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覆面の探索者 ~己が生き様を貫く者~  作者: バガボンド
第1部 異世界の旅路
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第12話 海上対決1(キャラ名版)

 造船都市アルドディーレに移動した俺達だったが、そこに巣食う海賊群の行動に頭打ち状態となった。更にはこちらの動きを察知したのか、新大陸に移動したミュティナ達にも横槍が入っている。海上では無類の力を発揮する海賊群なら、その力は非常に侮れない。


 それに、海賊の頭領がかなりの野心家であり、利害一致とあれば王城側と結託するのは容易に予測できる。海賊側が何処までの悪党かは不明だが、今は時間がないのが実状だ。


 そこでついに、数ある切り札の中から、現段階で特効となる兵装を出す事にした。地球では各事変で大活躍した海上兵装、レプリカ大和とレプリカ伊400である。現状の戦力比からして、大問題極まりない実力を誇る兵装だ。


 だが、この2大海上兵装が海賊群への抑止力になるなら、申し分ない役割を担ってくれる。できれば、火器兵器を使う事なく進ませたいが、恐らくそうはいかなくなるだろうな。




ミツキ(ちゃ~ちゃ~ちゃら~ちゃちゃちゃっちゃちゃ~・・・むぐっ?!)

ナツミA(やめんかいアンタ。)

ミツキ(むがぁー! 最後まで歌わせろわぅー!)

ミスターT(はぁ・・・。)


 ついに繰り出された海上兵装を知って、某アニメの主題歌を歌おうとしだすミツキ。即座にナツミAに阻止されると、ご立腹とまでにエラい暴れだしている。しかし、海上兵装を初めて見た異世界の住人達は、驚愕した表情を浮かべていた。それはもう、当然だろうな・・・。


メラエア(は・・鋼鉄の船・・・。)

キャイス(こ・・これが・・・地球の海上兵装ですか・・・。)

オルドラ(これは・・・見事な造船技術だ・・・。)


 驚愕の表情を浮かべている。当然これは念話によるものだが、ミュティナ達の視覚から得る情報伝達でもある。念話の能力は、相手の目を自分の目として見れるのだ。


イザリア(なるほど、これが地球の兵装と。私達が用いていた宇宙船より、かなりの戦闘力を誇っていると思いますよ。)

ヘシュナ(思いますではなく、マジモノでヤバいですけどね。確かに私達の宇宙船の方が、戦闘力は各段にあります。しかし、武装はレールガンなど一部しかありません。対してレプリカ大和は、主砲の一撃で宇宙船の装甲を十分貫けます。バリアとシールドの防御機構がない場合は、恐ろしい兵装になりますよ。)

ルビナ(運用方法が全く異なりますからね。適材適所として配置すれば、正に天下無双の実力を発揮しますし。)


 2隻の戦闘力を、それなりに評価するイザリア。しかし、ルビナとヘシュナは実際にその実力を窺っているため、過大評価気味に熱く語っている。


 確かに、今現在の地球の既存兵装と比べれば、レプリカ大和もレプリカ伊400も、旧世代の遺物に過ぎない。だが、艦体に使われている素材や武装は、宇宙種族縁の超絶的なものになる。地球の既存兵器では、傷1つ付ける事すらできない。


 更には、バリアとシールドの防御機構に、必殺兵器のスーパーレールガンすら搭載されている。海上でしか運用ができない点を除くなら、この2隻だけで異世界を掌握する事は十分可能だ。


ミツキ(我々は全世界にワンニャン宣言をする!)

ナツミA(何その気抜けする宣言。)

ミツキ(ダブルガンシップを改名し、ワンコ大和とニャンコ伊400にするわぅ!)

ナツミA(それで一体何の意味が?)

ミツキ(考えだすと悩みだす、細かい事は気にするな。)


 通例のボケを展開し、驚愕している異世界の面々にクリティカルヒットを放つ。無防備状態だった彼らには痛烈過ぎたようで、自然と笑ってしまっているのが何とも言えない。


ミスターT(はぁ・・・それで、今後の運用方法を挙げてくれ・・・。)

ラフィナ(レプリカ大和ですが、こちらは既存大陸から新大陸への海上輸送を行います。海賊群からの横槍が絶対にあると思われるので、その場合は威嚇射撃をして追い払う感じです。)

エリシェ(レプリカ伊400は、海中を移動しつつ、海賊群の全航路の監視を行おうと思います。場合によっては攻撃に転じる事になりますが、まあ全く以て問題ないでしょう。)

