ナナの葛藤
黒魔研から帰ってきてから、ベッドに潜り込んで、ナナは考えた。
吸血鬼のウィードが人間?人間として、受け入れる?
どういうことだろう。もし彼が、モンスターだったら。何も考えないで倒してたのかもしれない。あのショタ吸血鬼みたいに。
でも、彼は眷属を作りたくないといっていた。ウィードは人でありたいのだろうか。ミユは人間のルールを守るのが人だというように言っていた。だとしたら、あの会話は、彼は人として生きたい、という意思なのだろうか。
頭がこんがらがってくる。ただでさえ考えるのが苦手なナナである。頭を掻きむしって枕に顔をうずめた。
もし、ウィードがモンスターだったら?ナナが今この場にいられるのはウィードが人間だったから。ウィードが、助けてくれたから。では、彼を人間として認めたほうがいいのか?
わからない。
実感としてわかったのは、自分の弱さ。これでは、冒険者になるどころか町のみんなも、そして自分も救えない。何のために私は学園にいる?人を守るため。守れるようになるため。そう決めたはず。
ウィード問題は保留。とりあえず、強くならなきゃ。