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第25話 - 5 オーシア地上軍士官学校 ~索敵を志願

 山中戦実習は、5対5の団体戦で行われる。ルールは極めてシンプルで、先に相手を全滅させた側が勝ち。殺傷力を落とした武器を使用し、致命傷・戦闘不能の推測をもって勝敗判定とする。時間制限はない。


 この実習、時間制限のなさから、期間が数日にまで及ぶケースがある。戦いの性質上、敵を待ち伏せている側の方が、圧倒的に有利になる。互いにその有利を譲らなければ、容易に長期戦に突入してしまう。戦わず、ただその場に張り続けるだけで時間が経過していく。


 トールのチームも、最初は待ちに決定した。しかしトールの思惑は、別にあった。今回の訓練で、自分は何を経験したいのか? 息を潜めて待ち続けるのも、貴重な経験の上積みになるだろう。何をどうしても、今の自分には意味のある訓練になる。


 ただトールには、ジャミル=ミューゼル護衛任務が頭によぎる。刺客の襲撃に対応できないと、外での警護が許されなかった。まずはあの時の自分を越えたかった。


「隊長、一つ提案があります!」


「言ってみろ、トール」


 実習の隊長、バーバラが応じる。最上級生にあって、弓と戦術指揮に秀でる女傑。将来は指揮官の器であると目されている。


「自分が単独で、索敵さくてきに出ても宜しいでしょうか?」


「……出来ると言うなら構わないが、お前はどこかで索敵さくてき技術を学んでいるのか?」


「学んではいませんが、試してみたい事があります」


 バーバラは考えた。普通に考えれば拒否するところだが、相手はこの得体の知れないトールだ。


「よし解った! 待ち伏せは止めだ。トールが次々と敵を見つけてくれるそうだから、我々はそいつらを刈ってやろう」


 チーム一同に、笑いが漏れる。トールは苦笑いを浮かべた。これで外したら、かなり恥ずかしいぞ……。

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