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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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93話 本当に理事?

「え〜と、お医者さんですか?」


 三枝先生と共に病室に現れた小柄な女性・・・。アロハシャツ着て酒の匂いがしてるけど、お酒飲んでる時点で成人してるのは確定している。未成年飲酒?売ったら裁かれるし、買う前にスマートレンズ付けてたら警告が双方に飛んでくる。


 未成年が隠れて飲むならスマートレンズ外して更に飲んだ後に1日くらいはスマートレンズの使用を控えないとバレるし、今時の子はそんな状態に中々耐えられない。と、言いつつ新年なんかでは神社でお屠蘇が振る舞われたりもする。水で薄められて規定に引っかからない濃度だからいいらしい。ただ、飲み過ぎるとやっぱり警告は飛んでくる。


 そんな女性だけど、三枝先生が連れてくるなら医者かなぁ・・・、アロハ着てるけど。でも神秘医学とか言うモノを専攻してたらコスプレも許されるらしいから、そっち方面の人?


「おぉ〜・・・、思ったよりも狐娘だ!ごめんね〜、油揚げ持ってなくて。代わりに酒飲む?お酒。」


「八百理事、流石に病室でお酒を飲まれるのは・・・。」


「知ってるけど警告だけだからねぇ。そもそも今の医療は健康を優先させ過ぎで人の何たるかを分かってない。でもまぁ、それを人が作って受け入れたから仕方ないんだけどね〜。と、マリちゃん?ツキちゃん?どっちでもいいけど、東亜メディカル技研理事の天野 八百です。」


「ここの理事長さん・・・。どうも始めまして雁木 真利と言います。ほぼ表舞台に立たれない方でしたが、こうしてお会い出来て光栄です。電子名刺となりますがコチラをどうぞ。」


「あ〜・・・、受け取っとくよ。昔は紙で貰っても失くしたって言えば済んでたけど、今だと誰がなに渡したって電子制御なら履歴が残る。だから私はお酒を飲んで捨てたって言うのさ!」


 あぁ・・・、この人医者だ。それも営業しにくいタイプの変わり者だけと反論しにくい状況作るタイプの人だ。会社で商談まとめたりしてると必ず横槍入れるのはこう言うタイプなんだけど、それならそれで最初からいらないって言って貰った方が話は進めやすいんだよなぁ・・・。


 でもまぁ、いま渡した名刺にはなんの効力もないからいいかな?会社員時代なら部長に交渉は難航しそうと話すけど、今は本当に誰かを示すだけのツールでしかないし。


「どうぞどうぞ、データ容量を圧迫をするのも悪いですからね。それで、今回はどの様なご要件で?被験体としての不自由等がないかの質問でしたら、大変良くしていただいてるのでなにもありませんが。」


「いんや?単純に顔見に来ただけ。一応、理事長だし特別な患者は見とかないとね。」


 そう言いつつ八百さんは目を細めてニコニコしながら俺を見る。いや、観察の方が正しいのかな?柔らかい物腰はいいとしてどうも探られている様な気もするし。でも、医療的な事を聞かれても困るんだよなぁ〜。


 データとかは三枝先生達がまとめてるし、俺の方は自分が出来たことしか分からない。仮にここでこう言った薬は効きましたか?と問われても薬とか飲んでないし、なにより最近は医療ポッドにも入ってないからなぁ・・・。


「この姿の事ならあまり気にしないで下さい。確かに狐の耳と尻尾も10本ありますけど、それは私を助けようとした結果ですから。それに被験体同意書にもサインしてるので出来る限り協力しますよ。」


「今なんでも協力するって言った?」


「そんな事は言ってません!」


「ちっ!言質取れなかったかぁ〜。まぁ、畏まらずに好きにするといいよ。ゲームしたいならすればいいし、配信者したいならすればいい。外に出たいなら外に出てお酒飲んでもいいし、暇じゃなきゃここにいてもいい。」


「はぁ・・・。」


 チラリと三枝先生を見るけど先生は諦めの境地か遠い目をしながら窓の外を見ている。流石に理事長には逆らえないか・・・。八百さんの話を考えると退院もOKだしここを住処にするならそれでもいい、なんなら制約もなく好きにしていいと受け取れるけど、下手すると病院から出て行く羽目になるんだやよなぁ・・・。


 老獪な交渉相手ほど自由を提示してくる。それは相手がなにを選んだかで柔軟に対応出来るから。そもそも何かを売りたいなら相手の懐にスルリと入るのが大切だけど、今は選択肢しか出されてない、だからこそ。


「ならもう少しここにいますよ。外出はするかもしれませんけど、家もなければこれからどうするかも決まってませんからね。」


「そう?ならいるといいよ。800年くらい。どうせ暇になったら外に出ようとするしね。」


「流石に800年もここにいないですねぇ。そうなる前に暇になりそうですし。」


「うんうん、暇は嫌だし楽しい事があれば外も見る。ウチの大神なんて引き篭もったけど外が楽しそうだからって覗いたら引っ張り出されたしね!その上鏡見たらこの美人だれ!?凄い神様?って自画自賛するし。まぁ、そのうちお酒でも飲もうかマリちゃん。じゃあね〜。」


 嵐の様に現れて言いたいことだけ言った様な八百さんは、さっさと部屋から出ていってしまった。結局なにがいいたかったのかはよくわからないけど、病院の理事長やらする人だし医者と同じで変人枠の人なんだろう。


