仕事に生きるわ 生きるために(切実) 3
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学園を卒業してから、3ヶ月が経ちました。
華やかな別れの春を過ぎ、夏が日を追うごとに力強さを増す季節です。
「仕事には慣れたかい? アイリス」
「ええ、お父さま」
「ふふふ。アイリスは頑張り屋さんですもの。お仕事も頑張っているのでしょうね。私には無理だわ」
「お母さまったら。揶揄わないでくださいまし」
無理と言えば、もうそろそろ庭のガゼボでのティータイムは暑すぎるのではないかしら?
午前とはいえ、かなり日差しがキツイです。
日差しを浴びた花や木々はキラキラと輝いていて綺麗なのですけどね。
「そこは私が頑張るよ。滅んだ国とはいえ、元王族のお前を働かせるわけにはいかないからね」
「まぁ、アナタったら」
「……」
はい、はい。
朝からお熱いことでございます。
子供が私しか居ないことが不思議なくらい、仲の良い両親ですの。
父は金髪碧眼の貴族としては珍しくもない風貌をしておりますが、母は少し違います。
浅黒い肌に真っ赤な髪、茶色の瞳。
元王族ですから整った顔立ちはしていますが、肌の色が違いますから貴族社会では目立ちます。
私の肌も、母ほどではありませんが褐色を帯びています。
一年中日に焼けた肌をしている人、くらいの印象ですが、貴族社会ではそれなりに目立ちます。
髪は赤味を帯びた金髪なので、光沢強めの茶髪くらい。
瞳は茶色です。
派手で目立つ、というよりも、地味に目立つ、というタイプでしたので。
その辺りもセオドア・ウォーカー子爵令息からしたら、面白くなかったのかもしれません。
「アイリス。サットン子爵殿とは、上手くやっているかい?」
「どうでしょうか……上手くやれている、とは、思っておりますけれど……」
なぜ、ここでサットン子爵の話題が出てくるのでしょうか?
雇用主でもあり、上司でもありますけれど。
「サットン子爵さまと言えば……ねぇ、アナタ。お父さまを早くに亡くされて。若くして子爵位と商会を継いだのでしたよね?」
「そうだよ。タイラー・サットン子爵殿は、まだ24歳と若いが。立派に仕事をこなされている」
「素晴らしいわね。まだ独身ですの?」
「ああ。彼には養わなければならない弟や妹がいるから、そこまで気が回らないそうだ」
「先に弟さんや妹さんを結婚させてから、と、考えてらっしゃるのかしら?」
「結婚はともかく。身の振り方の目途を付けてから、と、考えているようだね」
「 責任感がおありになるのね」
「そのようだ。だが人生、なかなか思うようにいかないものだからね。先日も、すぐ下の弟さんの婚約が破棄になり。どうしたものかと悩まれているようだ」
「あら大変ね」
「……」
どうした事かしら?
何となく、世間話に見せかけた白々しい芝居を見ているような気もするのだけれど。
気のせいかしら?
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