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第5話 - 1 獅子王杯、初戦 ~観客のおっちゃん達

「初戦のオッズは……、1.05と21.0だと? こんなもん、賭けになんねーよ」


「銀行に預けると思って、全財産、注ぎ込んだらどうだ?」


「バカ言え、万が一が怖えーだろーよ」


 獅子王杯の舞台、国立レナート=クーリエ競技場には、初日から大勢の人が詰めかけていた。初戦開始を間近に控えた現時点で、約7万人を収容する客席の8割は埋まっている。各種競技の他、舞台、フェスティバルなどが催される多用途施設であり、その八角形の形状からオクタゴンでも通じる。レナート=クーリエとは、200年前にさかのぼる立国の英雄である。


 闘技に限らず、あらゆる競技の勝敗は賭けの対象となる。市民にとっては貴重な娯楽であり、国家にとっては重要な収入源の一部となっている。


 観客席後方、一番安い席で、おっちゃん二人が盛り上がっていた。剣術も好きだが、ギャンブルはもっと好きだという一般的なファン層である。


「こっちの1.05が、エイダ騎士団のケヴィン。21の方が、アラド=クラーゼン学院のトールか。騎士と学生さんじゃ、こんなもんか」


「しっかし主催者も、ちっとは考えてやれよ。いきなり騎士とじゃ、可哀想じゃねーか」


「ケヴィンって言や、結構、通った名だしな」


「いっちょ、学生さんを応援してやるかな……」


「賭けるのか?」


「賭けねーよ!」


「お、出て来たぞ……」


 東西のゲートから、二人の選手が入場して来た。ケヴィンは、さすが騎士だけあって、威風堂々たる振る舞い。もう一方のトールは、会場の大観衆が珍しいのか、キョロキョロとして落ち着かない様子だ。


「おい、学生さん! 頑張れよー! 俺はお前に、全財産、賭けてんだからなー!」


「ギャハハ! 余計なプレッシャー、掛けてんじゃねーよ!」


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