5/5
最終章:日常の中にある、奇跡のような日々
ミコトは、神界へ戻る道を選んだ。
アマネの取り計らいにより、追われる身ではなく、正式に“保護対象”として迎えられることになったという。
別れ際、ミコトは一輪の花を創真に手渡した。
「これは……?」
「“忘れな草”。神界ではね、『縁を繋ぐ花』って呼ばれてるんだって」
小さな手が、そっと創真の指を握った。
「いつか、また会えたら……次は、助けられるようになりたい」
「……ああ。待ってるよ」
空へと帰っていく金の光。
それを見送りながら、柚葉がぼそっと言う。
「……ねえ創真。あたしにも、ちょっとは構ってよ」
「何の話だ?」
「……ほんと、鈍感なんだから!」
その日も、何でも屋の看板は変わらず掲げられていた。
神も、人も、モンスターも――今日も誰かが、助けを求めてやってくる。
成宮創真は、笑う。
「さて、今日は何から始めるかね」
空と神と人を繋ぐ、町の片隅で。
最強で最優しい“ただの人間”の物語は、今日も続いていく。




