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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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95話 勝手に修行しててね!

「そろそろ出発しようか。昔話はそれなりに楽しめたでしょう?その前にこの先の難所はコムズも知ってるよね?」


「大地の裂け目だろ?知ってっけど、毎度なんであそこが吊り橋なのか文句も言いたくなるぜ・・・。風は強いしモンスターは空から襲ってくるしよぉ。」


「古代戦争でそうなったからしゃあない。」


「遥かなる過去の話だな。アレは我達も相当に肝を冷やした。」


「おっ!妖精王はなにか知ってるの?」


「我は悠久の時を生きる者ぞ。知らぬわけがない、ソラにある都市の怒りで地が裂けた。」


 砂塵舞う中砂漠を馬と馬車で走りつつ言葉を交わす。幼体がそこまでイライラしていないのが救いと言えば救いかなぁ。古代戦争はよく出てくる単語だけど、実はメインシナリオ以前の話らしい。そもそも武器系統で剣、槍、ナックル、銃、杖やらビットやら御札と技術レベルがバグってるし、宇宙っぽいマップに街もあるからそんなもんなんだろう。


 だから砂漠の盗賊団が魔法使ってこようがビームライフル使ってこようがありと言われればありで、ドロップした武器なんかをプレーヤーは売り捌くからNPCが持っててもおかしくはない。そもそもガメデで色々発掘出来るしねぇ。


 その後も盗賊に襲われピラーニャが群がり、サソリを潰しつつ遠くで暴れるクジラと言う光景を見ながら砂漠を進むが雨雲が見え始めたから日華行き最後の難所の近くへまで来れた。相変わらずここは何時も雨である。と、言うか嵐?


 大地の裂け目と呼ばれる谷は深く、底は見えないが川が流れているらしい。過去には何人ものプレーヤーが谷底には新たなマップがあるかもと飛び降りて死んでいったが、結局は底に付く前に死亡判定が出されて未だに底があるのかも行けるのかも分からない。


 一説には源流からの河下りなら行けるかもと話されていたが、その源流がとこかも不明なのよねぇ。ジャイロ?新マップだからと当時は相当なプレーヤーが探し回ったし、その名残で神秘洞窟へのフリーフォール侵入なんてのも見つかったな。


「ビリビリするぞ!あ〜、ビクンビクンしてイライラする!早く進め!」


「行くのはいいけど、ある程度見極めないと落雷に打たれるからちょっと待って・・・。」


「!!!!」


「・・・っ!」


 言い終わる前に吊り橋に落雷が!吊り橋の幅としては馬車が離合出来る分の広さはある。あるけど落雷が2〜3発板に落ちると二車線道路の様な道の落雷があった方の板が落ちる。つまり、落雷を避けつつ飛行モンスターやらゴースト系モンスターやらを倒すか避けながら進むしかない。当然落っこちれば死亡するし、プレーヤーのリスポーンは橋の手前だけどNPCは死亡判定になる。


 一応、雷が落ちる場所には電気が収束する様なエフェクトは出るものの、ここもまた悠長に立ち止まっていていいわけじゃない。


「今のは眼の前か?ビリビリするぜ・・・。」


「コムズがハゲなのが悔やまれる。」


「ハゲだとダメなのか?」


「駄目ハゲか?」


「俺はハゲてねぇ!スキンヘッドだ!なんだよ姐さん、そんなに髪の毛がいいのかよ。それだけ尻尾があって毛があるんだから他人の毛なんていいだろ?」


「違う違う。電気だよ電気、落雷の前には落ちる所に帯電するの。だから髪の毛とか毛が逆立ち出すと近いとか遠いとかがある程度分かるのって、尻尾がバチバチひてる・・・。毛並みとか大丈夫かな?」


 俯瞰視点で何時もプレーしてたからツキを見てればよかったけど、今は一人称視点でやってるから誰かの頭やら毛の生えたアクセサリーなんかを見た方がエフェクトよりも余裕を持って回避出来る。実際俺が尻尾触ったら逆だってバチバチしてたし。それはNPCにも適応されるんだけど、収束する方は見えないっぽいんだよなぁ・・・。


 そんな吊り橋を力ずくで突破するとなると、落雷を盾でジャストガードするとか?でも、それは1人ならやっていい芸当で他にプレーヤーやらがいると・・・。


「ん?なにか先で火の手が上がっているぞ?」


「落雷をジャストガードしたんじゃない?ダメージ反射で雷が散って辺りに火の粉や電気が飛び散るの。ダメージは低いけど今はアレもご法度かなぁ。下手するとスタンスするし。」


「それでも稀人はやるんだろう?」


「そりゃあここでジャストガードの練習するのはある意味通過儀礼的なもんだからね。分かりやすくどこに落ちるか示された落雷に、成功すれば雷が散ったと分かる状況変化。さらに、モンスター妨害やら攻撃って言う追加要素。盾使う人はここで修行して本格的に慣れていく人が多い。」


「なら契約者も?」


「出来ない事はないけど、かなりジャストガード自体が難しいからナインテール装備にしてんのよ。どっちかと言えばジャストガードは周回したりモンスター観察したり、そうじゃなきゃ純粋に防御力上げる手段かなぁ〜。」


 そうは言いつつもジャストガードだけでボスを封殺するプレーヤーがいるのも事実なのよねぇ・・・。『当たらなければどうと言うことはない』じゃなくて『当たったからお前が死んだ』と言う理不尽な事が起こる。だから盾持ちはタンク兼ダメージテーラーだし、さらに極まると反応地雷化する。


