190話 最前線に向かうぜ! 挿絵あり
流れるように、舞うように、止まらぬように、息をするように・・・。怪しく光る目玉を斬りつつ、這うように動く本体斬りつける。相変わらず硬い・・・。
手数は減らせても倒しきるにはデバフなしだと時間がかかるなぁ・・・。チラリとフロムさんの方を見ればまとめ倒すように目玉を集めてるし、こっちも魔法でまとめてからやるか。その方が駆け付けてくれるプレーヤーにも見えやすいだろうし。
「エリアルサイクロン!朱雀舞!双子の雷神!雷獣招来!突っ込め!!!」
「プッシュバック、崩牙脚、サマーソルトキックからのスライディング!ほりゃ、浮いたところに天地轟雷!!」
>> アレって奥義?
>> まだ足りない。
格ゲーだとコンボで攻撃力下がるけど
トラブルオンラインは逆で最後倍率がドン!と上がる
「なんか知らないけど奥義ねだってる〜?」
>> 見たいような見たくないような・・・
「やめとけやめとけ。手の内明かせばそれだけ狙われるぞ、ツキさんや。っ!邪魔な目玉じゃの!」
「確かに。大魔法にしろ奥義にしろ見られると後々自分の首を締めるしなぁ。緊急回避!あ〜っ、もう!私の尻尾が・・・。」
>> しかし、よく耐えるなぁ
>> 残滓のキル数は少ないけど
持久戦なのか攻撃してくる目は潰してるな
大魔法は詠唱+舞だから相手も潰しにくる。発動=範囲にしろ性能にしろ逃げづらいし文字通り死を覚悟する。なら、奥義はと言えば当て続けると言う話が入る分、コチラもやはり成立させづらい。なにせ緊急回避なんて言う無敵回避がゲームとして全員に標準装備されているから。
それでも通せれば相手をほぼ倒せると言うメリットがある。だからこそ、なにを起点にしてアーツループしているかを見られると、この繋ぎで確実に緊急回避を挟んで成立を妨害したり、文字通り距離を取って仕切り直すなんてことが有効になる。
と、言いつつもモンスター相手なら、奥義はまだ発動させやすいかな?どのアーツを最大火力でぶち込むかを考えていけばいいし。ブライトの方もNPCはどうにか守ってくれてるけど、3人でとも結構ダメージはもらっている。残念な事に乱戦で尻尾が全部残り続けるなんて話はない。
「やれ!守衛!」
「スピリット術式・・・、そこ!狙い撃つ!」
「フロムさん近くのやつ!」
「分かっとる!装備変更、コロッサスの神拳!ハードナックル!バスターナックル!七転八倒!」
>> ヒエッ!殴り飛ばしたモンスターを
掴んで左右の地面に叩き付けてる・・・
>> 掴みアーツは派手だなぁ〜
「おぉ・・・、赤黒さも相まって文字通り肉塊に見える・・・。」
「そこも!スピリット術式、ファイア!」
「ならこっちは貰った!影走り、打刀:影打ち、刀術:抜刀2段!更に紫電一閃!に重小連!ほら!雷獣突っこめ!そして、イフリートハンマー!」
「援護に来たぞ〜、そいつもらっても?」
「こっちも来た!って、多いな。」
「ダメ!ハイエナよくない!って、もう帰った来たの?」
「おう。送ったと思ったらとんぼ返りだ。数人NPCもプレーヤーも連れてきた、このあたり殲滅して地固めするぞ!クリスタル・ビット射出!精密射撃!目玉潰れろ!」
耐えた甲斐があった!かぐやからも増援は来たし、前線からも帰りがけの駄賃と言う風にプレーヤーが来て討伐を手伝ってくれる。確かに側面から来たとは言え多い。
多分、地面からポップしてると言うよりも、宇宙から飛来してるんだろうな・・・。最初の感じでも星に降りる邪神の残滓をかぐやから砲撃して撃ち落としてる風だったし。って、ことは・・・。
「もしかして、かぐやの近くに湧いたりもします?」
「する。他の配信者がバフしてるところも見たが、確率は低くとも防衛拠点近くに墜落エフェクトがあれば、そこから残滓が湧いてくる。」
「なるほど、いつものクソ仕様ですね、分かります。」
「悪い文明は悪いことしか思いつかねぇからなぁ・・・。休むなら休んでくれ。」
一旦フロムさんと引いてブライトとNPCと合流。さっきの話を共有しつつ、ともに戦ったNPCを見れば結構息が荒い。スピリット術式って、なに依存なんだろう?体力という感じてはなかったように思うけど・・・。
「とりあえず、休むかの。ワシたちと言うよりはNPCがじゃが。」
「大丈夫?なんで疲れてるか知らないけど。」
「はぁ・・・、はぁ・・・。スピリット術式は体力も魔力も精神力も削る・・・。大丈夫だ、少し休めばまた戦える。そのために俺たちは鍛えてきた・・・。」
「無理はするな守衛者。いくら鍛えようとも、限界はある。」
「ブライトはスピリット術式知ってるの?」
「古代戦争時・・・。かつて邪神が最初に現れた時に編み出された術式だ。それこそ、各種族が研究し編み出した、な。」
答えが帰ってくるとは思わなかったが、どうやらこれは話していい部類の情報らしい。まぁ、その情報がどう役立つかは分からないし、今必要かと問われれば微妙。ただ、含みがある感じではある。
「なんにしてもワシはもうちょい狩ってくるが、ツキさんは?」
「私は・・・、一旦最前線見てくる。辿り着く前に足止め食らって最前線が見えてないしね。ブライトは・・・、ここでフロムさんと踏ん張ってて。」
「む?我はついていくが?」
「ついてくるったって、ついてこれる?盾サーフィンで飛ばしていくけど。」
「それなら我は羽で飛ぶ。」
「まぁ、ついてこれるならいいけど。」
インベントリからタワーシールドを取り出して、そのままぶん投げて盾の上へ。確かに早い。早いけど繰り返すのは面倒だなぁ・・・。スノボーのエアみたいに盾持って曲げたりはできる。一応残滓と出くわした時に、そのまま突撃するつもりだったけど、俺もチャリオット使おうかな〜。
「─────ついて来れるか─────。」
「─────ついて来れるか、じゃない。ツキの方こそ、ついて来るがいい──────!」
「あっ!もっと加速できる感じ?盾サーフィン飽きたし、私はチャリオットで行くよ〜。緊急換装!」
昔、初めてかぐやに来た時に貰ったバイク。まぁ、開通記念キャンペーンでその時なら誰でも貰えるもので、二人乗りできる代わりにバイク自体に武装はない。強いて言えば体当たりとか?その代わり、コケないと言うのが最大の利点かなぁ。あと、速い。物凄く単純に軽い分速い!!
「まて!それなら我も乗せろ!」
「あいよ!後ろ頼んだ!飛ばすぜ─────!!!」
向かう先はかなり弾けてるなぁ!加速して進む先に大魔法使った後やら、召喚獣、更には怒声に罵声に悲鳴と最前線は地獄だぜ!!
クインズ>> なにかでてきたぞ!
かぐや最前線、気をつけろ!




