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第33話 - 2 首都、攻防戦 ~パンナロッサ兵の憎悪と蹂躙

 混成軍のオーシア領への侵攻は、凄惨なものであった。兵士には略奪が許可され、殺人や強姦は禁止されてはいたが、現場でとがめられはしなかった。しかしその兵士の残虐性の割には、被害規模として大きくはなかった。進軍が速く、蹂躙じゅうりんするに十分な時間的余裕がなかったからだ。


 特にパンナロッサ兵は、オーシアへの強い憎悪を抱えている。自分達の苦しさは、オーシアが戦勝に付け込んで不当に搾取してきた結果であり、オーシアの民はその恩恵を受けた憎き存在である。この認識が、彼らの残虐性を正当化していた。


 ただパンナロッサでは、子供の犯す罪は全て親と社会の責任であるという精神文化があり、オーシアの子供であっても同様の基準が適用された。その為に、パンナロッサ兵による子供への直接的加害はほとんどなかったのだが、だからと他の非道が正当化される話でもない。この残虐行為は、終戦後の安定に大きな影を落とす結果となる。


 混成軍の相手であるエディンバラ兵に、パンナロッサ兵のような憎悪はなかった。しかしエディンバラ兵の多くが、自主的に略奪行為に参加した。他人が得をするのを、黙って見過ごしたくなかったからだ。


 ――首都に迫る混成軍を前に、オーシアは可能な限りの戦力を動員した。首都常備兵、王立騎士団を始めとする全ての騎士、首都を警護する衛士などの他、学生までもが招集される。その中に、アラド=クラーゼン学院の存在もあった。

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