67話 進む戦況
「なんか空戦激しくね?どこだよやり合ってんの。」
「リーダー引き篭もりのままでいいんですよね?」
「ウチ等3人よ?今森を出るなら北か南だけど、南は斥候出したらユニットは全滅したし、北はお前が死んで帰ってきたろ?」
「No民とか言う所にボコされたでござる・・・。でも、飛行ユニット飛び回ってたらゆっくりも・・・。」
「リーダー!爆撃機!爆撃機接近!」
「はぁ!?バリスタは!?」
「間合いに入れば撃ち落とせるだろ!」
「いや、なんか爆撃しながら飛んで来た!てか、なんか指揮官も逃げて来てる!」
「・・・、ヤベーぞ。どこの奴だよランダム爆撃してる奴!」
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「篝火さん!飛行ユニット!」
「準備出来てます!バルカンでいいんですよね?」
「ミサイル撃ち合いは流石にアールさんが許してくれない。と、言うか下手したら上がった瞬間に落とされる。牽制射撃出来るバルカンが今の空にはお似合いなのさ!」
全身強打しつつ着地した爆撃機を高度を落として飛び降りて領地にビットインしてまた空へ。妖精王は爆撃に成功してるけど何機かはアールさんのミサイルの餌食になった。ここで以外だったのは全機撃墜されなかった事かな?
妖精王のファインプレーと言うか、低く飛べと言ったけど木に当たるスレスレまで高度を下げて飛んだおかげでミサイルのダメージ判定が和らいだとか。ただまぁ『我王ぞ!煤けていいものではない!』と叫んでいた。うん。飛行ユニットってあくまでユニットだから人は剥き出しなんだよね・・・。
だからこそ飛び移ったりも出来るし、空で撃墜=即死と言うシビアな判定も出てくるわけで・・・。高度をギリギリまで落として状態で撃墜されたら地面ダイブすると運が良ければ生き残れるし悪いと死ぬ。それはなんでかと言えば、空挺隊を許さない運営が仕込んだモーションで5回転は無理矢理ローリングさせられるからさ・・・。因みにローリング中に石に当たったり木に激突すると3回で漏れなく死亡判定が下される。
「発進どうぞ!グッドラック!」
「グッドラック!何機か連れて行く!」
高いにサムズアップして空へ!指揮していた飛行ユニットはアールさんのミサイルの餌食になったのか殆ど堕ちてしまっている。今から上がるのはPT稼ぎ兼絶対まだいるアールさんへの牽制!流石にあの状況で爆撃機を追うつもりもないだろうしねぇ。
領地から飛び立った空には他のプレーヤーの飛行ユニットも上がってきている。既に空では乱戦が始まりドックファイト大好きなシューティングマニア達が自身の腕を競う様に飛びかている。
「その尻もらった!」
「ちっ!豆鉄砲が!」
「漁夫の利狙いが通りますよっと!ミサイル発・・・。」
「撃たせるな落とせ落とせ!」
「ミサイルとか次世代武器は引っ込んでろ!」
「弾切れ狙わね?ミサイル装填数4だろ?」
「下に爆撃機飛んでね?アレもPT稼ぎに落とすか。」
「人んとこのユニット狙うなボケー!!全機フルファイア!」
上がってすれ違いざまに2機撃墜!バルカンは弾数が多い代わりに一発当たりのダメージが少ない。継続的に当てればミサイルよりも高火力だけど、流石に空戦してる中にろまな亀はいないし何よりばら撒いてもダメージソースとしては弱い。まぁ、それでもばら撒くんだけどねぇ!
「うぉ!下から新手が来た!地獄への切符は持ったかい?」
「悪いけど訪問販売はお断りぃ!自分で使いなその切符!」
「ミサイルファイア!」
「誰か仕留めとけよそいつ!」
「ちっ!全機下がれ!」
舌打ち1つ!発射されたミサイルが誰かにぶち当たる前に加速して高度を落としつつ範囲から離脱・・・、しきれない!直撃じゃないにしても範囲攻撃だから余波が痛い!燃料はへそくりでどうにかなるなしても、ユニットの整備は領地でしか出来ないからあんまりダメージは貰いたくないんだよなぁ・・・。ついでに言えばアールさんがそろそろ帰ってくる。俺よりも後に領地に帰ったなら多分そろそろ上がってくる!