「三枝先生、あの人本当に八百理事。東亜メディカル技研の最高責任者で間違いないんですよね?」


「ええ。東亜メディカル技研理事長の天野 八百氏で間違いありませんよ。最も、八百と言うのが本名かと問われるとわかりませんが。」


「えっ?病院のHPなんかにも八百と書かれてますけど?流石に偽名だと最悪訴えられますよ?」


「そう言う意味ではく医院長と同じ側の方。八百比丘尼、ご存知ですか?」


「・・・、人魚の肉って旨いんですかね?」


 もしかして目を細めて見てたのって俺が旨そうだから?人魚の肉がなにかは分からないけど、仮にその年月生きてるとすれば大体の事はやり尽くしてるんじゃないかな?そうなると、変わったものも食べたくなるし暇も持て余しそう。


 ま、まぁ?流石に人として認められてる俺を取って食おうとすれば警察案件だし?仮に尻尾とか切られたら痛くて起きるだろうし?よそう、座敷童子がどうやって動いてるかも分からないのに、八百比丘尼がなに考えてるかなんて分かったもんじゃない。


「人魚の肉が旨いかは分かりませんが、今日の夜に医療ポッドに入ってもらえますか?定期検査と言う形でデータ収集を行います。」


「それは大丈夫だと思おます。クエスト的にも夕方には終わりそう・・・、あら?襲われてる!ちょっとログインしてきます!」




________________________

 

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「五郎ちゃん、五郎ちゃん。」


「八百さんどうしました?顔見てくるって言ってすぐに帰ってきましたけど。」


「いやさ、昔エレキテル見た時もスゲーって思ったし、写真見た時もスゲーって思ったんだけどさ・・・、現代医学ヤバない?なに?到頭妖怪を・・・、電気精神体だっけ?それを人として認めることにしたの?」


「そんな話は聞いてないですねぇ。って、八百さんなに見てきたの?」


「なにを見たか?そりゃぁ境界だよ。人の世にある姿、電気精神体とかの妖怪としてある姿、そして人が作ったAIを呼ぶ者としての姿。いや〜、あれはビビるね。データ見て薄々そうだろうとは思ってたけど、妖怪が怖がるのがよく分かるよ。」


「・・・、ちょっと待ってね?私はそこまで知らないんだけど!?」


「えっ?だってバイオナノマシンって人を治すのが仕事でしょ?なら全部置き換えてしまった方が効率的で健康的じゃん。それにゲームデータを使用した時点で人の体は旧式になるし、マリちゃんの体を構成するルールがソレなら、それに準じた形にするのは当然だし。」


「ちょっと待って欲しい・・・、なら今あるバイオナノマシンを使用した場合人間への被害は?」


「ないよ?それは五郎ちゃんも分かってて否定して欲しくて私に聞いてるんでしょ?人のルールはこの世界のルール。だから、ナノマシンが頑張ってもこの世界のルールしか適応されません。マリちゃんは境界を跨ぎまくってるからそうなだけ。」


「なら、逆に誰かがマリちゃんと同じ様にバイオナノマシンで治療する時にゲームデータを使用したら?」


「無理だよ。」


「どうして?」


「マリちゃんレベルの大怪我をして、ゲームデータを使用して治療を受ける。でも、これだけじゃ足りない。最後の鍵は目覚める時、何を考えたかだからね!」


「それは・・・、ならマリちゃんは目覚める時に何を考えた?」




________________________

 

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「・・・。」


コムズ:モンスター撃破度20%


幼体:26%到達により機嫌が一段階悪化予定



妖精王:契約者と共にモンスター、盗賊団を撃破


「襲え野郎ども!!!!怯むなぁ!!!!」


「アイサお頭ぁ!!!」


 契約者が魂を抜いた状態でも砂漠を進み、時間設定によるモンスターが出て来た。この馬車を引く馬と同様の乗り物に乗り剣や銃、杖を構え攻撃をして来る。しかし、契約者はその攻撃を完全に無視して真正面から大麻でひたすらに殴り掛かり、時に魔法で盗賊の頭を弾き飛ばす。ただ無言。なんの感情も映さない瞳で砂の上を滑る様に進み草を刈る・・・、いや。邪魔と思うだけ草刈りの方がまだ感情が乗るな。


 何時もなら尻尾が千切れ飛ぶのを契約者はあまり好まない。しかし、今は襲いかかる盗賊の銃弾を尻尾で受けては千切れ飛ひ、それさえも気にせず淡々と眼の前の盗賊の首を落とす。


 この状態の稀人に意味はない。どこかで死に町へ戻り佇むか、生き返って死にやはり町に佇み消えて行くか・・・。魂が戻ればまだ彼等はこの世界にいる意味を失っていない。しかし、戻らず消えればほぼ永遠に戻る事はない。それが本当の意味での稀人の死であり、現実世界と言うものでの存在強化なのだろう。


「おっ待たせーーぃ!!」


「遅いぞ契約者!」


「早くしてくれ!幼体の機嫌が悪くなっちまう!」


「なんだこの荒くれ共は!臭いぞ!埃っぽいぞ!あ〜!イライラする!!」


「あいよって!盗賊団かよ!コムズ全力疾走!囲まれたらクジラが来る!尻尾・・・、げっ!削られてるし!これだからUIは・・・。妖精王ちゃっちゃと走りながら倒すよ!」


「分かった!グランドジャベリン!」


「生身での縮地をお見せしてさせあげよう!」


 ゲームスキルではなく現実の縮地。単純に力抜いて体を水平に足で押し出すだけ!若干膝が曲がるとなおよし!踏み込みやすくなるからね!スキル使うと人型モンスターは警戒度が上がるけど、体動かして技術使う分には動作の1つとして受け取ってくれる。だから、バフ盛らずに出来る事は増やす。まぁ、これと刀持ってモーション習得したからアシスト付いてるんだけどね!


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― 新着の感想 ―
ツキさんの謎がちょっとずつ分かって来てますね! あと精霊王さん、ツキさんにも興味津々なご様子
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