7話 ご対面 挿絵あり
「焦げ後が集まって?それは・・・、皮膚とかですか?」
「ええ。皮膚に焼け爛れた肉に睾丸や脂肪、人体の約70%は水分ですが、それが沸騰すれば身体は茹で上がります。内臓等の一部も煮えていましたが、今は再生して大丈夫です。もう少し処置が遅ければミディアムからウェルダンに焼き上がりそのまま・・・。」
「い、生きてるだけで丸儲け?」
「ええ。新型バイトナノマシンの面目躍如と言う所です。」
「ほほう!プロジェクト結果がマリちゃんなんですね!・・・、なんか結果が間違ってません?」
敷田さんと呼ばれた人が指摘するけど、確かに間違ってるよ!元の姿で健康なら大団円でありがとうさようなら、次は保険屋と仁義なき戦いを行いつつ法廷バトルに雪崩込んでお金を貰えは済む話だったはず!
「間違いではありません。仮に間違いがあるとするならそれは、マリちゃんの生体データ軽視とわざわざアバターデータを自身のデータとして保管していた所です。ついでに言うなら不運は重なり両膝から下が切断されたせいで、アバターと近寄った身長となっていたのも拍車をかけてますね。今のマリちゃんは大体150cmくらいの身長になっています。」
「そのぉ・・・、何度か整形手術して戻ると言う案は?」
「それも厳しいですよマリちゃん。美容整形手術でホクロ等を切除すると言う事はあります。しかし、耳を切り取ると言うのは美容整形でもなければ通常の外科手術でも許可がおりません。それに尻尾も同様で太い血管も通っているので人の手で手術した場合の負担は大きいですし、何よりバイオナノマシンが再生しに動きます。」
「アポトーシス療法は?」
「プログラムされた細胞死ですか。耳が壊死したらそれは治療ではなく単純に医療ミスです。アポトーシス療法はあくまで不要な細胞、例えばガン細胞の破壊に使われまがマリちゃんは健康なので使えませんし、ナノマシン側が欠損状態として再生に動く可能性が高いですね。また、ナノマシンやデバイス側の書き換えも今は厳しい。人を健康で健全な状態にする事を目的として開発されていて、病気も怪我も患っていないマリちゃんのデバイスに指示を出しても危害を加えるモノとしてスルーされます。」
ぬ、抜け道が潰されていく・・・。時間をかければどうにかなるのか、それとも諦めてこのまま生きていくのか?三枝先生はマリちゃんマリちゃんと呼ぶし、敷田さんは何やらクッション・・・。じゃなかった、尻尾をモフモフと触っている。ははっ!触られた感覚が確かにあるんだぜ!
「・・・、ちょっと鏡見せてもらえませんか?出来れば全身見える奴で。」
「ふむ・・・、落胆はないと思いますが用意しましょう。敷田さん、鏡の手配をお願いします。」
「分かりました。」
敷田さんは出て行ったけど落胆はないか。既に狐娘の時点で落胆してるからそれ以下がないって事か?実際問題これからどうしよう?仕事は・・・、復帰出来ないだろうな・・・。クライアントの元へ狐娘が行けば化かされると言われる。狐なだけに・・・。いやいやゲームじゃないからそもそも子供扱いで門前払いだろう。
保険金が入ったとしてもどれくらい入るかで生活水準も変わってくるし、貯金を切り崩すにしても限界がある。そもそも後何年生きる?30歳の身体なら後60年は確実に生きるし健康寿命もそれくらいまで延びているからどうにかして稼がにゃならん。稼がにゃならんのだけどどうやって稼ぐ?これが在宅ワークならどうにかなるけど、そんなスキルはない。
「落胆しないって気休めですか?」
「?」
「いやいや、なんで小首をかしげるんですか?」
「容姿的な問題なら美少女ですよ?狐耳と尻尾は付いてますが。」
「その付属品がニッチ過ぎる!これがただの美少女なら、まだ成長して美人になってモデル!とか出来たでしょうけど、耳と尻尾で妖怪確定ですよ!?」