今ドンパチしてる組は知ってか知らずがいい誘蛾灯になってるのよね。あの人は派手な空戦程黙って見てられないし、自分が何処で輝いてクランに貢献するかも分かってる。だからこそ・・・。
「空戦は戦の華!陸の王者が特攻ゴーレムなら空の華は飛行ユニットでアール!さぁ!ユニット諸君本当の地獄はこれからだ!」
本人はバルカン砲装備だろうけどミサイル装備ユニットも多数かぁ〜。流石にこのまま上がったら分が悪い。と、言うかPT稼ぎに余念がない。見付けられて落とされる前提で名乗りを上げ、相討ち覚悟でミサイルを撃ちまくり美味しい所を持っていく。差し引き考えてもPTが分散する分アールさんところが美味しいのは変わらない。
全く、緩衝地帯とはよく言ったものだ。ただ1位目指すリファイン勢としても指を咥えて見ているだけとは言い難いが・・・。全体マップを見ると派手に暴れている分、近くの領地からもPT狙い組が来てるな。地上戦はゴーレムとかいる分効率が落ちるし森に入れば寝首を掻かれる可能性もある。
でも、空戦ならそんな奇襲を気にせず純粋にプレーヤースキルで戦える。確かにユニットの改造やら装備に燃料バフなんて言う部分もあるけど、それはあくまでプレーヤーが扱ってこそ生きるものだしねぇ。
「と、言うかアールさんも何人か指揮官連れてきてるし、ここを一旦鎮めるつもりかな?最終日まではあんまり派手に動いて欲しくないだろうし。・・・。」
『ツキさん大丈夫そう?』
『大丈夫ですよサクラさん。下はどうです?』
『色んな領地にちょっかいかけてお兄ちゃんとプレーヤートレイン中ー!!出て来ない所もあるけど、多分そこは空戦してるんだろうって!』
『多分それで合ってますよ〜。低く飛んでますけど上は結構な乱戦具合ですからねぇ。』
ちまちまと弱ったプレーヤーやらユニットを落としてPT稼ぎもするけど、そこそこな量の飛行ユニットを連れて来たおかげで継続戦闘能力は高い。でも、篝火さんに頼んでミサイル装備飛行ユニット上げてもらう?妖精王がいるから指揮官付きで上げられない事もないけど・・・。
『篝火さん達そっち余裕ある?ミサイル装備飛行ユニット上げて欲しいんだけど。』
『3機なら上げられますけど、それ以上は無理です!』
『妖精王はん大砲とバリスタガンガン撃ってな!爆撃機は上げられんから・・・、歩兵ユニット前進!大砲の射程内で迎撃や!』
『給弾にも限界がある。誰か戻した方がいいと思うが?』
どうやら空戦している間に領地にちょっかいかけられているらしい。共有マップを見ると確かに指揮官3名とゴーレムに歩兵ユニット多数と書き込まれている。サクラさんとフロムさんはトレイン中で帰還は無理だし妖精王のPVP能力は分からない。
篝火さんはレベル的には低いし、盟主である秋ドンさんをキルされると補給線が絶たれる。空の火付けは出来たし、惜しいけど後は献上して帰るかな。
『そっちの援護が必要なら急いで帰るよ!』
『もう少し保つさかい帰りながらミサイル装備ユニットと合流して、全ブッパしてからでええよ。今PT稼いどかんと巻き返しも厳しゅうなる。』
『オーダー了解、ミサイルデリバリーして帰りまーす。』
高度を多少上げて木に触れな高さを全速力!連れてきたユニットは低空で狩らせてるけど、同じ様に森に潜むプレーヤーもいるから帰るまで保つかどうか。まぁ、PTの取り合いだから仕方ないか。
上がって来たミサイル装備ユニットはどこかの指揮官達にも追われていたけど、下から潜り込んですれ違いざまにバルカンで腹を撃って撃破。そのまま指揮下に入れて惜しいけどミサイルを一発撃ち込み残りの指揮官にダメージを負わせた後にバルカンで撃破。
早く戻ってミサイル撃って領地の方を手伝いたい。廃棄覚悟でフルスロットルで飛ぶか。加速して一気に先程の戦場へ!未だに続く空戦は戦力が逐次投入されている様に見えて、その実全員が敵なのでどんどん泥沼化する。
だって大国が戦っているわけじゃなくでプレーヤーが同盟組んだりでし戦う個々の戦場だからねぇ。美味しいと思えば参戦するし、それに釣られて参戦したらまたそれが美味しい稼ぎ場だと思わせる。ミサイルもどんどん飛び交ってるし、今なら来た方角を気取られずに撃って離脱が出来る・・・。
「いないと思ったら遅れて参戦かい?フォックスガール。」
「うげ!なんでここに!」
「そりゃあ美味しい狩場に狐は戻るだろ?大規模領地の有利性は補給線がしっかりしてる事でアール!どうせミサイル装備ユニット引き連れてるんだろうし、その首とPT置いてけぇ!」
「悪いけど今は遊んでる暇ないのよねぇ!散開!」
「させると思うかい?」
「させないと思うから乱射してるんだよぉぉぉ・・・!」
バルカン砲を撃ちつつアールさんに接近!それに相対する様にアールさんもバルカン砲を撃ってくる。互いにユニットを縦にし少しでも被弾を減らそうとするけど、ミサイルでもらったダメージが痛いな・・・。修理してない分ガチガチの撃ち合いだと負けるし・・・、飛び込むか。
旋回して背後を取るアールさんを引き連れて乱射している場所へ突っ込む!気にするのはミサイルだけ!直撃や超至近弾じゃなければまだ死なない!残ってるユニットは?ミサイル装備機はいいとして、先に連れて来たユニットは・・・、ズタボロのがまだ1機ある!
