05-09
振られても普段通りに去っていくトモを見送って。
(余りに真剣な表情だったから真剣に答えたけど、あれはいつもの冗談だった?もっと気楽に対応すればよかった?)
「ああ、もう、どうして私が悩まなければならないのよ!」
考えすぎて、つい口から不平が漏れる。
日常が、世界が少しずつおかしくなっていく。こうなったのもレドが薬を持ってきたからで、あれからすべてが滅茶苦茶になって。
(……ううん、違う。)
おかしくなったのは、あの男が学園に来てからだ。あの一件がなければ、レド達にも会うこともなかったし、薬も飲むことにはならなかったはずだ。あのパンツ盗難事件もなんだかこっそりと関わっていそうだし、あいつこそ、すべての原因じゃないだろうか。
(そう。すべて、あいつが原因。)
あいつのせいで、少しづつ日常が変態に代わっていく。全ての元凶であるあの男、ウィード。あいつを追い出せばこの悩みも少しは解決すると思うのだけど、でも、みんなは揃って追い出せないと言う。ならば。
(決めた。あいつをぶん殴って、お終いにする。)
それがナナなりに出した結論だった。贖罪をする覚悟があるのなら、げんこつぐらいウィードは喜んで受けるだろう。その時に「ありがとうございます!」なんて言い出さなければいいのだけれど。
そうと決まれば、と腹を括る。そして、力を入れて絞るように叫んだ。
「ウィード!絶対ぶっ飛ばしてやるからね!」
それは、決意の叫び。ただナナに一つ誤算があったとすれば。
「呼んだか?」
その呼びかけに答える者がいたということだ。