「私はよく知りませんがケモナー歓喜なんじゃありませんか?生体データに狐娘アバターを入れるくらいケモナーだとマリちゃんの事は思ってますが、大丈夫です。ロリータコンプレックスは病気ですが、ケモナーは多分病気ではありません。これがズーフィリアなら性的倒錯となりますが・・・、ただの狐に欲情します?」
「しません!私は至ってノーマルです!」
「その発言だと今は男性に対して欲情すると?」
「それもありません!もう嫌・・・、人の子など孕みとうない・・・。」
「鏡持ってきましたよ〜って、マリちゃんはなんでそんなに疲れた顔を?」
「自己の性に対する認識で疲れた様です。さて、マリちゃんは立てますか?身体が動かないと言う事でしたら介助しますが。」
「自己の性に対する認識・・・。マリちゃんはマリちゃんですからね?男女じゃなくてマリちゃんと言う性別にあると考えると楽ですよ!」
「性別マリちゃんってなんですか?」
「マリちゃんと思う故にマリちゃんあり。精神的な不一致が顕著ならその線で治療とかします?」
「出来るんですか!?」
「生やすだけなら。」
「それって狐男の娘ですよね?」
「まぁ、多分それが今の限界じゃないですかね?性同一性障害と診断して男性ホルモンと男性器形成は出来ても子供を作るまでは・・・。もしかして未使用でした?」
「使用済み!」
「寝て起きて既に使用されたと?」
「そっちは未使用です!なんですか全く!なんでそんなに人をおちょくるんですか!コレでも病人で被害者ですよ!退院したらどう働こうかとか、外をまともに出歩けるのかとか、考える事はいっぱいあるんですからね!」
感情が昂ったせいか毛が逆だって尻尾がパンバン!そうか・・・、これって身体の一部だもんなぁ・・・。起き上がろうと腕に力を込めるが、プルプルと子鹿の様に震えた後にカクンと落ちる。口は達者になったけど筋力低下は流石にまだ治らないらしい・・・。
「これは異常ですね。」
「異常?」
「マリちゃんの身体的には低下しているとは言え十分に筋力があります。それこそ常人と差し支えなく生活出来る程度のモノが。しかし、こうして感情を昂らせて勢いで立たせてみようとしましたが、それも上手く行きませんね。」
「三枝主任、私が思うに身体の扱いにまだ慣れていないんじゃありませんか?元の姿から体格もバランスも変わってしまって脳が追い付いていない可能性があります。」
「やはり数時間のゲームリハビリテーションでは駄目ですか。これからもゲームは続けてもらうとして、これが今のマリちゃんです。」
眼の前にコロの付いた姿見が置かれるけど、確かにそこにはツキがいた。幼気な顔つきながらも整っていて青い瞳は印象的だが、ところなさげに動きつつもこちらを見返している。ごんぎつねのごんにあやかって髪やらは金髪でパッと見は日本人らしくないが、輪郭的には東洋人風になっている。それよりも重い布団だと思ってた物は全部尻尾かよ・・・。確かにモコモコした尻尾は毛量があるから重い。なら、布団は下半身だけ?
「美少女でしょう?」
「美少女ですけど元の顔と代わりすぎて・・・。」
「あぁ、それならすぐに慣れますよ。」
「そんなに簡単に慣れないですよ!少なくとも30年は共にした顔です!」
「マリちゃん聞いてね。女性は別として、ナルシストでもない男性が自分の顔を見る時間なんて日に1時間もないんですよ。それこそ朝昼晩の歯磨きの時とか髭を剃る時くらいなんです。マリちゃんが最後に意識して自分の顔をじっくりと見たのはいつですか?」
敷田さんにそう言われて言葉に詰まる。確かに自分の顔を鏡でじっくり見たのはいつだ?吹き出物なんかも出来た記憶はないし、髭も濃い方じゃないからちょっと剃ればすむ。美容液とかを塗らないわけじゃないけど、それは鏡を見ずに手に出してさっさと顔に塗りたくるだけですませてたし・・・、本当にいつだ?
