第34話 - 3 首都、攻防戦2 ~流刑島兵の接近
トールが想定したように、ロルド要塞に兵力は残されていなかった。エディンバラ公国、首都を目指すオーシア軍の数は、約1万5千人。対してロルド要塞に残す兵は200人強となれば、足止めも叶わない。嫌がらせのように巨石が落下してきたが、右側を通るオーシア兵には当たらなかった。
エディンバラ軍の追撃を止めるべく、ロルド要塞を占拠し兵を置く選択もある。しかしオーシア軍はそのリスクを許容し、全兵力をもって首都に進行した。
その頃、エディンバラ公国国家元首:テオドール=エディンバラ伯爵は、有り得ない報告を受けていた。東の海岸に6隻の船舶が訪れ、約2万の兵が侵攻。ほぼ無抵抗に、首都に迫っていると言う。
流刑島兵6千に、北の海から合流したオーシア兵の混成軍である。オーシア北の港は、エディンバラも警戒している。しかしオーシアは密かに流刑島に兵を送り、この規模にまで戦力を膨れ上がらせた。
この展開は、後の世界では面白おかしく語られている。エディンバラは南のパンナロッサに兵を隠し、オーシアは東の流刑島に兵を隠した。そしてお互いに、手薄の首都をほぼ同時に攻撃し合ったのだ。
テオドールは3万の兵をもって、これに対処。オーシアの苦し紛れの奇襲と判断し、せせら笑った。
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