして、再び、少しやつれたような視線を英一に向けた。
「でも実際は、割り切れてなどいないかも知れないです。・・・・月ヶ瀬が、最後に彼らに言った言葉は、こうでした。『彼は、もうひとつの、僕の癖まで考慮してくれた。そう、違法で裁くのは違法だけ、そうシンプルに整理することで、仕事の度に一緒に何かを考え合意する必要がなくなる。余計なことに煩わされずに済む。』」
「・・・・」
「『でも、僕は逆にあまりにも君たちに同意してしまったから、君たちのところへは、行けない。』」
「・・・・。」
葛城は微笑み、そして茂の説明を待った。
「俺、月ヶ瀬さんがあんなことをしたのは、何かちゃんとした理由があると思います。」
「はい。」
「せめて、お金が目的なんかじゃないって、言ってほしいんです。」
「あいつの住んでいる家を見たら、それだけは違うと分かりますよ。」
「そうなんですね。」
「金銭目当てで情報を漏らしたなんて、誰も信じてません。でもこんな見え透いた嘘を言うのもあいつらしくない。そしてなぜ、本当の目的が言えないのか。とにかく訳わからないんです。」
「・・・そうですよね・・・」
立ち上がり、葛城は給湯室へ向かって歩きながら、言った。
「茂さん。月ヶ瀬のことが、心配なんですよね?今回のこと、というよりは・・・・・あれから、今も、ずっとと言うべきなんですよね?」
「・・・・はい。」
「あまり認めたくないけれど、私よりも、茂さんが行ったほうがいいような・・・気がします。」
葛城は振り向き、少し力なく笑った。
「葛城さん、すみません、俺、そんなつもりでは・・・・」
「いえ、私こそ、・・・相変わらずなにもあいつにしてやれてないことを、恥じています。」
「・・・・・」
「今日は夕方辺りに行こうかと思っていましたが、時刻は茂さんにお任せします。よろしくお願いしますね。」
「はい!」
茂は予定より少し遅れて、夜になってからその大きくシンプルな一軒家の前に到着した。
葛城が言ったとおり、デザインは簡素だが上質な材料で建てられた、大きく重厚感のある洋風の家だ。葛城の自宅もかなり広い家だったが、月ヶ瀬のこの家は一般の住宅というよりデザイナーが自分のために建てた住まいといった風情である。
インターフォンを鳴らす。
返事はない。
「いらっしゃらないのかな・・・・」
一階は明りがついている部屋もあるが、しんとした屋内からは人の気配もない。
もしも無断外出していたら報告せねばならない。茂は気持ちが重くなったが、借りていたスペアキーで玄関の扉を開け、室内へと入る。
「失礼します。大森パトロール社の河合です。葛城さんの代理で確認にうかがいました。」
廊下を歩きながら、茂は、次第に胸の奥になにか胸騒ぎのようなものが広がっていくのを感じた。
つきあたりのドアを開くと、そこは広い居間になっていた。明りは窓際のシェードランプだけで、薄暗い。
奥の窓に床までの厚いカーテンが下がり、手前には低く大きな、合計二十人は座れそうなソファーがガラステーブルを挟んで配置されている。
そして、ソファーの長椅子の上に、頭をこちらに、足を向こう側にして、月ヶ瀬が横たわっていた。
艶やかな黒髪がソファーから零れ落ち床に一部触れている。
そして、左腕がソファーの上からはみ出して床に落ち、手の先がやはり床に触れていた。
「月ヶ瀬さん・・・・?」
茂は恐る恐る近づいて、月ヶ瀬の顔を見た。
そして、驚愕してその上体を両手で抱き起した。
「月ヶ瀬さん!」
両目も唇もぴったりと閉じたまま、月ヶ瀬はぐったりとしていた。
茂は月ヶ瀬の長い髪が手先にもつれるのも構わず、月ヶ瀬の名を呼びながら揺さぶった。そして再び彼をソファーに寝かせると、携帯電話を取り出し発信した。
「もしもし・・・葛城さんですか?河合です・・・・はい、今月ヶ瀬さんの自宅です・・・・あの、月ヶ瀬さんが、室内で意識不明になっているんです!・・・・呼んでも揺すっても、全然・・・・・あ、それより救急車呼びます・・!また電話します!」
半分パニック状態のまま、茂は電話を切り、救急車を呼んだ。