「それに引き換えアバターってよく見るんですよね。AR表示させて一緒に歩いたりインターフェース機能を使ってなにか作業をさせてる風に見せたりとか。一説には鏡を見るよりもアバターを見る時間の方が現代人は長いと言われてます。なんでだか分かりますか?」
「いえ・・・。」
「理想的な個人美ですよマリちゃん。アバターと言う物は人形やブラモデルと変わりません。それ即ち僕の!私の!考える最高の分身体です。アバターを作成する時にアフロヘアーやモヒカンヘアー、タトゥーやダメージ表現が何故あると思います?答えはそれをカッコイイと思う人がいるからです。現実世界では真面目な私でも、アバターではパンクでロックなイカレタ奴になりきって楽しめる。初期アバターをそのまま使うと言う拘りを持つ人もいますが、それはそれをすんなりと受け入れてカッコイイと思える人です。」
三枝先生が力説しているけど、確かにどのゲームでもノーマルアバターはバランスもよくて見た目がいい。だがそれで物足りなかったら身長やら体型やらを弄るし、鼻をもう少し高くとかカラーリング変えてみようとかチマチマやりだす。考えてみれば他のゲームでもキャラメイクした奴は大体ツキににているな。まぁ、プレースタイルの問題で高身長だったりもするが・・・。
「確かに見慣れた顔と言えば見慣れた顔・・・、なのかなぁ?って、そうじゃ、そうじゃ、そうじゃない!百歩譲って美少女なのはいいとしてこれからの生活ですよ!リハビリテーションで動ける様になった後はどうするんです!?流石にこれじゃ会社にも・・・。」
「その話ならマリちゃんは出向と言う形でここに勤務する事になっていますよ。」
「・・・、は?」
「被検体同意契約書、これの一文に検体として『治療した際に医学的不備が発生した場合は、主治医と相談して原因究明にあたる』とあります。今回はコレを適応して我々の元へ出向する運びとなりました。」
「今思いっきり医学的不備って言いましたよね?」
「ええ。勘違いしているかもしれませんが、姿についてはマリちゃんの生体データを使用したのでなんの問題もありません。医学的不備とはバイオナノマシンの方です。正常に稼働していますが、先程の棒が吸収された様に不可解な点もあります。」
「さっきの棒?あれって大麻ですよね?巫女とかが神事で振るう。」
「多分そうですがやけに断定的ですね。神事で使う大麻はもっと短い物ですが、あの大麻の様な物に心当たりがあるんですか?」
「心当たりと言うか・・・、ツキの装備品ですよ。割とお気に入りで似た様な物を振り回したました。それよりもあの大麻は本当に何処へ?」
「それも含めて分からない事が多いから医学的不備としています。私が言うのもなんですがかなりお得ですよ?寝て起きてちょっと検査してゲームしてればお給料が貰える生活ですから。更に言えば被検体としてデータ提供に応じて貰えれば都度こちらからも少なくない額の報酬をお渡します。」
「三枝主任、私も今から被検体になれませんか?」
「敷田さんの皮を剥いで2つあるものを全て1つにしてからでいいならいいですよ?さもなくばマリちゃんクラスの大事故にあったなら被検体として採用しましょう。」
「人皮装丁本に使われそうなんので辞めときます。私は真面目なお医者さんですからね!」
「断った場合は?」
「入院費とリハビリテーション費を貰い退院となります。何度も言いますがマリちゃんは健康なので、退院手続きをして退院して貰えば私達との関係は消えます。」
ゼ、ゼロかプラス・・・。寧ろ退院したらずっとマイナス?まともに動ける様になったとして、この姿で何が出来る?稲荷神社で巫女?映画なんかでニッチな妖怪役?それとも、コスプレ配信者としてスパチャどうもとか?それよりもモルモットと言うかモル狐?なんにせよ考える時間も必要だし生きていく上でお金は大事!地獄の沙汰もねぇ、金次第って言うんですよ!
