表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/167

第24話 - 5.2 剣士から兵士へ ~揺れるな俺の心

 ベルゼムには、迷いがあった。このような卑劣な手段から、果たして真意が伝わるのだろうか? 自分が軽蔑されるだけなら、まだ良い。トールの心に影を差しでもしたら、単なる愚行ではないか。


「ベルゼム、汚ねえぞ! てめー!」


 お前の言う通りだ、カリム。殴ると言うなら、俺は黙って殴られる。言い訳もしない。後になってどう取り繕おうとも、ただ虚しく空回りするだけだ。


「止めろ、カリム! 完全に、油断した僕が悪い。ルールも決めていなかったし、反則をしたっていう訳じゃない」


 トール、お前ってやつは……。


「けどよ! ベルゼム、あれが剣士の戦い方か!? 学院を去るトールに、何してくれてんだ、てめーはよ!」


 ……。


「ありがとう、ベルゼム。……戦場には、ルールも審判もない。だから君は、僕を剣術ではない形で負かしてくれたんだろ?」


 す、すべて通じているというのか……。ベルゼムは、トールや皆からの軽蔑を覚悟していた。その覚悟が緩み、涙が込み上げてくるのが分かる。ベルゼムは力を込め、涙腺の崩壊を拒絶した。


「ありがとう!」


 トールの熱い抱擁に、涙腺の防波堤はあえなく決壊した。この時、ベルゼムの心に別の炎が灯る。トールというおとこに、自身のおとこが反応する。


 ベルゼムは慌てて、その思いを否定した。


 ときめくな俺の心

 揺れるな俺の心

 俺の心の中には、ゴードン先生がいる

♪ この作品を読んで、「面白い!」、「続きが気になる!」、と感じてくださった方は、下の「☆☆☆☆☆」から、応援をお願いします。


 ブックマーク、ご感想なども、とても嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