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03-05

 思考が働く前に、ナナは動く。


 右手を剣にかけ抜こうとするが、あのウィードに敵うわけもなく。あっという間に両手をつかまれ、組み伏せられてしまった。


「君は……。なぜここにいる?」


 そういって覆いかぶさってくるウィードに。


(それはこっちのセリフ!)


 ナナはお腹に力を入れ、呼応法≪呼びかけ≫を発しようと口を開ける。それを察したウィードはその前にナナの口を押えた。 


「んぐぐ!!」

「声を出すな!」


 ウィードが手を緩めた瞬間、ナナはもう一度声を張り上げようとするが、またも口をふさがれる。


「言ったはずだ。大声を出すな。」


 どうやら大声は出せなさそうである。ナナは仕方なく小声で話す。


「見つけたわよ、下着泥棒!観念しなさい!」

「下着泥?どういうことだ?」

「とぼけないで。さっき、物色してたじゃない!私たち、ずっと見張ってたんだから!」


 しかし、ウィードは考え込み、ブツブツとナナの言葉を繰り返す。

 

「私たち……?下着泥……。なるほど。理解した。」

「はぁ?勝手に理解してないで、さっさと白状しなさいよ。」


 一人芝居をしているウィードにナナは苛立った。


「君は依頼を受けて、ここに来たのだろう?君はその……なんだ、下着がなくなった原因を探ってるはずだ。」

「私のじゃないわよ。」

「話を折らないでくれ。兎も角、君が探している犯人と、私が探している犯人。それはおそらく同じものだ。最も、依頼主は別だろうがな。そして、その連絡符が示してる先。それは私が探してる先でもあるのだと思う。」

「同じ~?」


 ウィードはそういったが、信用できるだろうか。逃げるためにその場限りの嘘をついているかもしれない。そもそも、あいつが現場を物色していたことは間違いないのだから。

   

(考えろ。考えるんだ。ナナ!)


 考えることに慣れていない頭をナナは酷使する。


(うんと、護符が燃えたってことはムギに何かあった、ってこと?でも、ムギは呼応法を使わないってことは、予定通り進んでいるってこと。じゃあ、ウィードは本当のことを言ってる?ウィードが仮に敵で、罠だったりして、ついていった途端に袋叩きにされたり?でも、そんな計画してるとも思えないし、ムギの居場所と行先は同じみたいだし、ええと、ええと)


「もう時間がない。私は行く。といっても無理についてこなくても良いが。」

「待って。私も行くわよ!」

 

 今は何もわからないが、とりあえずムギたちと合流したほうがいいだろう。連絡符を使ったということはそういうことだし、仲間と一緒にいたほうがいいし、何より、新しい手掛かりが手に入るかもしれない。


 そう考えてナナはウィードを追いかけた。



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