1日の終わりに飲むキンキンのヤツを買うにも、美味しいおまんま食べるにもそれがないと始まらない。それに口は動くけど身体はね、まだ上手く動かないと言うか、さっき起き上がろうとしただけで腕はプルプルするし膝を・・・、膝あるよね?健康なら棒みたいな足じゃないも思うけど・・・。
「被検体として健やかに生活させて頂きます三枝先生。」
「そう言っていただけると思っていましたマリちゃん。と、そうは言っても今から何かする訳でもないのでゲームでも楽しんでいて下さい。あぁ、出来れは一人称視点でお願いしますね。」
「分かりました・・・。」
鏡を持って2人は出て行き、多分よくて黄金饅頭か悲惨ならバナナ被った何かに見えるだろう俺は現実逃避の為にゲームを始める。しかし、一人称視点か・・・。酔うしせっかく作ったアバターも見えないしで正直苦手なのよね・・・。
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「そうは言ってもリハビリだから仕方ないか。」
俯瞰視点は360°カメラだから好きな高さやらを調整出来るけど、一人称視点だと窓ガラスやら鏡がないと手やら尻尾しか見えない。それに、最低身長で作ったから高身長アバターに対しては見上げる形になる。と、まぁ愚痴っても生身でもその生活が待っているので諦めるか・・・。
「おっ!ツキさんやん。おっひさ〜。」
「秋ドンさんお久しぶりです、復帰ですか?」
供物族の秋ドンさんが声をかけてきた。供物族とは設定的に言えば神に捧げた種族らしい。ただ捧げた末に頭と言うか顔がが箱型で単眼なのはどうなのだろう?身体的にも機械っぽいパーツが多く、キャラメイクするとザクっぽい何かや、ロボットアニメとコラボした時期に課金するとその作品のロボットにもキャラメイク出来る。
秋ドンさんはロボットモノが好きと言うよりも単眼が好きなのだろう。モノアイ的な眼ではなく大きな人の瞳がブラウン管テレビの様な顔の中で動いている。割とこの人は長期で姿を消して引退したかと思ったら、ひょっこり帰ってきて変な時間帯にINしている事が多いし、やり込んでると思っていたらいつの間にかいなくなったりする。
「復帰っちゅーか繁忙期終わりのバカンス的な?リアルはあんま言わへんけど、おいちゃんでっかい船に乗ってんねん。こっから2〜3カ月はお呼びかからん限り遊びまくるでぇって、ツキさんどっちかと言えば常人サイクルやなかった?」
「見た目通り稲荷巫女なので私の仕事は正月だけですねぇ。出会ったからには心ばかりのお布施を要望しますけど?」
フレンドの秋ドンさんが復帰と言うか帰ってきた様だ。本当に船乗りなのかそれとも、そういう設定なのか?リアルで会う事もないので本当だろうと嘘だろうと、この場では話した事が真実になる。辻褄が合わない?それは自分を自分でロールプレイしてないからさ。
「お布施かぁ・・・、ほなポーションや。」
「お布施を受け取ったので、ポーションとお返しに大麻を振っておきましょう。悪霊退散、悪霊退散、陰陽師っと。」
「レッツゴー!陰陽師的なネタやないかーい!と、おらへんかった間になんか環境変わった?」
「秋ドンさんがいなかった辺りからだと・・・、終了イベはいいとして領地にテコ入れがあったとか?」
「領地かぁ〜、だからインベントリに薬草と木材やらが腐る程入っとるんか。テコ入れて、高速栽培とかか?」
このゲームでは全員小さな領地と言う生産所件防衛拠点を持っている。ゲームマネーを注ぎ込めば城も建てられるし、ディテールにこだわる建築士はそれこそ荘厳な礼拝堂とか建てるけど、そうじゃない一般人は大体畑と練兵場になっている。
ポーションやらの調合するのに薬草やらは必要だし、果物や野菜を植えて収穫出来れば街で売り払って貢献度も稼げる。NPCを雇うと勝手に収穫もしてくれるし気長な金策としては有用かな?
