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仙魔の傭兵  作者: 安綱
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砦を構築

クロード男爵軍は無事に後方へ逃げる事が出来、流れの早い川の橋を渡りきったところで停止した。


「ハヌマーン、ここに簡易的な陣地を築きたい。

追ってくる敵を迎撃し、逃げてくる味方を助けたいのだ。

空堀以外にも、なんでもいい、防御能力をあげそうな魔法があればどんどん使ってくれ。」


「分かりました。微力を尽くします!」


クロード男爵から陣地構築の指示をいただいた俺は早速「砦」の建築に挑んだ。


まずは空堀で四方を囲み砦の枠組みを決める。

岩の盾を作る魔法の応用で、土と岩を集めて重ね、前世の石垣をイメージした簡易的な防壁を構築した。


ここは川近くの平野部、石も土もそれこそ無尽蔵にあるのだ。

使わない選択肢はないだろう。


石垣を迷路のように何層にも渡って構築。

上部は城壁のイメージで凹凸が出来るようにした。

さらにその凹凸を利用して投石で攻撃出来るように内側には階段と足場をところどころに設置。

近くには投げる用の様々な形や大きさの岩を土を押し固めて作った箱に入れて、それを大量に設置する。


ここまでやれば充分簡易的な陣地にはなっただろうが、まだ時間があるのだ。

そして魔力なら心配ない、水を飲めば唾液は次々に生成されるし、体内にある尿や便、垢や汗であっても大量の魔力に変換可能なのだ。

一日中使ったとて底をつく心配などない。


ならばと俺は建物も作ることにした。

光速移動を駆使して、移動しながら塹壕魔法で穴を掘っていたので砦はかなり広く作られている。


だから俺は砦内部に5つの建物を建築した。

といっても簡易的なものだ。

あるのは1階と屋上がある程度。

2階建以上は建築の知識が無い俺では崩れてしまう恐れがあったため、ほとんど豆腐ハウスと呼ばれる四角くて安定感のある形状で、内側に屋上に登るための階段を設置したのと石垣と同じように凹凸がある形状と投石用の岩を配置してある程度だ。


ただ、これだけ屋根のある建物があれば敵の戦力を分散させられるし、援軍の受け入れや撤退してきた部隊の収容、作戦会議室としての使用や救護スペースの確保、食事を作るためのスペースなど色々なことに使えると思った。


ちなみにこの砦の出入り口は川から渡れる橋一つしか無い。


敵の方が数が多いので侵攻可能な場所を一つに絞ることで数の優位性を減じ、また後退出来ない事で背水の陣として兵の士気を上げるためだ。


まぁ最悪の場合、橋くらいいつでも作れるので、どこからでも脱出が可能なのだが。


ある程度形になったため、川から水を引いて空堀を水堀にした後、クロード男爵に簡易陣地の作成が完了したことを報告に向かった。


陣地の作成で気づかなかったが、ふと見ればクロード男爵を含めた兵の全員が唖然とした顔を浮かべていた。

何故かは分からなかったがとにかく報告だとクロード男爵に話しかける。


「クロード様!ご命令通り簡易的な陣地構築が完了しました!」


「簡易的… いやこれは充分な砦と言って良い代物だろう。

規格外だとは思っていたがこれほどとは…

魔力は大丈夫なのか?」


「はっ!魔力は全く問題ありません。

既に存在している物をここに移動させて加工しただけですので、物質を生成することに比べたら使用する魔力は微々たるものですので」


「そ、そうか。

いや、うむとにかくよくやってくれた。

これほどの陣地であれば前の陣地よりもよほど強固な防御能力を持っておる。

やつらの一撃離脱をもってしても大した被害を与えられんだろうし、そもそも水堀の影響で近くには近づけん。せいぜい出来たとしても1枚目の壁を崩せる程度であろうが、木の防壁と違って岩を重ね土で固められたこの防壁を果たしてやつらが使う魔法程度で破壊できるかどうか。

しかも仮に破壊できたとしてもハヌマーンがいる限りすぐに補修も可能だろう。

現状考え得る限り最上の防衛陣地だ。

感謝するぞハヌマーン。」


「ありがとうございます!クロード様のお役に立ててうれしいです。」


「よし、これだけの砦があるのであれば現状の生き残りだけでも敵を押しとどめることが可能だろう。ハヌマーンは我らが耐えている間にここから10里ほど離れた場所にある街セキサスの領主に援軍を要請する伝令を頼む。今書状を準備するゆえしばしまて」


「ハッ! あ、書状を書かれるのでしたらこちらをどうぞ」


俺はクロード男爵のためにテーブルを生成した。


このテーブルは他の作業をするのにも有用なのでもう少し欲しいと言われて5個ほど作って設置した。


その後、俺は伝令としてセキサスへ増援の要請をするために光速移動の魔法で移動を開始するのだった。

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