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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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57話 そろそろ始まる防衛戦

「おはようございます。」


「木本オっスオっス。」


「もう昼過ぎだ柊〜。その挨拶は疾うの昔にに終わった挨拶で今ならこんにちはだ。で、元彼さんはどうよ?見舞いを口実に別れて生霊になって取り憑く前により戻せよ〜。」


「そんな事しませんよ。至って普通の純愛を貫く所存です。」


「お前の純愛ってあれだろ?ベットの下見たらいる系だろ?誰かとくっつくくらいなら私のものにー!って。」


「好きな人の暮らしを見守るのは当然でしょう?それに表もYES裏もYESの枕をベットに置い布団の中で待っておきます。」


「古風だけど拒否権がねぇ〜よ。と、言うか座敷を何で連れて来た?あんまりにも別れて荒んでたから貸してやったのによ。元彼が快気するまで預かってていいぞ?その後は少しずつつ俺んとこにいる時間を増やしてけばいいし。」


「いえ、よりを戻した元彼は彼女になって快気しました。」


「・・・???。柊、も少し人の言葉で話せ。お前が冗談言う質じゃないのは知ってっけどよ、内容がぶっ飛んでる事があんだよ。」


「しかし木本さんは報告は簡潔明瞭で私見を含まずと言いましたので。」


 柊 華澄と言う部下は一言で言えばクソ真面目だ。巨乳でキツめだが美人と言って差し支えない容姿に芯の通った強さがある。判断力も悪くなければ行動力もある。ただ、こうと思ったら猪突猛進に走る。なまじ優秀だからこそ、その猪突猛進さに振り回される奴もいる。


 そんな奴に彼氏が出来たと聞いた時にビビった。多分その人は菩薩の様に心の広い奴か、ちゃらんぽらんで何も考えてない奴か、さもなくば猛獣を使役するテイマーだろう。何にせよ、この職場ではそんな多少思い込みが強い奴の方が育てやすい。


「お前はアレか?より戻して嬉しさのあまり到頭彼氏が可愛い彼女に見える頭ハッピーセットにでもなったのか?ぶっ飛んだ内容ならぶっ飛んだ内容なりに詳細を話せ、詳細を。あぁ、でも仕事に関係ないなら言わんでいいぞ?他人のノロケなんて聞いてもイラッとするくらいだからな。」


「木本〜、こいつの(つがい)?は化け物だぞ?お菓子くれるから悪い奴じゃないけど、どちらかと言えば奉りも畏み畏みってやった方がいいレベルだぞ〜。」


「・・・、はぁ?なんだそりゃ?座敷、そんなヤバい奴は簡単には出て来ないだろ?それこそ最近の停電騒ぎ起こした奴も行方をくらまして、噂では帰ったんじゃないかって話してんだしよ。」


「それは違うぞ木本。帰ろうがいようが境界をぶっ壊したのは人間で、ぶっ壊したからには曖昧な部分が出てくる。近くて遠い、触れているのに空を切る、彼岸と此岸は何時も共にある。」


「だから俺達みたいのがいんだよ。なんの因果かそう言った者に強く出られる俺達がな。で、話を戻すけど本当に何があった?」


「端的に言うと・・・。」


「端的じゃなくて詳細に話せよ。」


「なら詳細に話すと元彼だった真利のアバターが乗っ取られたと思い行動を開始、以後本人による本人宣言により対面での弁明を聞くにあたり本人と断定。その時の姿が10尾の狐であった事から座敷童子を秘密裏に連れて行って、座敷童子本人より姿だけではなく能力も備わってると判明した所です。担当医とも接触を成功し話は聞けましたが、詳細部分は不明点が多く本日の午前中に座敷童子を連れて再接触して今に至ります。」