鍛冶場を設けてこの領地で鍛冶をする人もいるけど、ぶっちゃけ鍛冶って趣味の領域なのよね。素材を使って強化も出来るけど、それは普通のプレーヤーでも出来るしネットを漁れば組み合わせやらレシピもゴロゴロ落ちている。それで鍛冶場を設ける理由は武器にどっかから引っ張ってきた3Dデータを被せるため。
能力も何も変わらない。けど外見だけはそのデータを被せてお気に入りの武器が作れると言う寸法なんだけど、リーチやらは元の武器データ分しかないから使わないと本人もリーチを忘れたり、武器名まで弄りだすと元が何だったか調べる為に武器データを漁る事に・・・。一応、武器合成も出来るんだけどねぇ。
「そそ。テコ入れ終了から次に領地開くまでの間、通常倍の速度で栽培してた物が育つ。その後高速栽培したかったら肥料を買って畑に撒く。肥料は課金か合成で作れるけど、合成だと課金には効果時間で負けるね。」
「でも銭失うよりは合成やろな。・・・、変な植物追加されたん?」
「植物もだけど木材と鉄が大量に必要になった。領地防衛戦で到頭バリスタとレーザー砲と大砲が実装されましてね。」
「マシか!おいちゃんが知っとる最後は特攻ゴーレムやで?プレースキルでどうにかなるもんなん?そもそも最初は農民一揆ワッショイやったやん・・・。」
「上手く指示出し出来れば勝てるかなぁ・・・。不遇だった空戦ユニットは日の目を浴びた感はありますよ。」
「あっ!それならウチにぎょうさんある。てか、バリスタとかって空戦苦手なん?」
「性能的には近寄って来た敵をズドンだから、離れると火力は落ちるし対空だと射程は地上の半分くらいかな?その代わり攻城しようとすると痛いダメージ貰う。」
イベントは申し込み制なのでそのイベントが肌に合わない人はスルーする。そんな中で毎月やってるのが領地防衛戦。指揮官になって領地をプレイヤーから守るのがメインなのだが、指揮官も当然指揮官ユニットとして参戦出来る。
指揮官1人で相手の領地を平らに出来るほど簡単な話はないし、参加者の領地や名前も斥候出したり攻め込むまで不明で隣の領地で近いからと攻め込んだら廃課金プレイヤーの領地だったりと中々一筋縄ではいかない。
「ほほぅ・・・、放置したおいちゃん大勝利やな!次のイベ向けて領地改革や!お狐様知恵袋ありがたやありがたや。ありがたついでに新しい植物分けてくれへん?探すのめんどいんよ。」
「いいよ。何種類かあるしおまとめパックで鉄100個でどう?」
「相場分からへんけど・・・、ええよ。変な所でぼられるよりツキさんにぼられた方がマシや。それに情報ももろたしな。」
「相場的には大体トントンですよ。果実も弾やら燃料やら貢献度上げに必要ですからね。全部育てるのがいいけど、空戦ユニット多いならトウモロコシよりも新しく出た浮きキュウリがいいですね。精製して空戦ユニットの燃料にしたら補正入りますし。」
「ほな今からキュウリ栽培しよか。ほい鉄100個。」
「どうも、追加された植物と浮きキュウリの種多めに入れときますね。私も全種集め終えてないから抜けはあるけど、集まってないのは結構ムズいクエストドロップらしいです。」
「ムズい・・・、ソロきついやつ?」
「どうでしょう?ゲーム的にソロでもパーティーでもって難易度のゲームですからね、これ。」
「まぁええわ。そないムズいクエストドロップポンポン使う気にもならへんし。さて、おいちゃんはこれから農家になってくるで〜、ほなな〜。」
そう言って秋ドンさんは目の前から消えてしまった。これから領地に籠もって防衛戦の準備でもするのだろう。俺も準備したいけどそれよりも先にリハビリしないとな。
「リハビリと言えば身体動かす系のフィールドだよな・・・、霊峰ココットルか。」