「低く飛んで随伴!速度最低!」
「乱戦場でランデブーかい?他に目をくれてやるとは焼けるぅ!」
「焼けるも何も私より腕の良い空戦好きはいるでしょうに!」
「ははっ!何気に配信見たからね!美少女と遊びたいだろぅ?」
「あら?ご視聴どうも。この戦いも後日配信させていただきますね〜。って、そこ!邪魔だどけ!」
眼の前の邪魔者を落としつつ、背後からアールさん撃ってくるバルカン砲を誰だか分からない指揮官を盾にして乱戦場を飛び、ミサイル装備ユニットに指揮を出す。まだ落ちるなよ?連れて来たのは少ないから、出来るだけ包囲してPT稼げる様に撃ち込みたいし!
「その荒っぽさは流していいのでアールか?」
「バルカン砲撃ちながら荒っぽいとかどの口が!いいですかアールさん?美少女の罵声が良薬になる方もいます。」
「30・・・。若作り・・・。美少女とは大きく出たものでアールな?」
「ハッハッハッ!見た目こそ命!」
VRで見るジェットコースターよりもなお酔う視界の中、ミサイル装備機の1つがダメージ限界を示す。仕方ないと落とされる前に全弾発射してから撃墜される。TPを見る暇ないけどそこそこ巻き込めたかな?4発分だし。残り2機、有視界戦場だけどそろそろいいかな?
コチラで拾った1機は低速で飛びつつ随伴して来ているし、まだ落とされいないのはアールさんが遊んでいるから。でも、その遊びは過激で結構ダメージ貰ってるのよね・・・。まぁ、乱戦場だからアールさんも他のプレーヤーから撃たれてダメージはそこそこ蓄積してる。
よし、やるか!一瞬の空白地帯を見つけて一気にUターン!降りかかるGで視界は狭くなるけど、既に仕込みは終わってるのよねぇ!
「何時まで蛇行しながら尻尾を振るつもりだ?逃げるばかりなら、そろそろ落とすよ?流石に遊んだばかりもいられないのでアール!」
「嫌!私とは遊びだったのね!全速力直上上昇!全機フルファイア!」
「ははっ!流石狐!カンストしてるだけはある!」
ミサイル8発で広域爆発!その上で随伴機を一気に上昇させながらバルカン砲を撃たせつつ体当たりを試みる!ミサイル巻き込み狙いは既にバレてるけど、流石にこの一手は見抜かれていない。
ただ、やはりと言うか反応速度がいい。撃墜までには至らず半壊と言ったところかな?しかし、これで離脱するだけの時間も貰えたしさっさとズラかろう。
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『よかったのかいアールさん。逃がしてしまって。』
『よいよい。森にはまだまだプレーヤーもいるし、下手に追えば今度は領地からの援護がある。今はここでPTを稼ぎつつ地上部隊が攻め込みやすい場を作ろう。盟主殿からもそう言われているのでアール。』
『でもカンストしてるフレなんだろ?逆襲とかは?』
『うむ。あるだろうな。どの程度の規模で何人のプレーヤーを揃えた領地に飼われたかは知らんが、あの人が楽しんでいるならソコソコ勝機有りか、はたまた本当にヘルプ要員。なんにせよコレがゲームである以上、楽しんでいる者達が1番強いのでアール。』
そう、ゲームだから楽しむ。キルされても生き返って挑戦する。結局楽しまなければどんなに強くとも、どんに上手くともなんの意味もない。そしてあの人は結構楽しんでいる。
『楽しむねぇ。まっ!俺も楽しんでる口だけど?その辺りがアールのフレ基準だっけ?』
『うむ!私は足が悪くて歩けない。義足を使う事もあるが、使い過ぎると今度はおまんまが食べられない。コレでもそう言った不自由な人達が遊べるゲームか否か、リハビリとして有効かのテスターやらをしているからな。普段から義足を使い続ければそれは普通に歩ける人と違いがないのでアール。そんな話をしてあの人、ツキと言うがなんと言ったと思う?』