ミスターT(はぁ・・・そうですか・・・。)


 一際張り切るラフィナとエリシェ。ヘシュナや他の面々も、エラい喜んでいるのが何とも。最近はヘシュナ達もマンガやアニメに魅入られており、最強状態を冠した作品群に酔い痴れているらしい。つまり、2隻の最強度をそれらに当てはめているのだ。


ミスターT(まあ確かに、これら兵装を目の当たりにし、驚愕する相手を見る優越感は感じてみたい気もするが・・・。)

ファイサ(既に皆さん方のお力自体が、その概念に当てはまっていますからね。)

テューシャ(それに重要なのは、今現在をどうするかになりますし。良いとは思いますよ。)

ミスターT(そうですか・・・。)


 本当に大丈夫かどうかと思い悩む・・・。しかし、既に出してしまった以上、今は活躍して貰うしかない。懸念材料を除けば、2隻のガンシップは確実に役立ってくれる。


ミスターT(ところで、艦長役は誰がやるんだ?)

ルビナ(レプリカ大和は私が担当します。レプリカ伊400はデュヴィジェ様で。)

デュヴィジェ(ルビナ様のお力なら、レプリカ大和の主砲弾を誘導着弾する事が可能になります。副砲や各種銃座も同じ扱いが可能ですし。私はほぼ司令塔なので、レプリカ伊400でも問題なく動けますからね。)

ミスターT(鬼の兵装だなこりゃ・・・。)


 ルビナの超能力を駆使すれば、レプリカ大和の主砲弾の誘導着弾も容易だ。実際に実演した事もある。デュヴィジェも同じ力が使えるが、ルビナ程の力はない。だが補佐的でも十分な力を発揮できる。ここは、レプリカ伊400で司令塔を行うのが無難だろう。


エリシェ(2隻とも、地球からは躯屡聖堕チームの方々が馳せ参じてくれましたよ。)

ミスターT(毎度ながら申し訳ない・・・。)

躯屡聖堕メンバー1(お気になさらずに。)

躯屡聖堕メンバー2(うちらも異世界の様相に憧れてましたからね。)


 2人の言葉に、他のメンバーが雄叫びを挙げだしてくる。彼らとは何度も共闘をしたため、今では盟友の域に達してもいる。本当に感謝に堪えないわ。


 ちなみに、躯屡聖堕メンバーの殆ど全員がヲタク気質だとの事だ。アキバにも頻繁に訪れるほどのマニアらしく、過去にアキバのヲタクの方々とも共闘した事があるらしい。その彼らが本当に異世界に来れたのだ、興奮しない訳がない。


ラフィナ(ともあれ、マスターが懸念されているパワーバランスの部分はお任せを。不用意に動く事はしません。警護者の概念、調停者と裁定者をしっかり行いますので。)

エリシェ(力があるのに使わないのは、時として不幸を招く事になる、でしたからね。私達を信用して下さいませ。)

ミスターT(はぁ・・・ぐうの音も出ないわ・・・。)


 真面目言葉を並べる2人だが、その表情がニヤケ顔なため、非常に信憑性に欠けてくる。それでも、心中に定めた警護者の理は、しっかりしているのが分かった。


オルドラ(と・・とりあえず、シュリーベルとデハラードの追加人員を運輸するよ。)

ミスターT(分かった。ルビナさんや、レプリカ大和を通常大陸側に接岸させておいてくれ。)

ルビナ(了解しました。)


 早速行動を開始する一同。今は新大陸への移動が重要なため、こちらを最優先すべきである。


 シュリーベルより南東の海岸近くに、レプリカ大和を向かわせるルビナ。海岸沿いは浅瀬に近いため、座礁しない場所に待機しての乗り込みとなる。同艦には小型船舶も複数搭載されているので、こちらに人員を乗せて移動させるのが無難だろう。


 ふと思ったのだが、転送装置による新大陸への移動方法もあると。すると、それを見透かしたエリシェとラフィナ、更にはヘシュナやデュヴィジェに気にするなと威圧された・・・。つまり、その手法があるのを知っておきながら、海上兵装を出した事になる。見事なまでに踊らされた感じが否めない・・・。


 それでも、相手に抑止力として見せ付けるには好都合だ。圧倒的戦闘力を見せ付け、戦う意思自体を殺いでいく。無血革命も警護者の大事な戦術と戦略の1つである。


    第12話・2へ続く。

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