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第23話 - 4 獅子奮迅 ~起こり得ないはずの一撃

 微かに残された意識の中で、エマは「これか……」と思った。しかし、何がこれか……なのかは判らない。脳は網膜で捉えた光を像としたが、それが何なのかは理解できなかった。


 異能、『原始の威圧』が発動。ロメロ周辺の兵士たちは、無差別に意識薄弱に陥らされた。そこには、多数のエディンバラ兵も巻き込まれている。


 原始の威圧には、人によっては後遺症がある。これ単独で死に至るのは稀であるが、生命維持活動すら停滞させた影響は小さくはない。体力減退、筋力低下、老化、思考力低下、離人感などの症状が尾を引くケースがある。故に、味方を巻き込んでの発動は禁止されている。


 しかしロメロは、エマとトールを前に発動を選択した。違反と味方の損害を差し引いても、武勲が上回ると見積もったからである。


 さて、まずはこの得体の知れない少年から――、大上段に振りかぶったロメロに、切っ先が飛んだ! それはロメロにとって、起こり得ないはずの現象だった。


 トールの横薙よこなぎの一閃が、ロメロの腹部を切り裂く。手応えはあったが、やや浅い。咄嗟に引かれた分、深手ではあるが致命傷には至らない。剣速の鈍りもあった。


 明確に、油断をした訳ではない。原始の威圧を受けて動ける敵は、過去にも幾人かはいた。ミラン中将も、その一人である。だがそれは、せいぜい辛うじて防ごうとする程度。効果的に反撃してきた者など、一人もいない。ロメロはその前提で、単純に威力の大きい上段を選択したまでだ。


 トールの追い足は、遠目から飛び込んでくるエディンバラ兵に阻まれた。エマと他のオーシア兵が戦闘不能にある為、トールは彼らの守護を優先。深手のロメロに、退避を許した。

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