80話 戦場は前線へ
「前のツキは相討ちして死亡する無能でしが、新しいツキは最後まで戦い抜く戦巫女となるでしょう。」
「実際後ないで?」
『ええタイミングで帰って来てくれてありがとさん。』
『あそこで逃げたら大炎上。死に戻りは最速帰還ですからねぇ。』
大麻をフリフリ。結局ぶん殴ても死なず復活したアールさんと飛行ユニット降りろ!お前が降りろ!と罵りあって仲良く地面に熱烈なキスを交わし死亡。まぁ、装備品もなく素手でぶん殴ったからダメージはあっても拳だけで死ぬよ様なステータスでもないのよね。寧ろバルカン砲で撃たれてたからアールさんが殴りかかって来たらヤバかった。その辺りがへっぽこと言われる由縁である。
両手で目を隠して領地内は見せない。下手するとそこを突かれるし内情が分かった領地程潰されやすい。流石にアールさん堕ちて他の領地の飛行ユニットもいるなら爆撃阻止は大丈夫だろう。
そうなってくるとウチの領地の価値が下がる。秋ドンさんがビーム砲撃ってるからまだ空戦と言うか飛行ユニットを牽制してる風に見えるけど、配信見てる人達からすればハリボテよねぇ。そうなるとここを潰してしまって空間を広げつつ自分達以外の領地を盾にするのもあり。
秋ドンさんと配信に乗らない内部メッセージで話すけど資源はかなりカツカツで、今残ってるユニットもあえてここを狙って来た指揮官に結構潰されたらしい。幸運なのは低確率だけど一騎打ちを叫ばれなかった事かな?ユニットの残りは250か。
妖精王が上手くやれば飛行ユニットもあるけど、燃料がこころともないから正式運用するにしても半数動けばいいとか?無理やり上げてPTにされるくらいなら温存して寝かせておくのも手だし。
流石にフロムさん達が引き連れて行ったし状況が分かってれば一騎打ちも叫びづらい。叫びづらいけど叫んだら悪いと言う話もない。なにせ勝つ為にはなんでもするのがプレーヤーだしねぇ。
>> 新しいツキちゃん!
>> 安価は・・・、成功か?
ツキ>> キスしただろ?手の甲に。
だから成功!異論は認める
>> あんなキスならいらないのでアール!!
ツキ>> あら?やっほーアールさん、次はヘッドバットしに行きますね?
>> 来るな!来るな!今は忙しいのでアール!!
忙しいと言いつつコメント送る余裕はあると。どうせ領地内で復活してるんだろうけど、今から空戦やらせてもらえるほどフロムさん達の突撃は甘くない。なにせ一騎打ちコールが入れば領地から強制的に指揮官が引き抜かれる。それを回避したければ大砲撃ったりユニットで防衛したりとかなり指揮官は忙しい。
「それじゃあフロムさん達と合流しに行きますね。」
「ちょい待って。行くなら誰か帰ってからにしてな。」
「あ〜、結構ここも攻められる感じ?」
「そりゃぁ攻めて来るで?邪魔やしなもうちょいすれば多分潮目も変わる・・・。」
最前線に投入されているのはフロムさんと篝火さん。それプラスここを一旦盾と見なして通り過ぎた数百のプレーヤー達。普通ならそんな数に攻められれ弱小やら中規模領地は確実に落ちる。それが落ちてないのはあくまで配置と状況と価値を提示出来たから。
逆を言えば大多数が通り過ぎ制空権を取ってしまえば、最前線に近いここは背後を狙われるかも知れない邪魔な領地と言う評価になる。そうなってくるとプレーヤー心理としては潰して安心したい。それの引き金は爆撃阻止で妖精王からもミサイル発射連絡と、最高度で飛んでるサクラさんからかなり落とせたと言う連絡で、他のプレーヤーも空にいるし情報が回れば一気に攻めは激しくなる。
『爆撃機換装?』
『当然やな。一部爆撃機に換装して空に上げてウチより後方を爆撃して分断する。』
『敵の敵は結局敵、全員敵の敵戦場なら仕方ない。』
色々やってるけどウチの目標は上位入賞!だからこそ機能停止は絶対に避けないといけないし、今補給権限全部持ってる秋ドンさんを落とされるわけにはいかない。なにせ落とされたら絶対復活しでもらわないと困るし、繰り返せば資源は底をつく。
『妖精王爆撃機撃墜率は悪い事にしてね〜。』
「戻ったぞ。」
「おつかれ妖精王!爆撃阻止は?」
「高度を下げての打ち上げ方式で攻撃したが、PT計算するとそこまで入って来ていないから悪ぞ。再度我が上がってサクラと合流する。」
「あちゃ〜、制空権はやっぱり厳しいか・・・。」
>> 爆撃阻止失敗?
>> 分からん、乱戦だからPT代わり続けてて計算できん
>> 配置者はツキちゃんだから他は見えないんだよなぁ
>> 情報戦?心理戦?
>> いや、子供なツキちゃんには無理でしょう?
>> にわかか?本人曰く本人基準アバターだけど30だぞ?
>> ツキちゃんが再度空に上がれば俺達にも分かる
上がらないならアーカイブか他配信者で補完?
>> 今空に上がるプレーヤーおる?
PT狙いなら地上戦で帝国攻めてるだろ?
ふえっへっへっへ・・・、狐とは化かす者。既に俺が化かされても狐娘になっちゃったし、外見で判断すると痛い目見るぜ!そんな事を思いつつ目隠ししたまま待機!誤情報やら真報は勝手に盟主やらプレーヤーが判断すればいい。
そう適当に騒いで釣り針に食い付かせる。それが今の領地に対しての最大の防壁。かなり薄いしどこまで噛みしめるかは別として、最前線付近にある領地からの情報と言うのは中々無視出来ない。視聴者数も増えて1000人くらいいるし、イベントご祝儀としても美味い。
妖精王はミサイル、バルカン砲、爆撃機に換装した混成飛行ユニットを引き連れて空に上がり、代わりにサクラさんが帰ってくる。足がふらふらしてるのを見ると空戦で感覚がバグってるんだろう。連続エレベーター上下は結構酔うし、視界もぼやけたり狭まったりとキツイ。外に漏れない様にお疲れ様と言って領地内に誰がいるかはやっぱり明かさない。コレで領地のローテーションも出来たし、ようやく最前線へGo指示も出た。
『フロムさんか篝火さん、なにかユニットいる?今から領地出て合流するよ〜。』
『いらん!その代わりはよ来い!』
『バルサミコスの防衛が巧みな上に戦闘ゴーレムも出てます!』
『うっわ!最前線は地獄だぜ!』
メッセージを飛ばすと最前線は混沌としているなぁ。飛行ユニットは射程に入ればビーム砲、歩兵ユニットはバリスタ、ゴーレムには大砲。指揮官が多ければ多い程射撃は精密になるし制空権が取りづらい領地直近では戦闘ゴーレムは脅威となる。
本当はエネルギー切れ狙いで放置か誘き出すのがいいんだろうけど、絶対に誘き出しには乗らない。だって飛行ユニットで落とされれば発生クエストでゲットしたユニットが一方的に落とされるから。
取り敢えず急ごう。突撃のタイミングで出されて連続稼働してるならエネルギーとしても少なくなってるはずだし!




