05-04
「は?」
(は?)
ヨイは当然として、ナナも自分の言葉に驚いた。
(え?今の、私が言った?)
慌てて自分が発した言葉を確認しようとする。しかし、感情の暴走は収まらない。ナナはヨイを壁に押し倒したまま、口付けをした。
「!!!」
それはもう、ねっちょりと、情熱的な、詳しくはここでは書けないようなキス。ヨイもはじめは抵抗していたが、次第に力ではかなわない、と受け入れる。ナナが慌てて唇を離したときには時すでに遅し。ヨイは天を見上げると膝から崩れ落ちた。
ナナは我に返ると、レドに詰め寄った。
「ちょっとレド!いったい何を飲ませたのよ!」
「ん?別に。ただの薬よ。怒りや悲しみといった負の感情をキスしたくなるように変換する薬。」
と、レドは別に可愛くもない、むしろ殴りたくなるようなウインクした。
「なにそれ!?話が違うじゃないの!」
「はい、ストップ!」
手を突き出して大きくジェスチャーするレドに、思わず動作が止まってしまうナナ。
「怒りすぎるとまたキスしたくなるわよ。」
レドにそう言われ慌ててナナは自分の口を塞いだ。
「どうしてそんなもんを……」
「ほら、怒ったり悲しくなったり、そういう気持ちを愛に変えられたら、世界は平和になるじゃない?」
「何が平和よ!それどころか、おかしな状況になってるじゃない!」
そう言うと、ナナはヨイを指し示した。泣いてるのか笑っているのか、地べたに座り呆けて天を仰ぐヨイ。
「もう、これどうするのよ!」
しかし、レドは嬉しそうに反応した。
「それよそれ!」
「は?」
「わかったじゃない!ウィード先生の気持ち!よかったわね!」
「はぁ?何言ってんの?そんなこと言ってる場合じゃ……」
「……そこで何をしている?」
ウィードの声がした。
(やばい!)
「ああ、もう滅茶苦茶!レド、逃げるわよ!」
「逃げる?どうして?私は別に逃げなくてもいいと思うけど?」
「いいから!」
ナナはレドの首根っこを押さえて力任せに引っ張ると、一目散に逃げだした。そして、近くに空き教室を見つけると、そこに逃げ込むのであった。




