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第28話 - 1 トリッツ城の攻城戦 ~経済的な城壁破壊

 トリッツ城は40年前、オーシア王国によって建設された。南のパンナロッサ王国との境界線上にあり、西のガロン帝国をにらむむ要所にあるこの城は、オーシア内でも屈指の堅守を誇っていた。しかし両国との平穏な関係が長く続き、当初の危機管理意識は次第に薄らいでいく。


 エディンバラ公国との戦争が勃発した半月後、パンナロッサ王国はエディンバラ公国と軍事同盟を結ぶ形で参戦。トリッツ城を攻める。


 トリッツ城は内部に潜んでいた間者の手により、城門を開放。パンナロッサ軍は最小限の損害でこの城を手にした。間者の中には築城当初からの顔もあり、パンナロッサの持っていた執念を印象づけた。彼は小さな商店を営んだ後に引退し、地域からは面倒見の良い優しい老人と知られていた。


 オーシア不利と見て、ガロン帝国の動向もきな臭い。オーシアにとって、トリッツ城の奪還は最大の急務となっている。


 ヒアリ平原、オーシア軍本陣では、キャン中佐によって最後の説明が行われる。


「我々が狙う箇所は、ここだ。城壁が破壊されたのを確認して直ぐ、この空いた隙間に突撃をかける」


「宜しいでしょうか? 突撃をかけるのであれば、地形的にはより適したポイントがあるように思えます。何故、その場所なのですか?」


 百人隊長の一人が、疑問をぶつけた。


「上からの要望でね。修復にあまり時間も経費もかけたくないそうだ。この場所なら、比較的、早く安く済ませられる試算だ」


 数秒、兵内に小さな動揺が広がる。自分達の命より金か……と思わなくはないが、まあ数ある理不尽の中ではささやかな方だ。


 決行は、攻城兵器の組み上げを待つ。明朝、オーシアの歴史を大きく左右する決戦が行われる。

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