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第24話 - 3 剣士から兵士へ ~大戦へと広がる波紋

 エディンバラ公国・国家元首、テオドール=エディンバラ伯爵は、敗戦の報を受けた。しかしテオドールに、動揺はない。モスリナ攻略戦は、必勝を期したものではなかった。勝つに越した事はないが、開戦そのもので最低限の目的は達せられていた。


「……できれば、高く売りつけてやりたかったがな。仕方あるまい」


 モスリナを奪取したところで、守るのは容易ではない。城壁はエディンバラに向けた東にしかなく、オーシア領に面する3方は無防備になる。テオドールはオーシアと交渉し、モスリナを買い戻させる算段であった。またこれで、漁業権の分割はなくなる。軍事行動の成果として、勘定できなくはない。


 オーシア王国とエディンバラ公国の南方には、パンナロッサ王国がある。パンナロッサは先の大戦でオーシアに敗れ、未だ遺恨は深い。多額の賠償金債務が残り、約150年が経過した今も、国政を圧迫し続けている。


 テオドールは、パンナロッサとの軍事同盟を模索した。しかしパンナロッサからは、オーシアから独立したエディンバラも、旧敵国に類するものと見做されている。軍事同盟の水面下での交渉は、今一歩のところで暗礁に乗り上げていた。


 今回の宣戦布告と大規模な交戦は、パンナロッサに「オーシアは共通の敵である」と判断させるに、十分な根拠となるだろう。


「パンナロッサに行くぞ! 使者を用意しろ!」


 エディンバラの起こした小さな波紋は、大戦へと広がろうとしていた。

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