 挑発、攻撃、ジャストガード、このコンボだけで相当にいやらしい。いやらしいけど、それが出来るだけの技量があるから尊敬もされるし、殴り魔同様目指す人もいる。


「つってもここを越えれば日華は眼の前だぜ?流石に迂回はなしだ。」


「わかってるよ、最悪あのプレーヤーには悪いけど落っこちてもらうか、道を譲ってもらう様に話そう。コムズは進めと止まれの指示に従ってね。さもなくば大爆発でみんな死ぬ。なにせ幼体だけでも危ないのに爆薬草も積んでるか綺麗な花火どころじゃ済まない。」


「お、おう!ビビって勝手に進んだりしねぇぜ!」


「うん。妖精王は砂上の盾とか使えない?使えると安全マージンには出来るけど。」


「使えんな。今は覚えれば使えるかも知れないが、覚える暇などなかった。それに契約者の資産を勝手に漁るわけにも行くまい。」


「ふ〜ん・・・。」


「なんだ?」


「いや?それよりも準備して・・・、進め!」


 妖精王の言い分を考えると秘伝書が使える?確かに本としてくれるから読めば覚えられる的な?そもそもメインコアの情報は殆どないんだけど、ロボとして見るなら装備品やら装備させられる。なら秘伝書もそう美品扱いでスロットル制とか?なんにしてもここを切り抜けないと話も出来ないか。


 とりあえずコムズは指示に従ってくれている。先に指示しとかないとビビったNPCは急に馬車を走せて生き残ろうとするんだよね。まぁ、その後すぐに落雷にぶち当たるまでがお約束。たちの悪い運営は吊り橋の最後、岸が見える所まではどうにか生かしておいて、プレーヤーもNPCももしかしたら・・・。


 と、思った所にズドンと雷を降らせたりする。地味に後味が悪いシナリオが多いと言われる運営はやはり悪意に満ちている。まぁ、ガチャで大当たり引く確率で突破する時もあるらしいけどね。


「止まって!・・・、進む!横の車線に出て・・・、ちっ!尻尾がパンパンで中々電気が抜けなくなって来た。」


 嵐の中なのにパンパンに膨らんだ尻尾は水気を振り払う様に毛が逆だって来てるし、レイズやらゾンビバードが空をウロウロしている。体が雷で出来た鳥モンスターは来ていい、実は雷を食べに来てるから手を出さなければなにもしない。


 代わりにレイスやらゾンビバードはここの落雷で死んだ者の残り香なので、進もうとするプレーヤーやNPCに容赦なく襲いかかる。


「おっかねぇ・・・、死者が集まって来やがった・・・。あんなかに知り合いも・・・。」


「運び屋ならそう言うこともあるのか?」


「あるさ高貴なお方。物流が止まれば商店は干やがる。だから稀人に護衛してもらって少しでも安全に荷を運ぶ。でも、稀人も良し悪しで若い稀人は結構ミスする。姐さんの歳は?」


「250だ。」


「最上位のババ様だな。」


「人の年齢でババ様言うな、止まれ。」


 プレーヤーレベル=年齢。NPCにレベルは分からないからそうなる。まぁ、NPCの場合死んたら子供がいきなり大人になるし、プレーヤーのレベルを生きた年数=経験値として処理してるのだろう。コムズが言う様に低レベルのプレーヤーだとギミック理解出来なくて全滅とかもあるし。


 そんな道中は大麻じゃなくて両手持ちグレネードで対処!片手銃は命中率が悪くてダメだけど、両手持ち銃なら物理攻撃値を参照してくれるから片手銃ほどはずれない。


 ゾンビバードに向けてグレネードをバコン・・・、バコン・・・、と撃って爆発させて牽制するけど、直撃しても割と元気なんだよなぁ・・・。ビームグレネードの方が火力はあるけどチャージしないと爆発はしないし、そのチャージ時間も多少手間になる。


「妖精王、レイスは任せるからお願い〜。私はあそこの盾持ちに話を付けてくる。コムズ、妖精王の髪の毛からは目を離さないで。逆だったらすぐに進んで!」


「心得た。」


「おう!俺も丸焼けにはなりたくねぇ!」


 2人を残して橋の真ん中で両手に盾を持って辺りを見回すプレーヤーに話を付けにいく・・・、あっぶな!ジャストガードして火の粉やらが振り撒かれたから緊急回避!


「すいませ〜ん。クエストで馬車通すんでちょっと練習辞めてもらっていいですか〜?」


「ん?クエスト通行か・・・、向こう岸まで行くんだよな?」


「ええ。ちょっと危ない積み荷なんで落雷をジャストガードされると危ないんですよ。」


「なら、手伝ってやろうか?」


「手伝う?」


「おう!俺が馬車の上で盾持ってジャストガードすれば馬車にはダメージ入らないだろ?だから、な?」


「あ〜、そこまでしなくていいです。ちょっと練習控えてもらうだけでいいですから。」


 雨で張り付いた髪の毛、種族は多分人族。ここでジャストガード練習してて失敗確率は分からないけど、少なくとも話しかけるまでは立っていた。装備品は鍛冶で他のテクチャー貼り付けられるから、本当にその装備かは分からない。だから判断材料ににしないとしてルーニー(愉快犯)の可能性もあるなぁ・・・。


 雑魚っぽい盗賊の様な服に顔は口元までマスクで隠してるけど、目だけは笑っている。体型は若干の長身に細身で腕を眺めにしてある。リーチと速さを目指しつつHPの国保もする形でバランス型かな?


 はっきり言うとこのゲームのタンクは極端に分かれる。俺のように低身長最軽量にしてひたすらジャストガードを狙うタイプと、ある程度の体型的ステータスで安全マージンを残すタイプ。流石にすべての攻撃を捌けないとわかってる人は安全マージンを残すし、本当に頭と言うか反射神経が極まった人は体型に依存しない。

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― 新着の感想 ―
レベル=年齢はMMORPGだとチャットでよく使われますね。
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