表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

120/167

第28話 - 4 トリッツ城の攻城戦 ~強いて言うならの策

 ――TH2に城壁を破壊された直後。


 パンナロッサ軍は、指揮官を含めて狼狽ろうばいの極致にあった。早々に城壁が破壊される展開など、誰も想定していない。トリッツ城の堅守を失っては、数的優位にあるオーシアに情勢は大きく傾く。またオーシアの得体の知れない新兵器の存在は、容赦なく兵の士気をくじいた。


「急げ! 破壊された城壁前に防御陣を張れ!」


 トリッツ城、最高指揮官:ナザレンコ=ズミ少将が叫ぶ。


「なりません、閣下……」


「何故か! カチュア少尉」


「壁を壊された以上、数に勝るオーシアに分があります。士気の低下も著しく、これではまともな戦いにすらなりません」


「だからと、この城をむざむざと明け渡しては王に顔向け出来ぬ! 何か策はないのか? その為の参謀だろう?」


「今から間に合う策などありません。ただ強いて言うなら……」


 カチュアはナザレンコに耳打ちした。万が一にも、味方にも明かせぬ内容があった。ナザレンコの顔が歪む。


「いや、まさかそのような……」


「ですから、強いて言うならです。気が進まないのでしたら、お止めになりますか?」


「……了解した、カチュア中尉。任せる」


 カチュアは、氷のような作り笑いを浮かべた。


「承知しました。手筈は、既に部下に任せてあります。私は、もう一仕事を済ませに行きます」


「どこに行くのだ?」


「敵部隊との交渉です。同じ逃げるでも、出来るだけ条件を有利にしたいですからね」


♪ この作品を読んで、「面白い!」、「続きが気になる!」、と感じてくださった方は、下の「☆☆☆☆☆」から、応援をお願いします。


 ブックマーク、ご感想なども、とても嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