『そりゃあ・・・。大変だねとか、頑張ってるねとか?』
『違うぞ?ならそのチャリオットさばき見せて?だ。笑えるだろう?射撃も人族を選んであまり上手くもなく、普通のフィールドやダンジョンだとお荷物になりがちな私に対して、野良で組んだのになんの気兼ねもなく、さっさとフィールドに出ようと言って来た。』
私が言った事を嘘だと思ったのか、それとも本当だと思ったのかは分からない。でも、それに対してありきたりに返されたり、何でもかんでも手伝おうかと言われると途端に面白くなくなる。
足はダメだが頭は大丈夫なのだ。なら、無理そうな時は話すし、出来る事は自分でやる。それは助けてもらう側の我儘だと言う人もあるかも知れないし、遅いと苛立つ人もいるかもしれない。しかし、私はその速度でしか生きられず他の人よりも低い視線の中を進むしかない。だから、欲しい言葉は慰めではなく一緒に何かしようだ。
その上で得意な事を見せてくれと言われたら・・・、ついついニヤニヤしてしまうだろう?このゲームには浮遊脚やチャリオット、四つ足なんてものがあるし、それに対しての操縦の巧さとは、どれだけ乗り物に乗ってきたかになる。
今時車さえ自動運転で運転しない人が増えている中、常に電動車椅子なんかを脳波操作している私達には最も活躍出来る事所。まぁ、中身がアバター基準の美女?美少女だとは配信見るまで思いもよらなかったが・・・。
『なんと言うか変わり者?それとも理解者?なんなしてもエンジョイ勢ってのは分かったが・・・、そろそろいいか?』
『あぁ、爆撃してくれて。一旦爆雷の雨を降らせて下も上も黙らせる。』
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「側面突撃!妖精王!プレーヤー抑えられる?」
「少しなら出来るが我は本調子ではないぞ?」
「ゴーレムGo!Go!弾除けになって進め!!取り付いて自爆しろ!!」
『すいません!読みが甘かったです!まさかリファインが森にちょっかいかけてくるとは・・・。もう少し時間を稼げると思ったんですけど、昼ご飯食べる暇もない。』
『ご飯・・・。そろそろ先生の目が怖いけど、今抜けると確実に領地に侵入されるしなぁ・・・。』
追ってこないアールさんはいいとして、急いで領地に帰ってそのまま歩兵ユニットとゴーレム使っての地上戦!最初に来た指揮官達は大砲やらで蹴散らしてご退場願ったらしいが、それで大人しくなるわけでもなく逐次戦力投入と言う形で新手が来ている。
そんな中、現実を見ると昼食を運んで来た三枝先生がまだ飯食わんのか?お前病人ぞ?健康でも飯はちゃんと食えと訴えかけて来る。・・・、すいません。訴えかけて来るどころかあ〜んされそうです。
確かにゲームしながら飯を食う器用な人もいるけど、そんな人がやるゲームは多分こんなに激しくない。一応、やりながら手を動かして食べる事は出来るよ?ただ、操作的にはノイズとして読み取られる事があるから、モンスターを殴ろうとした時に箸を口に運ぶと自分の顔を叩くなんて事も・・・。
『・・・、ゴーレム爆破でどれくらい時間稼げると思います?もう少し引き付けた後に埋めた分を爆破すれば大打撃は与えられると思いますけど。流石にこれ以上、病人に無理させるのは・・・。』
『ならウチが出よか。盟主やからて出たらいかんって事もないし。指揮官自体はウチ、結構上手いんやで?』
『それって結構ユニット使うやつですよね?後から厳しくなりますよ?』
『資源計算して今晩量産すればソコソコ増やせるで。どの道明日には全部使こうて空っぽや。ここで落とされるくらいなら出張らせるし、ローテで昼飯食うんも戦のウチや・・・。』
「ならワシが支えちゃるよ。」
「たっだいまーー!!オラッ!ユニットもっとよこしてPT献上しなさいよ!」