「あー・・・、お前の好みと言うか恋愛対象って男だよな?」


「好きになった人が好みなので性別は特に関係ありませんが?」


「そうだよな・・・、お前ってそう言う奴だったよなぁ・・・。で、写真とか更に詳細な報告書とかは?」


「簡単なモノなら。それと、コレをどう思いますか?」


「なんだこの礫は?」


「真利がよこした桃に入ってました。」


「あ〜、それも預かっとく。」


 簡単なモノと言いそこそこな文章量があるな。コレで簡単と言うのは何とも言えないが、配信動画とかゲームなんて言う不穏な言葉が飛び交う。よしてくれよ・・・、脳波操作できるゲームの世界は妖怪側と人間側の陣取り合戦中で込み入ってるし、病院を相手にするのも骨が折れる。


 警察・・・、特に宮内庁に属する者と病院側とはあまり仲もよろしくない。とりあえずこの報告書と配信とか言うのを確認しつつ座敷の奴にも詳しく話を聞くか・・・。




________________________

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



「まいど〜、ツキさん調整すんだ?」


「ボチボチですね。半分はメインコア使った方にタスク割いてましたよ。」


「はじめまして、ワシはフロムと言う。こっちにいるのは篝火って言う奴とサクラって言う奴で、今回の領地防衛戦では世話になる。」


「篝火です。初めての参加になりますけどよろしくお願いします。」


「お兄ちゃんの妹のサクラです。勝手に着いてきましたけどよろしく。」


「お兄ちゃん?ロールかガチかはさておき、よろしゅう〜にぃ〜。盟主はウチやけど大丈夫かいな?」


「毎回参加だけ大勢だから構わんぞ。ヘソクリ野菜は貰うが、ほとんどはそっちに運用を任せる。ただ、やるからには戦闘メインで頼みたい。」


「かまへんで。チーム割的にはフロムさんが篝火さんとサクラさん連れてメイン戦力張って、ツキさんが斥候と遊撃って形で組み立ててええ?なんか言いたい事あるならはよ言ってな?」


「ワシは構わんが2人は?」


「ガンガンやる方が性に合ってるからいいわよ。」


「僕もそれで構いません。ただ、本当に初めてだからどこまででもやれるか・・・。落ちる時とかは必ず連絡入れますね。」


「おおきにな。それがあればいくらでも作戦積み立てられる。で、ツキさん挙手した後のソレなんなん?どう見てもボスモンスターやろ?」


「フッフッフ・・・、よくぞ聞いてくれました。秋ドンさんとガンマ弐式ぶっ殺して手に入れたメインコア!それに核と血肉と羽根を入れて現れたのが堕ちた妖精王です!」


 名前変更システムのあるものの、いい名前が思いつかないので変更せずにそのままにしている。プルプル ゼンゼンマン、シュヴァルツェス・シュヴァイン、ナースシュライム、ヴィンゲルメッサーどれがいい?と聞いたら怒られた。確かにお遊びはあったけど深紅の死神とかカッコよくない?ソレ以外は黒豚、鼻水、分度器だけどさ。でも直訳でエルケーニヒだと安直すぎるしなぁ〜・・・。


「このバカ者となぜ我は契約しているのだろうか・・・?」


「ちょっと、人の脳波読まないでくれる?本当にゼンゼンマンとかに改名するよ?」


「なぜ妖精王から死神にならねばならぬ!」


「え〜、でも妖精郷って死後の国でしょ?アーサー王も旅立ったし。いや、死んでないらしいから病院とか?」


「お笑いやっとるけど高度過ぎて伝わっとらんで〜。で、王さんはなにか出来はるん?」


「指揮官として防衛戦に参加出来る。ただし、指揮系統的には契約者に優先権がある。」


「ほーん、て事はツキさんの直轄で部下かいな。」


「そんな感じですね。多分ソロで領地防衛戦に参加する人増えたからソレのテコ入れだと思いますよ?」


 人気である以上、テコ入れも大事で同じ事の繰り返しでは飽きられる。切り売りゲームと違いオンラインゲームの最大の利点はアップデートが可能な事で、陰りがあれば対策が取れる事なのよね。流石に参加後放置者が増え過ぎたのかなぁ・・・。

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ツキさんはネーミングセンスがアレな人でしたか!
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