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イケメンと棚ぼた婚~惰性で妥協の婚約をしてましたが相手有責で破棄できた上に幸せな結婚までしちゃった私の話~  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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15/17

豪華絢爛かつ現実的な夜

「華やかで煌びやかですわね」


「おや、アイリス君。夜会は来慣れているのでは?」


「そんなことはありませんわ、サットン子爵さま。我が家は質実剛健を旨としておりますし。私は肌の色もあって浮いてしまいますので……最低限しか来ていませんわ」

 

「あぁ、そうか。ふふ。でも、私にとってはラッキーだったな」


「えっ? それは、どういう意味……」


「兄さま」


「おや、弟が婚約者を連れて来たようだ」


「えっ?」


 あら、大変。


 ご挨拶しなくては。


「こちらがアイリス・ビアズリー伯爵令嬢さまですね?」


「ああ。アイリス君。コレは私の弟で、マックスだ」


「マックス・サットンと申します。どうぞよろしく」


「こちらこそ。アイリス・ビアズリーと申します。よろしくお願い致します」


「そして。こちらはマックスの婚約者、イザベル嬢」


「えっ? アナタは……」


「お久しぶりです。アイリスさま」


 驚きました。


 サットン子爵の弟の婚約者として目の前にいるのは、セオドア・ウォーカー子爵令息の妹であるイザベル・ウォーカー子爵令嬢だったのです。


「その様子だと知らなかったようだね。マックスはエメリア・ミルズ男爵令嬢の元婚約者なのだよ」


「まぁ」


「マックスとイザベル嬢には気の毒な事をしたけれど。サットン商会とウォーカー商会の縁を繋ぐことで、最悪の事態は避けられる」


「いいえ、気の毒だなんて……私は満足していますわ」


「嬉しいことを言ってくれるね、イザベル。私も満足しているよ」


「あっ……そう言っていただけて……嬉しいですわ」


「……」


 あらあら。


 すっかりラブラブですわね。


「キミの元婚約者殿は気に入らないが……ウォーカー商会も規模が大きいからね。潰れてしまったら、被害が各所に及んでしまう。だから、キミの父上が間に入って下さったのだよ」


「そう……だったのですね……」


 お父さまが暗に匂わせていたのは、この事だったのですね?


 元婚約者であるセオドア・ウォーカー子爵令息には『ざまぁ』したいけれど。


 やり過ぎて、ウォーカー商会が潰れてしまう事になれば、従業員を始め様々な人達に被害が及びます。


 そちらは最低限の被害に留めつつ、元婚約者はとっちめる、と、いうことですわね。多分。


「まぁ、こっちが幸せになる事でも報復はできるからね。その方向性でひとつ、やってやろうじゃないか」


 サットン子爵は私に向かって、ちょっと悪い笑顔を見せた。


「はい」


 その雰囲気。


 嫌いじゃありませんわ。

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