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第25話 - 3 オーシア地上軍士官学校 ~え、告白したの!?

「え、告白したの!?」


 メアリーの唐突な発言に、シンシアは目を丸くした。特に相互出し抜かない条約を締結していた訳ではないが、メアリーにそんな勇気はないと、勝手にあなどって思い込んでいた。


「でも、告白だって気付いてもらえなかった……」


 シンシアは、ホッと胸を撫でおろした。そうだよね、メアリーだしトールだもんね。


「実は私も考えたんだけど、離れ離れになる時に言うのは違うかなって思って、言わなかった」


「どうして?」


「だってあのタイミングで告白しても、言っておきたい私のためっていうか、トールの立場を考えてないっていうか、私のワガママでしかない気がして……」


「シンシアの馬鹿!」


「はい!?」


 突然のメアリーの剣幕に、シンシアはたじろぐ。


「恋愛なんて、自分勝手に決まってるでしょ! ……良い!? 恋は戦いなの! 奪い合いなの! そんな行儀よくしてちゃ、ライバルに先を越されて終わりよ!」


「どうしたの? メアリー??」


「だいたいシンシアはいつも、そうやって良い子過ぎるのよ! ……だから私だって、トールもシンシアも好きで、辛いんじゃない!!」


 メアリーの目が、涙に光った。シンシアとはもう、親友と呼んで良いほどの関係。シンシアには幸せになって欲しい。でも、トールを取られるのは辛い。勢いでトールの頬にキスをして、告白までしてしまったのは後ろめたい。メアリーの心は、感情と思いが交錯してぐちゃぐちゃだった。


 シンシアは、そっとメアリーを抱きしめた。本当は頭を撫でてあげたいところだけれど、身長差で腰に抱きつくようになる。ぎゅっと、メアリーが抱擁を返した。温かい……その温もりを、互いに相手の優しさと受け取る。


 そもそも恋愛って、何だろう? どうすれば良いんだろう? シンシアは考えた。……考えても、その先に答えはなかった。

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