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第31話 - 2 戦死 ~あの男だ

 ベルゼムは斥候せっこうの一員として、山中を偵察。敵の小隊と遭遇した。斥候せっこう部隊は撤退を選択。ベルゼムは最後尾で楯となり、命を落とす。他の部隊員は全員、撤退に成功した。


 如何にもベルゼムらしい行動と最後だと、トールは感じた。あの義理に厚い男なら、自ら進んで危険な任務を引き受け、仲間を庇い、勇敢に戦って来たのであろう。戦場では、勇敢である程、良い人間である程に早く命を落とす。まだ軍人としては日の浅いトールであっても、それは身に染みている。


 ただ遠目から観察した他の斥候せっこうに拠ると、最後の場面がやや奇妙だったと言う。ベルゼムは複数人を相手にまったく引かず、敵の二人を撃破。その直後に敵兵が引いたと同時に、一人の兵と入れ替わる。ベルゼムはその兵を前に立ち尽くし、無防備に喉を一突きにされた。


 あの男だ……! トールは即座に、モスリナで戦った敵将を思い描いた。と、同時に唇を噛む。深手を負わせて取り逃がし、仕留めきれなかった事が、ベルゼムの死を招いた。自分のせいではないと承知はするも、因果関係は存在する。あの当時の自分がより強ければ、結果は違っていたかもしれない。


「メアリー、知らせてくれて有難う」


 トールは、メアリーに礼を告げた。

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