表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

141/167

第32話 - 3 大攻勢 ~奇岩群の上の悪魔

 ロルド要塞に接近したオーシア兵は、揃って息を呑んだ。要塞の左右には巨大な奇岩群がそびえ立ち、絶壁を成している。要塞に入るには、その中央の城壁を突破するしかない。この構造自体は、事前に知っていた情報である。


 オーシア兵を驚愕させ怖れさせたのは、奇岩の上に備えられた落石兵器だ。あの険しい地形でどのように成し遂げたのか、視認できるだけで五つの巨大な岩が、下を通る侵入者を待ち受けている。


 下から落石兵器を破壊しようにも、岩は細長い金属で固定されておりその根元は死角になっている。破壊するには、奇岩を登って接近する以外に方法はなさそうだ。


 一度、落とさせてしまえば、そう容易く次弾は用意できないだろう。しかし自国兵士を、死ぬと解っていて捨て駒にする。オーシアに、そのような非人道的な合理性はなかった。


 落石兵器に付くエディンバラ兵が、立ち往生するオーシア軍をせせら笑う。


「へへへ、遠慮せず攻めて来な!」


「こいつを取り付けるのに、こっちは何人か死んでるんだ。オーシアの奴らを踏み潰さなきゃ、あいつ等も浮かばれねえよ」


 その時、一人のエディンバラ兵が単独で奇岩に登る男を見つけた。


「ん? 見ろ、何だアイツ?」


「偵察じゃないか?」


「あんな所に上がっても、何も見えんぞ」


 その男はロープを下に垂らすと、人の背の軽く倍はあろうかという長い棒状の物を引き上げた。その様子から、かなり重量もありそうだ。


 男はそれを高く振りかぶり、無造作に少し離れた奇岩の端に振り下ろした。その先は、数秒の出来事だった。轟音と共に、振り下ろされた先の奇岩は消失。それに支えられていた奇岩群はバランスを失った。


 右方の落石兵器2つが落下。配置のエディンバラ兵は、一人残らず巻き添えになった。

♪ この作品を読んで、「面白い!」、「続きが気になる!」、と感じてくださった方は、下の「☆☆☆☆☆」から、応援をお願いします。


 ブックマーク、ご感想なども、とても嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